ヒューゴの不思議な発明(3D・吹替版) [洋画レビュー]
「ヒューゴの不思議な発明(3D・吹替版)」
(監督:マーティン・スコセッシ)
鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)の目から逃れ、フランス・パリのリヨン駅で暮らす身寄りのない少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、構内の玩具屋からブリキのパーツを盗もうとするが店主(ベン・キングズレー)に捕まってしまい、大事にしているメモ帳を取り上げられてしまう。それは大好きな亡くなった父親(ジュード・ロウ)との思い出の品であり何とか返して欲しいと頼み続けるのだった。一方知り合った店主の義理の子供(クロエ・グレース・モレッツ)と友達になったヒューゴは、彼女を構内にある自分の住まいに連れて行き、パーツを盗んでいた理由を見せる。それは壊れた機械人形で、優秀な時計職人だった父親が博物館から引き取って修理していたものだった。
アカデミー作品賞・監督賞を逃したものの、批評家から絶賛を引き出しているらしい今作。確かに良く出来ていて、心がホッと暖かくなるような、万人に受け入れられる美しい作品だった。
まず美術が美しい。懐かしの1930年代の欧州の鉄道駅の雰囲気をキラキラした映像で見せてくれる。基本的に駅構内で話が進むので、映画の時間のほとんどをこの夢のような場所が満たしている。
ヒューゴの潜む駅の裏側も楽しい。スチームパンクのように蒸気が立ち上り、行方不明の叔父(レイ・ウィンストン)に代わってヒューゴが管理する様々なサイズの駅の時計の複雑な歯車の列も楽しい。
そして機械人形がまたイイ。この辺りは男の子向けの演出かもしれないけど(笑)。機械いじりが好きだった男の子にとっては、特に前半の保護者不在で機械いじりしかしていないヒューゴの生活は憧れに近いのではないだろうか。
ストーリーは、ヒューゴの現在の生活を追う前半と、キングスレー演じるジョルジュ・メリエスの復権を軸にした後半に別れている。ワタシの印象としては、丁寧に物語を追っていく前半は好印象だが、後半は何となくパタパタと進んでいくような忙しなさを感じる。そして急にメリエス中心に物語が回っていく感を抱かせるのが残念だったかな。あくまでもヒューゴ中心に貫かれていたらと思ってしまった。
ネタバレに近くなってしまうが、例えば最後。ヒューゴ自身が家族として迎え入れられる事に対してどう思っていたのかの描写が希薄に感じるのだ。そりゃメリエスやイザベルに対して好意を持っているのは分かるが、それとこれとは別の事ではないだろうか。細かい部分ではあるが・・・・。
それと個人の好みの問題だが、駅構内のキラキラ感のある見せ方に対して、街なかの美術が凡庸すぎる。対比して見せていると思うが、それにしても味が感じられない。ここもう一息かなぁ。
でもこの作品、ステキなセリフも多くていいです。ワタシが好きなのは、うろ覚えで恐縮だが、イザベルと共に時計塔から街の明かりを見下ろしながらヒューゴが語る「この世界が機械なら、人には誰でも役割がある。必要のない人なんていない」というニュアンスのセリフ。素晴らしい!
(監督:マーティン・スコセッシ)
鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)の目から逃れ、フランス・パリのリヨン駅で暮らす身寄りのない少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、構内の玩具屋からブリキのパーツを盗もうとするが店主(ベン・キングズレー)に捕まってしまい、大事にしているメモ帳を取り上げられてしまう。それは大好きな亡くなった父親(ジュード・ロウ)との思い出の品であり何とか返して欲しいと頼み続けるのだった。一方知り合った店主の義理の子供(クロエ・グレース・モレッツ)と友達になったヒューゴは、彼女を構内にある自分の住まいに連れて行き、パーツを盗んでいた理由を見せる。それは壊れた機械人形で、優秀な時計職人だった父親が博物館から引き取って修理していたものだった。
アカデミー作品賞・監督賞を逃したものの、批評家から絶賛を引き出しているらしい今作。確かに良く出来ていて、心がホッと暖かくなるような、万人に受け入れられる美しい作品だった。
まず美術が美しい。懐かしの1930年代の欧州の鉄道駅の雰囲気をキラキラした映像で見せてくれる。基本的に駅構内で話が進むので、映画の時間のほとんどをこの夢のような場所が満たしている。
ヒューゴの潜む駅の裏側も楽しい。スチームパンクのように蒸気が立ち上り、行方不明の叔父(レイ・ウィンストン)に代わってヒューゴが管理する様々なサイズの駅の時計の複雑な歯車の列も楽しい。
そして機械人形がまたイイ。この辺りは男の子向けの演出かもしれないけど(笑)。機械いじりが好きだった男の子にとっては、特に前半の保護者不在で機械いじりしかしていないヒューゴの生活は憧れに近いのではないだろうか。
ストーリーは、ヒューゴの現在の生活を追う前半と、キングスレー演じるジョルジュ・メリエスの復権を軸にした後半に別れている。ワタシの印象としては、丁寧に物語を追っていく前半は好印象だが、後半は何となくパタパタと進んでいくような忙しなさを感じる。そして急にメリエス中心に物語が回っていく感を抱かせるのが残念だったかな。あくまでもヒューゴ中心に貫かれていたらと思ってしまった。
ネタバレに近くなってしまうが、例えば最後。ヒューゴ自身が家族として迎え入れられる事に対してどう思っていたのかの描写が希薄に感じるのだ。そりゃメリエスやイザベルに対して好意を持っているのは分かるが、それとこれとは別の事ではないだろうか。細かい部分ではあるが・・・・。
それと個人の好みの問題だが、駅構内のキラキラ感のある見せ方に対して、街なかの美術が凡庸すぎる。対比して見せていると思うが、それにしても味が感じられない。ここもう一息かなぁ。
でもこの作品、ステキなセリフも多くていいです。ワタシが好きなのは、うろ覚えで恐縮だが、イザベルと共に時計塔から街の明かりを見下ろしながらヒューゴが語る「この世界が機械なら、人には誰でも役割がある。必要のない人なんていない」というニュアンスのセリフ。素晴らしい!
>ハマコウさん
>月夜のうずのしゅげさん
nice!ありがとうございます。ズレた時期のレビューにスイマセン(笑)
by tomoart (2012-04-28 11:22)
「この世界が機械なら、人には誰でも役割がある。必要のない人なんていない」というニュアンスのセリフ
私も すばらしいと思います(^^)
by エコピーマン (2012-04-29 12:05)
こんばんは。映像が美しかったですね。エイサ君がかわいくてよかったです。ジュード・ロウはちょっと影が薄かったような気が……。
あの機械人形の寂しげな表情が好きでした。メリエスの映像も面白かった。スコセッシ、すばらしい作品を創りましたね。
by coco030705 (2012-04-30 22:13)
>ゆきママさん
>マチャさん
>coco030705さん
nice!ありがとうございます。
>エコピーマンさん
>coco030705さん
コメントありがとうございます。基本的にとてもステキな作品でしたね。最後は誰もが優しい気持ちになれるハッピーエンドなのもtomoart好みでした(笑)
by tomoart (2012-05-01 01:04)