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ダークナイト ライジング(字幕版) [洋画レビュー]

Dark_knight_rises_poster.jpg「ダークナイト ライジング(字幕版)」
(監督:クリストファー・ノーラン)

前作で全てを被って闇に消えたバットマン。そしてそれ以来、すっかり屋敷から出てこなくなったブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)。彼は既に身も心もボロボロになっており、杖をついての生活を余儀なくされていた。そのウェイン邸のチャリティパーティに紛れ、ブルースの母の形見のパールネックレスを盗み出した黒服の女がいた。彼女はセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)。富めるものからしか盗まぬ事をモットーとする女盗賊だった。だが彼女が本当に盗んだのはネックレスではなかった・・・。
一方、裏では密かに、ゴッサム・シティを揺るがす大規模な計画が進んでいた。その指揮を執っているのはゴツいマスクをつけたベイン(トム・ハーディ)。彼は“影の同盟”を追われた男だった・・・・。

いやー、素晴らしかった。今作によって、ワタシの中のこのシリーズの格は2段か3段ぐらい上がった気がする。

何と言ってもバットマン/ブルース・ウェインに集約されたストーリー展開が良かった。ここまでブルースの内面・感情に迫った作品は初めてだったんじゃないだろうか。それでもアルフレッド(マイケル・ケイン)が退場するまでは従来通りのポーカーフェイスだったが、特に“奈落(一種の刑務所?)”に閉じ込められて以降、ゴッサム・シティの苦境に対して何もできない状態からは、今までは一体なんだったの?というくらい演出も含めて感情丸出し(笑)。特にバットマン=マスクを被った時の感情の爆発が良い。この辺りからはさすがのワタシもブルースに感情移入しまくり。そのまま驚愕の黒幕やら止められない中性子爆弾処理やらで久しぶりにゾクゾクさせてもらいましたw

なんだ、クリスったらそういう演出も出来るんじゃん(爆)。

だからといって他のキャラクターが描かれていない訳ではない。確かに絞られてはいるが、ゴードン警部(ゲイリー・オールドマン)は相変わらず頑張ってるし、ブレイク刑事(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は若き日のブルースに重ね合わされて重要なキャラになっている。今回のヒロインのセリーナは複雑なキャラクターだがきっちりと描かれていた。アン・ハサウェイも頑張ってた〜。この辺りの脇役の素晴らしさったらない。その役にしか見えないもん。それって「ダークナイト」の時のジョーカー=ヒース・レジャーに対する感想だけど、今回はあれほど突出したキャラクターがいなかったからか、全体がそういう風になっている事が確認された感じがする。

ちなみに一度話題にしたけど、セリーナ・カイルは今作ではどこにも“キャットウーマン”とは出てこない。彼女はあくまで腕の良い女泥棒のセリーナなのだ。(パンフレットも律儀にそうなっているw)

あとガジェットね〜♬ BAT最高!大活躍!そして、バットボッドのタイヤの回転!!!!!すんません、惚れました・・・・(笑)。未見の人は何の事かと思うかもしれないけど、ガジェッターなら観たら納得すると思いますよ〜。今回はホントの意味でのバットモービルの出番はなかったねぇ・・・・。

小ネタもちりばめられてて、時々ハッとしたんだけど、完全チェックはもう一度観ないと厳しいな(爆)。でもこの作品ならもう一度観てみたいかも。一ヵ所だけ指摘しておくと、最後の最後、荷物を受け取ったブレイクが何と呼びかけられるかは聞いといた方がいいかも(笑)。

誤解のないように書いておくと、映画としては「ダークナイト」や「インセプション」の方が圧倒的にクオリティは高い(とワタシは思う)。もちろん今作も素晴らしい完成度なんだけど、それでも尚、前の二作の完成度がどれほど高かったか、という事が改めて認識できる作品でもある。

しかし、その前二作のレビューで散々書いた通り、理性では感嘆するほどの完成度を味わえても、ワタシの心に響くエモーショナルに乏しかった作品だった。それをガツンと払拭してくれた事で、映画としての完成度を超える魅力が今作に付加されたのだとワタシは思う。

前作前々作を見てないと本当には楽しめない今作。是非「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」を事前チェックして、クリス・ノーラン版三部作の完結を劇場で見届けて欲しい。ラストシークエンスを堪能して、その後の物語に思いを馳せて欲しい。定着している既存のキャラクターを使って、シリーズ最終作にこれほどの余韻を残すラストがあり得るとは。本当にグレイトとしか言えないお手並みでした。



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ジョン・カーター(3D・字幕版) [洋画レビュー]

405px-John_carter_poster.jpg「ジョン・カーター(3D・字幕版)」
(監督:アンドリュー・スタントン)

Blu-ray&DVD発売決定との事なので、アップし損ねていたレビューをば・・・・。

1881年、ニューヨークに暮らすエドガー・ライス・バローズ(ダリル・サバラ)は、叔父のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)から急を知らせる電報を受け、叔父宅に駆けつけるが既に彼は亡くなっていた。バローズは叔父の莫大な財産と共に、一冊の日記を受け取る。バローズ以外には読ませるなという遺言の日記は、13年前の驚くべき冒険の記録であった。

日本では(日本で“も”!?)やっぱり興行キツかった今作ですが、なかなかどうして、異世界描写も素晴らしい快作と言っていいんじゃないだろうか。アクション・ファンタジー作品として、ガジェットもクリーチャーもいろいろあって楽しい!

心配していたデジャー・ソリス役のリン・コリンズは、こちらが見慣れたからか(爆)意外と普通に見られた。逆にテイラー・キッチュが微妙だったかな。あの髪型が過酷なバルスーム環境に合ってない気がして・・・・19世紀の米国からの繋がりがあるから仕方ないのかな。ただ異世界的コスチュームはもう少しカッコ良くしてもらいたかったが(笑)。

ワタシは以前書いたように原作を読んでいるのだが、あんまり記憶が定かではないw 合本で読んだから余計にボケてるのかも・・・・(合本はそれ以前の1〜3巻が一冊になったもの)。単純に映画として観た時、バルスームの話の流れは何となく成り行きまかせな感じではありますね。この辺りはやっぱり100年前の牧歌的な原作の雰囲気が影響してるのかなぁ・・・・。異世界美術やクリーチャーが楽しいだけに、中盤でもう一段盛り上がりがあったらもっと面白かったと思うんだけど。

特に緑色人に2種類、赤色人に2種類の勢力があって、更にサーク族というつかみ所のない勢力があって、見た目じゃ敵味方が分かり辛いってのも問題だよなぁ。小説だと見た目の事は関係ないからいいけど、映画だとどうしても観ている方が混乱してしまう。ホントはこういう世界観で勝負するような物語だと、赤色人VS緑色人的な簡単な物語の方が向いてるんだけどね〜(笑)。それじゃ「火星のプリンセス」にならないよな(爆)。

膨大な赤字が見込まれていた今作だけど、Worldwideで2億8,200万ドル余りを稼いだので赤字幅はだいぶ減ったんじゃないかなぁ・・・・Domesticは7,288万ドルしか稼げなくて惨敗だったけどねぇ(爆)。評価もそれほど良くなかったので、アンドリュー・スタントン監督が画策していた三部作って話は無理かもねぇ・・・・。



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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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【新版】火星のプリンセス (創元SF文庫)

【新版】火星のプリンセス (創元SF文庫)

  • 作者: エドガー・ライス・バローズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2012/03/02
  • メディア: 文庫
しかしおもちゃとか全然ないんだね。それが一番売れなかった要因なんじゃないの?いやマジで。ウーラ(犬みたいなヤツね)のフィギュアとか欲しかったわぁ(爆)。
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ヒューゴの不思議な発明(3D・吹替版) [洋画レビュー]

Hugo_Poster.jpg「ヒューゴの不思議な発明(3D・吹替版)」
(監督:マーティン・スコセッシ)

鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)の目から逃れ、フランス・パリのリヨン駅で暮らす身寄りのない少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、構内の玩具屋からブリキのパーツを盗もうとするが店主(ベン・キングズレー)に捕まってしまい、大事にしているメモ帳を取り上げられてしまう。それは大好きな亡くなった父親(ジュード・ロウ)との思い出の品であり何とか返して欲しいと頼み続けるのだった。一方知り合った店主の義理の子供(クロエ・グレース・モレッツ)と友達になったヒューゴは、彼女を構内にある自分の住まいに連れて行き、パーツを盗んでいた理由を見せる。それは壊れた機械人形で、優秀な時計職人だった父親が博物館から引き取って修理していたものだった。

アカデミー作品賞・監督賞を逃したものの、批評家から絶賛を引き出しているらしい今作。確かに良く出来ていて、心がホッと暖かくなるような、万人に受け入れられる美しい作品だった。

まず美術が美しい。懐かしの1930年代の欧州の鉄道駅の雰囲気をキラキラした映像で見せてくれる。基本的に駅構内で話が進むので、映画の時間のほとんどをこの夢のような場所が満たしている。

ヒューゴの潜む駅の裏側も楽しい。スチームパンクのように蒸気が立ち上り、行方不明の叔父(レイ・ウィンストン)に代わってヒューゴが管理する様々なサイズの駅の時計の複雑な歯車の列も楽しい。

そして機械人形がまたイイ。この辺りは男の子向けの演出かもしれないけど(笑)。機械いじりが好きだった男の子にとっては、特に前半の保護者不在で機械いじりしかしていないヒューゴの生活は憧れに近いのではないだろうか。

ストーリーは、ヒューゴの現在の生活を追う前半と、キングスレー演じるジョルジュ・メリエスの復権を軸にした後半に別れている。ワタシの印象としては、丁寧に物語を追っていく前半は好印象だが、後半は何となくパタパタと進んでいくような忙しなさを感じる。そして急にメリエス中心に物語が回っていく感を抱かせるのが残念だったかな。あくまでもヒューゴ中心に貫かれていたらと思ってしまった。

ネタバレに近くなってしまうが、例えば最後。ヒューゴ自身が家族として迎え入れられる事に対してどう思っていたのかの描写が希薄に感じるのだ。そりゃメリエスやイザベルに対して好意を持っているのは分かるが、それとこれとは別の事ではないだろうか。細かい部分ではあるが・・・・。

それと個人の好みの問題だが、駅構内のキラキラ感のある見せ方に対して、街なかの美術が凡庸すぎる。対比して見せていると思うが、それにしても味が感じられない。ここもう一息かなぁ。

でもこの作品、ステキなセリフも多くていいです。ワタシが好きなのは、うろ覚えで恐縮だが、イザベルと共に時計塔から街の明かりを見下ろしながらヒューゴが語る「この世界が機械なら、人には誰でも役割がある。必要のない人なんていない」というニュアンスのセリフ。素晴らしい!




ヒューゴの不思議な発明 [Blu-ray]

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ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫)

ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫)

  • 作者: ブライアン セルズニック
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2012/01/25
  • メディア: 文庫


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アンダーワールド 覚醒(2D・字幕版) [洋画レビュー]

Underworld_awakening_poster.jpg「アンダーワールド 覚醒(2D・字幕版)」
(監督:モンス・モーリンド)

影の世界で吸血鬼・ヴァンパイアと狼男・ライカンの戦いは続いて来た。しかしここに来て遂に人間社会が二つの種族を感知、撲滅を目指し、三つ巴の戦争状態に突入する。
ヴァンパイアの処刑人セリーン(ケイト・ベッキンセール)は、ヴァンパイアとライカンの混血種である恋人のマイケル(スコット・スピードマン)と共に周り全てを敵として戦い、米国から船で脱出しようとしていた。しかし港で人類の待ち伏せに遭い、捉えられてしまうのだった・・・・。

いやー、なかなか面白かったですw アクションに次ぐアクション!非常にアグレッシブな内容になってます。

アクションが連続しても決して飽きさせる事なく見せてくれるのは立派。シチュエーションや武器、そして相手を変える事で様々なバリエーションを作り出しています。この辺りはやっぱりハリウッド映画だなぁ。「GANTZ PERFECT ANSWER」とか邦画も何とかしてください(ボヤキ)。

ストーリーは大してありませんが(爆)ライカンの方が頭脳プレーで色々な展開を見せてくれるのにはビックリしました。どっちかって言うと頭悪そうだったのに(笑)。

後はやっぱ役者ですかね。ケイトのセリーンが良いのは当然だけどwほとんど出てこないマイケルの代わりにセリーンの相手役になっているデヴィッド(テオ・ジェームス)、唯一人間としてセリーンの味方になるセバスチャン刑事(マイケル・イーリー)、敵役のジェイコブ博士(スティーブン・レイ)など、役的にも屈折したキャラクターが多いからか、みんないい味出してます。お陰で画面で展開されるストーリー以上のドラマ性を感じさせてくれるのが映画に奥行きを与えていますね。

そして何とも思わせぶりなエンディング。Domesticで何とか二作目を抑えてシリーズトップの興収となったらしい今作の続きが作られるといいなぁ(笑)。



結局三作目は見ず仕舞でしたが、今作の鑑賞には影響を感じませんでしたw 初期二作は見といた方がキャラクターは分かりやすいと思いますけど。
アンダーワールド [Blu-ray]

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アンダーワールド2 エボリューション [Blu-ray]

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TIME/タイム(吹替版) [洋画レビュー]

Intimefairuse.jpg「TIME/タイム」
(監督:アンドリュー・ニコル)

遺伝子操作によって、人類の肉体は25歳で止まり、永遠に生きられるようになった。しかし同時に“生きる時間”は通貨の代わりになり、コーヒー一杯買うにもバスに乗るにも生きる時間で支払うようになっていた。そして富裕層は100年も生きる時間を溜め込んで怠惰に毎日を送るのに対し、貧困層は日雇い労働を毎日こなしてやっと明日の生命を手に入れるのだった。
貧困層の住むスラムゾーンで母親(オリヴィア・ワイルド)と暮らすウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)はある日、スラムゾーンに来るはずのない富裕層の男(マット・ボマー)を強盗(アレックス・ペティファー)の一派から救い出す。するとその男はウィルに自分の余命116年余りを譲り渡し、自殺する。ウィルはその有り余る“富”を持って母親との待ち合わせ場所に向かうが、アクシデントから余命時間の受け渡しが間に合わず、母親はウィルの腕の中で絶命する。ウィルはこの時間=通貨システムへの復讐を考え始めるが・・・・。

アンドリュー・ニコル監督の最新作。あ、最初に書いておくと、クライムアクション映画として普通に面白いですよ(笑)。

25歳で肉体年齢が止まる、という設定によって登場人物のほとんどがカッコいい&美しい姿で登場するし、腕に仕込まれた時間表示もなかなかクールだ。いくら遺伝子操作したからって、そういう肉体に変わる事は不可能だという事はここでは言っちゃいけないよ(笑)。

出てくる車はクラシックな車ばかりで、ただそれがSFとしてはレトロフューチャーに見えてくるんだから不思議。この辺りは監督の手腕かなw

で、監督の作品はこれで4作目となるが、ワタシが見たのは1作目の「ガタカ」のみ。という事でどうしても「ガタカ」と比べたくなっちゃうんだよなぁ。

「ガタカ」と比較すると、なんだか普通のアクション作品、という感じがする。「ガタカ」と今作の共通点は“SFらしくない美術”か。ほとんどのシーンで現代またはクラシカルな雰囲気の風景の中で物語は展開する。「ガタカ」ではそれでも尚、撮影や画面構成の力で圧倒的な画面の美しさ、SFらしさが漂っていたのだが、今作ではそこまでの力を感じられなかった。

お陰で今作は「ガタカ」にあった“A級作品的品格”を手に出来なかった。それで、だろうか。アクション映画として普通に面白いのだが、アンドリュー・ニコル作品としては何だか消化不良な気がしてしまうのだ。それが今作の一番残念な点かな。

もう一つはタイムリミットサスペンスが今イチ利いていない気がする。ギリギリの時間で“死の刻”をすり抜けて行くような描写が余りないし、あっても切迫感を感じられない。それがもっとしっかりと描写されていれば、作品の中にピンと張った緊張感が感じられたと思うのだが。折角の面白い設定が生かし切れていないのは残念だ。

もう一つ、あえて指摘するなら、残念ながら冒頭の母親絶命シーンの悲痛な悲しみが観客に全く伝わってこない(爆)。設定の問題なのだが、全員が見目麗しき肉体年齢25歳という設定なので、『これがウィルの母親です』と言われても全然感情移入出来ないのだ。特に映画が始まって間もないシチュエーションなので、観客がその設定に馴染み切れていない中で見せられる愁嘆場だからなのかもしれないが。ワタシなんかやや滑稽さを感じてしまった程だ。

これなら無理に母親にせず、仲の良い姉という設定にしておけば良かったんじゃなかろうか。子供も母親も25歳、という所を見せて、設定の説明の補完をしたつもりだと思うが、ここはウィルがシステムへの復讐を誓う物語上最も重要なシーンだ。観客の感情移入を優先させるべきだったとワタシは思う。

人物描写に関して言うと、今作は小悪党役のアレックス・ペティファーや富裕層の親玉役のヴィンセント・カーシーザー、そして時間監視局員役のキリアン・マーフィなど、脇の男がみんな魅力的で、残念ながら俳優としてはまだまだ駆け出しの主役のジャスティンは力負けの印象。設定的にもウィルは単純過ぎて難しかったかもしれない。

そう言えば思わせぶりだったウィルの父親の話って中途半端に終わった気がするが・・・・。

吹替版を見たので簡単に触れておくと、残念ながらシルヴィア(アマンダ・サイフリッド)役の篠田麻里子が棒読みなのがいただけなかった・・・・。今作を観るなら字幕版をお勧めします(汗)。アマンダ本人は右のほうれい線上に吹出物?が出ててそれが残念だったな(木亥火暴)。



アンドリュー・ニコル監督作品。「シモーヌ」はどうなのかなぁ・・・・今まで寡作だったのに、次の作品はもう決まっていて、シアーシャ・ローナン主演の「ザ・ホスト」というSFラブストーリー。2013年全米公開予定。
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三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(2D・字幕版) [洋画レビュー]

TheThreeMusketeers2011Poster.jpg「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(2D・字幕版)」
(監督:ポール・W・S・アンダーソン)

ルイ13世(フレディ・フォックス)治世のフランス。銃士を夢見て田舎から出て来たダルタニアン(ローガン・ラーマン)は破天荒な行動から、有名なアトス(マシュー・マクファディン)・ポルトス(レイ・スティーヴンソン)・アラミス(ルーク・エヴァンス)の三銃士と決闘する事になる。ところが決闘の直前、リシュリュー卿(クリストフ・ヴァルツ)とその手下の大群が三銃士を捕まえに現れ、大乱闘に。ダルタニアンは事の流れから三銃士の側として共闘し、4人で見事に大群を追い払う。その乱闘での手腕を買われて三銃士と行動を共にする事になる。

レビューしてなかったが、ソフト化が決まったというのを見たので、一応簡単にレビューしておく(笑)。かなり記憶が曖昧になっているが(汗)。

基本的にはこの作品、普通に面白い。史実や原作にどこまで寄り添っているのか分からないが、冒頭にミニチェア風アニメ風?な絵柄で当時のフランス・英国辺りのパワーバランスを説明してくれるし、それでなくとも観ていれば大体分かる。

まぁ、気をつけていた方がいいのは、誰がフランス人で誰が英国人か、それだけは意識して見ていた方がいいだろう。俳優は基本的にハリウッド俳優なわけだから、フランスでも英国でもない。見た目から判断するのは難しいのだ・・・・。そしてフランス人が味方で英国人が敵、という簡単な話でもないのである。だから逆にフランス人か英国人かくらいは自分の中でハッキリさせておかないと、多分人間関係がよく分からなくなって来るんじゃないかと思うのだ。

ところでストーリーだが、主人公はダルタニアンということになると思う。ただアトスの比重も結構大きくなっていて、その辺りの関係性が上手く行っていない。

つまりダルタニアンを軸にするなら、アトスは師匠的な位置づけになっていれば両雄並び立ったと思うのだが、三銃士というチームとの絡みがあって、アトスが師匠的立場にハマっていないのだ。そりゃアトス・ポルトス・アラミスの三人が役割分担してダルタニアンの師匠になれればそれがいいが、時間に制限がある映画では無理。実際現状でもポルトスとアラミスは脇役的位置づけに甘んじているのだから。

クライマックスの飛行船での戦いとか、キャッチーだし話を大きく出来てるし(もっとうまく使えたんじゃないかとも思うがw)きれいにまとめて、尚火種を残しているのも上手い。ルイ13世とアンヌ王妃(ジュノー・テンプル)のカップルもちょっとウザいけどw微笑ましいし、内容は全体に軽くて薄っぺらいけど(爆)観終わって悪くない印象でした。暇つぶしに楽しむなら悪くない選択だと思いますよw



【初回限定生産】三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 3D&2Dブルーレイセット [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
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ノベライズ。
三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (竹書房文庫)

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (竹書房文庫)

  • 作者: アレクサンドル・デュマ原作
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2011/10/06
  • メディア: 文庫

原作。読んだ事ありません(笑)。
三銃士〈上〉 (岩波文庫)

三銃士〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: アレクサンドル・デュマ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1970/10/16
  • メディア: 文庫
三銃士〈下〉 (岩波文庫)

三銃士〈下〉 (岩波文庫)

  • 作者: アレクサンドル・デュマ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1970/10/16
  • メディア: 文庫

ワタシが三銃士と聞いて一番に思い浮かぶのはやっぱコイツですかね(木亥火暴)。
超合金魂 GX-59 ダルタニアス

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  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(3D・吹替版) [洋画レビュー]

The_Adventures_of_Tintin_-_Secret_of_the_Unicorn.jpg「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(3D・吹替版)」
(監督:スティーブン・スピルバーグ)

新聞記者のタンタン(浪川大輔)は、ある日立ち寄ったフリーマーケットで素晴らしい帆船ユニコーン号の模型を見つけて買い取る。しかしその直後、謎の男に「その船に関わらない方がいい」と声を掛けられ、更にサッカリン(森田順平)に言い値で模型を買い取らせて欲しいと申し入れられる。振り切って模型を自宅に持ち帰ったタンタンが図書館でユニコーン号の実船について調べてみると、昔海賊に襲撃されて財宝もろとも沈没した事が分かる。ところが意気揚々と自宅に戻ってみると、そこは荒らされてユニコーン号の模型が盗まれていた。サッカリンを怪しんだタンタンは、サッカリンが買い取ったというムーランサール城へと潜入を試みる。

ピーター・ジャクソンが製作に名を連ねたスピルバーグ作品という事で、それなりに面白かろうと思っていたのだが、意外と乗れなかった・・・・。

まずストーリーが一本調子で変化に乏しいのが困り者。スピルバーグのアクション映画って割とそうなりがちな気がするが、例えば「インディ・ジョーンズ」シリーズなどなら役者の演技や味で変化が付く。でもアニメではそこまでの味は出せないのが辛いところ。お陰で一本調子な流れだけが目立つ結果になっている。

もう一つは背景美術などの作り込みが今イチな気がする。アニメでは画面に色々なものが自由に出せる代わりに、出そうと思ったものしか見せられない。プロジェクト全体のクリエイティブ能力が問われる訳だが、そこにもやや欠陥があるように思う。有名なマンガが原作な訳だが、漫画的な誇張も感じられず、その割にはリアルな実在感も感じられない。

お陰で画面から受ける魅力がほとんどない。それでストーリーに魅力が薄ければつまらないのも仕方が無いというところか・・・・。



原作マンガ。他にも色々売ってますね。
ペーパーバック版 なぞのユニコーン号 (タンタンの冒険)

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  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2011/04/05
  • メディア: ペーパーバック
ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット1

ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット1

  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2011/04/30
  • メディア: 単行本
ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット2

ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット2

  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2011/06/05
  • メディア: 単行本
ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット 3

ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット 3

  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2011/08/01
  • メディア: 大型本
ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット 4

ペーパーバック版 タンタンの冒険6冊セット 4

  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2011/10/03
  • メディア: 大型本

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リアル・スティール(字幕版) [洋画レビュー]

Real_Steel_Poster.jpg「リアル・スティール(字幕版)」
(監督:ショーン・レヴィ)

先日短評を書いたが、改めて。

チャーリー(ヒュー・ジャックマン)は優秀な元ボクサー。ロボットボクシング(=リアル・スティール)が台頭して以来、仕方なく参加しているが、自分がやるようには上手く行かず次々とロボットをスクラップにし、ロボットボクサーのジム(整備所)を経営している恋人のベイリー(エヴァンジェリン・リリー)とも喧嘩してしまう。そんな中、疎遠にしていた元恋人が亡くなり、すったもんだの末、私生児として産まれた自分の子供マックス(ダコタ・ゴヨ)を引き取る羽目になる。チャーリーはマックスとの付き合い方に戸惑うが、マックスはリアル・スティールのファンでチャーリーの参加する試合に付いていこうとする。

いや、良かったw 予告編が『感動作』といった売り方をしているので、何だかベタな“父子の絆”物語を見せられるのかと感じて今イチ観る気が失せていたのだが、観といて良かった。ホント、最近の洋画のプロモーションは間違いだらけ。自ら洋画の失墜を呼び込んでるみたいで情けない(話がズレたw)。

今作は父子関係の機微を描いているのは間違いないが、もう一方のボクシング映画・スポ根映画としての側面もちゃんと作られている。この二つの側面を上手くつかって相乗効果をあげている印象だ。

『お互い拒否反応を示す父と子が、共通の話題(ここではリアル・スティール)を通して距離を縮めていく家族再生の物語』という側面と『最初は全く勝てないチャーリーが新たなサポートと新たなモチベーションを得て復活し、サクセスストーリーを駆け上がっていくスポーツ物語』という側面。片方だけ取り出してみるといかにも単純な王道のストーリー展開だ。ただ今作はちゃんと双方が呼応した形でストーリーに組み込まれている。父と子が近しくなっていくに従ってボクシング的にも成功していくので、観ている側の気分が素直に盛り上がっていけるから気持ちいいのだ。

とは言え通常の映画の二本分の話が盛り込まれている訳だから、それぞれは当然薄くなっていく訳で、ドラマ性が弱く突っ込み不足なのはある意味当然だ。今作は娯楽作として、ポンポン進むストーリーを単純に楽しみ、ロボットアクションに喝采をあげ、そして最後の試合に二つの物語のクライマックスをちゃんと重ねた演出に身を委ねれば、ヒュー・ジャックマンとダコタ・ゴヨがツボを抑えたいい表情を見せてくれるので、気持ちよく泣かせてくれます(笑)。

上映もそろそろラストスパートかと思いますが、見逃してる方は是非ご覧を。ヒューこだわりの「ウルヴァリン」なんかよりよっぽど面白いですよ(爆)。



ショーン・レヴィ監督の代表作。これはどちらかというとギャグの部類でしたが、「リアル・スティール」はそう言った部分が抑えめで、その辺りのバランス感も良かったです。
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エイリアン(字幕版) [洋画レビュー]

Alien_movie_poster.jpg.jpeg「エイリアン(字幕版)」(監督:リドリー・スコット)

外宇宙を航行する鉱物貨物船ノストロモ号が正体不明の電波をキャッチした。船長のダラス(トム・スケリット)、航海士ケイン(ジョン・ハート)、航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)、航海士ランバート(ヴェロニカ・カートライト)、科学担当アッシュ(イアン・ホルム)、機関士パーカー(ヤフェット・コットー)、機関士ブレッド(ハリー・ディーン・スタントン)の7人の乗員は契約書の内容に則り仕方なくその正体を確認するために発信源に向かう。惑星LV-426に降り立ったノストロモ号は故障のために動けなくなってしまうが、調査にダラス、ケイン、ランバートの3人が発信源の謎の宇宙船へと潜入。化石化した乗員〈スペースジョッキー〉を発見する。更に見つけた小さな縦穴からケインが地下へと潜入すると、卵状の物体が大量に並んだ一室に出る。その中では生物が鼓動していた。一方ノストロモ号では電波の解析をリプリーが進めていたが、どうやらその信号は救難信号のようなものではなく、警告のようだった・・・・。

「エイリアン」である。何も言う事はない(笑)。午前十時の映画祭の一本としてTOHOシネマズ海老名で上映していたので、これは!と思って観て来た。ディレクターズカット版が出ているが今回の上映はノーマル版だし、「ブレラン」みたいにクリアな映像に昇華されてるわけでもないが、改めて大画面で観られるとやっぱり嬉しいね〜。

劇場で観るのはロードショー公開の1979年以来。その時ワタシは中学一年生。同じ79年の夏休みロードショー公開作としては「スーパーマン(米国では1978年公開、日本公開がこの年)」や「銀河鉄道999」などがあった。同じ年にテレビで放送されていたのが「機動戦士ガンダム」だ。

そんな有名作の中で公開された「エイリアン」だが、もちろんこの作品が作られるにあたって最も影響を受けたのは、二年前の1977年に公開された「スター・ウォーズ」だろう。そう考えてみると今作もずいぶん昔の作品だと気づかされるw

話は脱線するが、「スター・ウォーズ」のように次々と続編が作られ公開されると時間の経過は分かりやすい。しかし「エイリアン」シリーズは二作目の「エイリアン2」が作られたのが1986年(「SW5」は1980年)。以降「3」が1992年、「4」が1998年と、全体的にスパンが長い。そして続編といいながらも内容はバラエティ豊かでジャンルまでも飛び越えているのが「エイリアン」シリーズの特徴な訳で、シリーズ化していてもこの最初の「エイリアン」がいつまでも光り輝いているのは、このシリーズ独特の傾向にもあるのだと思う。

既に古典と化している今作だが、改めて見直してみるとやはり素晴らしい!これ以上ない密室でのサスペンスはいやが応にも緊迫感を感じさせるし、7人の人間関係も入り組んでいて描写はそれほど多くないのにドラマ性を感じさせる。今回観ていて初めてダラスとランバートがデキてる臭くてwそれに対してリプリーがいら立ってるのを感じる事が出来た(!)知らなかった・・・・。

もちろんH・R・ギーガー渾身のデザインであるエイリアンやエイリアンシップ、スペースジョッキーなど非人類の文化である事をよく表している上に美しさを感じさせるし、メビウスがデザインした宇宙服はカッチョいいし、ノストロモ号やナルキッソス号も(「スター・ウォーズ」の影響をもろに感じる部分ではあるがw)無骨ながらガジェッターとしてはかなりそそるデザインw この辺りはリドリー・スコットの映像センスと共に画面を充実したものにしてくれている。

それにしてもこれが「ブレードランナー ファイナル・カット」みたいにレストアされて美しくなったらもっといいのになぁ(笑)。さすがに無理な話か。

何にせよまずは来年公開の「エイリアン」シリーズ最新作でありプリクエルとなる「プロメテウス」の公開を待ちたいと思います。(ホント、いい予習になりましたよ笑)


このBlu-rayならディレクターズカット版も観られるようです。デジタルリマスターもかかってるようだけど、どれほどきれいになってるんだろう?
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ミッション:8ミニッツ(字幕版) [洋画レビュー]

Source_Code_Poster.jpg「ミッション:8ミニッツ(字幕版)」
(監督:ダンカン・ジョーンズ)

コルター・スティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)が目を覚ますと、そこはシカゴ行の電車の中。向かいにはクリスティーナ(ミシェル・モナハン)という美女が座っていて、自分に親しげに話しかけて来るが、コルターの事をショーンと呼ぶ上にコルターには全く面識がない。そうこうしているうちに車内で大爆発が起こり、コルターも吹き飛ばされ、死んだかと思われた・・・・。
ところが次にコルターが気づくと、電車の車内とは似つかない、狭くて真っ黒なシェルターの中だった。据えられたモニターに映っていたコリーン・グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)が状況を説明する。コルターが体験した列車爆発は既に少し前に起こってしまったテロ事件で、犯人は次の爆破をシカゴの街中で起こすと予告。コルターは「ソースコード」という軍の機密システムによって、爆破で死んでしまったショーンと言う男性の残留思念に接続され、その脳内世界で爆破犯を特定しろというミッションだったのだ。しかしそのミッションの裏には、まだまだ秘密があった・・・・。

面白い!切なく胸熱く感動出来るエンタテインメント・スリラー!なんだか安っぽい売り文句みたいで恐縮だが、これホントですw ダンカン・ジョーンズ監督、上手いっすw

監督前作「月に囚われた男」と同様、主人公の知らないところで何かが進行していて、その謎解きというのがストーリー上の一つの面白さにつながっている。モニター一つに映る映像を頼りに追う“現実”の謎解きと、時間的空間的制約の中で必死に動き回って爆破犯を特定しようとする“仮想世界”の謎解きが交互に描かれ、観客の興味をグイグイ引っ張っていく。

もう一つの面白さはもちろんドラマ。特にコルターとクリスティーナ、コルターとコリーンの関係が徐々に変わっていくところが丁寧に描かれていて、観ている側の心を揺すぶってくれる。主演のジェイク・ギレンホールは「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」同様、男っぽい魅力を振りまいているし、ミシェル・モナハンは「イーグル・アイ」ではそれほど魅力を感じなかったが、今作では気さくでチャーミングな女性として華を添えている。

しかし、ワタシが一番推したいのはヴェラ・ファーミガ。最初は事務的にミッションに当たっている有能な女性という雰囲気だが、コルターとのやり取りの中でどんどん雰囲気が変わって魅力的になっていく。そしてクライマックスに彼女はとても重要な判断を迫られるのだ。

この作品もネタバレせずに魅力を語るのは難しい作品だが(汗)、逆になるべく情報を仕入れずに新の状態で観て欲しい作品とも言える。映画ファン、SFファンなら絶対観て欲しいオススメ作です!!!


監督前作。これも素晴らしい作品!未見の方は是非。そしてダンカン・ジョーンズの次回作はどうなるのか?余り待たせずに映画作品を見せて欲しいと切に願います!出来れば全国ロードショー公開で(笑)。
月に囚(とら)われた男 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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