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「機動戦士ガンダムF91」が記憶外に面白かったことなど。 [邦画レビュー]

「機動戦士ガンダムF91」監督:富野由悠季

宇宙世紀0123年。地球連邦の腐敗に対抗すべく『コスモ貴族主義』を掲げてクロスボーン・バンガード(CV)が行軍を始める。連邦軍とCVの戦闘の舞台となったスペースコロニー『フロンティアIV』の高校生シーブック・アノーは妹や友人たち数人のグループで生き延びるために逃げ惑うが、友人のアーサーの死亡を目にし、ほのかな恋心を抱いていたセシリーはCVに連れ去られてしまう。成り行きで連邦軍の戦艦に収容されたシーブックは、母が開発に関わっていたモビルスーツ(MS)ガンダムF91に乗り込みCVとの戦いに巻き込まれていく。

この作品、公開当時(1991年)に劇場で観て以来、再見していなかった。当時の印象としては「大して面白くない」笑。なんだか何もかも古臭い気がした…ような気がする。とにかくパッとしないイメージしか持っていなかったので、30年間、見直そうという気持ちもなかった。

ところが現在絶賛公開中の「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の情報を読んでいて、観に行きたいけど時間がなくて行けないなぁ…と思っている時にU-NEXTで今作を発見。ちょっとガンダムに飢えていたことと、いろいろ記事やコメントを読んでいると好意的な感想が散見されていたので「もう一回見てみようかな」という気にさせられた次第。

そうして再見して感じたのがタイトル『記憶外に面白かった』のだ。

なんで公開当時の印象がつまらなかったのかが30年も経ってしまった今では思い出せないので推測するしかない。当時の私は若手社会人で、どちらかというとヲタク趣味から少し遠ざかっていた頃。前作「逆シャア」はアニヲタ全開だった大学時代に観て、こちらもあまり良い印象はなかったが『アムロとシャアの物語の最終章を観た』という時代の一つの区切りを迎えた気分が残っていた。

これでガンダムは終わる。そんな気持ちが醒めやらぬ中の新作発表。富野安彦大河原の大御所が揃って参加してガンダム新章が始まると言われても、どちらかというと反感のほうが先に立っていた。

しかも同時期、OVAではファーストのサイドストーリー「0080」で出渕裕がファースト時代のMSデザインをリニューアルし、「センチネル0079」や「0083」ではカトキハジメがリニューアルするという、ファースト至上主義な私としては『ガンダムはやっぱり一年戦争』という思いを強くしていた時代なのだ。

何故ここで、アムロもシャアも出てこないガンダムを作る必要があるのか。そんなもの、ガンダムである必要がないじゃないか。私としては経済論理で出てきた、いわゆる儲け主義なだけの作品にしか感じられなかったのである。

今となってはガンダムはジャンル化し、もう終わりはなさそうなところに来てしまっているが、当時はそんな風に感じたということ。そんな気持ちで観た今作は、ツッコミどころだけが目について良い印象を持てなかった、というのが今の私が考える当時の状況である。

ところが今のガンダムが広がりまくって何でもあり(宇宙人すら出てくる)な状況の中で素直な目で見た今作は、富野さんが作ったにしてはメッチャわかりやすくてとっつきやすくてサービスも満点な娯楽作だった!(180°変わりすぎ笑)

シーブックがF91に搭乗するところの無理やり加減や、セシリーの気持ちの揺れ動きの描写が粗くてついて行けないなど、ちょっと「むむ!?」と思うところもなくはないが、「Z」や「ZZ」、「Gレコ」なんかよりもよっぽど素直な展開で気持ちの淀みも感じずに最後まで見られた。

確かに「逆シャア」の強烈なMS戦闘シーンよりMS描写が弱く、『バンダイプロモーション』映像としては中途半端な気がするし、全体的に映像の美しさは当時の水準以上ではあるが、すごく素晴らしいとも言えないのが残念ではある。この辺りはギリギリまで企画がTVシリーズの予定で進んでいた弊害なのかもしれない。

あと最後のラフレシアがMS形態でなかったのもラスト盛り上がらない要因だったかもなあ。やっぱどんなに強くても、ロボットアニメマニアはロボ戦じゃないと燃えないんだよ笑。プラモビジネス的にも厳しいよね。「逆シャア」のサザビー人気(言っちゃえばナイチンゲールも)を考えれば尚更。

それでも今作の続編がつくられなかったのが残念に思えるほどの面白さではあった。結局この続きは放棄され、2年後に富野さんは子供が主人公なのに鬱作品という「Vガン」をつくることになるわけで、なんとも悲しい成り行きですなあ…

もちろん「ガンダム」世界の基礎知識が必要ではあるが、一本の単独作品として観ても十分楽しめる今作。機会があればぜひ観て欲しい。特に「閃光のハサウェイ」の先に続いていく物語だしね。
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「ゴジラS.P」がメチャクチャ面白い件! [その他情報]

今クールは久々にマトモにアニメを見ています。それはもちろん、クッソ面白かった「SSSS.GRIDMAN(SSSSグリッドマン)」の続編(?)「SSSS.DYNAZENON(SSSSダイナゼノン)」の放送という『事件』があったから。そしてたまたま目にした「ゴジラS.P」もせっかくやし…と軽い気持ちで録画予約したという次第。

もちろん「ダイナゼノン」も期待に違わずムッチャ面白いんだけど、それ以上に私が熱狂しているのがこの「ゴジラ」の方なんですよ!(ということでブログで紹介するのもこっちが先w)

これ、ネトフリアニメなんですよね。岡田斗司夫チャンネルで言ってたけど、ネトフリアニメではまともな作品は難しい(権利関係がほぼネトフリに帰属らしく)ということだったんだけど、東宝が絡んでるって言うことは権利系でも風向きが変わってきたのか?それとも今作だけ特殊なのかな?

何が面白いかって言うと、私が大好きな「シミュレーション・ストーリー(もし現代日本に怪獣が現れたら)」の部類であること、一連の旧作・旧怪獣へのリスペクトの仕方とアップデートされたデザイン、ケレン味を排した堅実な演出、キャラクターたちの性格描写も破綻がなくてすんなりとその世界に入っていけること…等々。

godzilla-sp.jp


萌え要素が全く無いのもいい。萌えが悪いとは言わないが、萌え系の作品の大半は萌えキャラを魅力的に描くことに終始し、物語や演出に全く魅力を感じない。キャラクタービジネスだけが映像から透けて見えてゲンナリしてしまう。

数多くのキャラクターが参加している群像劇となっていること、内容がややペダンチックで難解なイメージがあることなどが間口を狭くしている部分があるのか、上記「ダイナゼノン」に比べてネット上でもあまり話題になっている様子がないのが残念。評判の悪いアニメ版ゴジラ映画三部作があるために食わず嫌いなのかも?などと疑っているが、今作を見ないのはあまりに惜しい!

アニメファンにもゴジラ・怪獣映画ファンにもぜひ一度見て欲しい!この密度の高さは絶対にクセになるはず!今まで5話まで放送されたが、まだ正式にはゴジラは出てきていないので(!)、これからでもきっと楽しめると思う!気になった方はぜひご覧ください!!


タグ:ゴジラ
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「JUNK HEAD」はクリエイティビティ刺激しまくりの強烈な映画! [邦画レビュー]

「JUNK HEAD」監督:堀貴秀
ついに来た!一人○役(不明)、一人で映画をつくってしまった堀貴秀監督の作品がついに劇場公開!

人類は永遠の生命を得る代わりに生殖能力を失って○○年…人類の存続のために、地下深くにうごめく人工生命『マリガン』の探査のため、一人の人間が送り込まれようとしていた。マリガンは過去に反乱を起こし、人間とは生活圏を分けていた。そのため、地下調査はかなりの危険が見込まれたのだが…


ということで見てきました!いやいろいろあって見るのが遅れてしまってヤバかったけど…スゴイ!素晴らしい!作品に仕上がってました!

当ブログで初めてこの「JUNK HEAD」の短編版「JUNK HEAD 1」を紹介したのがなんと2014年!もう7年前ですよ…監督、よく死なずに完成させたね…

gaga.ne.jp


一人でストップモーションアニメをつくる、しかも映画の尺で…気が遠くなります。堀監督の執念に拍手です。

ちなみに映画としては結構破綻してます笑。物語は割と行きあたりばったり感があるし、舞台のスケール感がイマイチ伝わりづらいので、画面に出てくる場所がどう繋がっているのか位置関係がよくわからない。最初の世界観の説明も説明不足だし画面に映る文章だけで説明しているので頭に入ってこない。SF脳がある程度ないと、わからないままに進んでしまうのでチンプンカンプンだと思う。

それでもこの作品がスゴイのは、やっぱりほぼ一人で長編映画の長さのストップモーションアニメを完成させてしまったその執着心が画面に横溢していることにあると思う。つまり堀監督の頭の中にあるイメージをそのまま私たちは見ることが出来るというわけ。大手の企業に出資されたわけでもない、他人にあれこれ言われることもない。画面内の全てに統一感がある。堀監督が『これがいいんだ!』と思うものしか映っていない。それこそがこの作品の凄味だと思うのだ。

「JUNK HEAD」は、とにかく堀監督の『センス・オブ・ワンダー』を楽しみ、慈しみ、称賛する作品。だからビジュアルが気に入らないならば観に行かないほうが良い。でもちょっとでも気になる人なら、必ず観ておくべき作品です!その際には監督自ら編集・デザインしたパンフレットを買ってください!パンフレットで儲かったお金が「JUNK HEAD 2」の資金になるらしいので(!!)。

監督のインタビューが読める記事を紹介しておきます!

screenonline.jp


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「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」はスゴイ映画だった! [邦画レビュー]

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」監督:庵野秀明

「シン・仮面ライダー」の製作も発表されて、ますます注目度が高まっている庵野監督。それもこれもエヴァあってこそ。そしてそのエヴァがついに完結を迎えた。

「シン・エヴァ」はものすごい作品である。世の中には二種類の映画しか無い。スゴイ映画か、ふつーの映画である。「シン・エヴァ」はスゴイ映画である、と言える。

世の中には二種類の映画がある。面白い映画か、それ以外か。「シン・エヴァ」は、実はそれほど面白くない笑。なぜならストーリーがあっちに行ったりこっちに行ったりで細切れだからだ。それぞれの細かいシチュエーションは面白い部分もあるが、それが全体のうねりになっているかと言うと『?』なのだ。

面白い映画というのは、わかりやすい種類のところで言うと例えば『スカッとする映画』である。万人にわかるようにお話しが進み、その中でもお話しの起伏があって、ハラハラ・ドキドキさせて、最後は主人公とヒロインが悪を倒して終わる(もしくは恋が成就するとか)、みたいな作品だ。エンタテインメントの王道である。当ブログでは基本的にこういう作品を擁護してきた。若干薄っぺらかろうが、『面白さ』は正義なのだ笑。見ている1時間半の間、確実に楽しませてくれる映画というのは本当に大切なのである。

だが一方でそういった、面白い映画に当てはまらなくても素晴らしい作品はたくさんある。当ブログでも取り上げた「ブレードランナー」、いつだって見たくなる「マトリックス(一作目)」、SF映画永遠の金字塔「2001年宇宙の旅」「惑星ソラリス」、バットマン映画の異端「ダークナイト」、いやもしかしたら「伝説巨神イデオン・発動篇」も。今回の「シン・エヴァ」も、この系譜に連なっていくのだろう。

これらに共通するのは、画面の隅々まで横溢する『クリエイティビティ』、SFで言うところの『センス・オブ・ワンダー』である。もっと一般的な言い方をすれば『こだわり』である。一般にはこういうのは映像が綺麗とか、画面の隅々まで気が使われているとか、そんな言い方をされるわけだが、根源的な部分でいうと、世界観の作り込みだと言えるだろう。つまりバックボーンをどれだけ作り込んでいるか。その設定の多さが画面から溢れ出して観客に大いに伝わると、その作品は『スゴイ』と言われ、大体の場合名作認定をされるわけだ。

映像に映る映らないに関わらず、世界観を作り込むと何がいいか。ブレがなくなる。キャラクターの性格設定が細かく設定されていればキャラクターたちが不自然な行動をすることはなくなる。その世界の設定が細かければ、存在すべきものとすべきでないものの区別がはっきりする。画面に映るもの全てに必然性が生まれるわけだ。それが画面に厚みをもたらす。お話しがどんなに荒唐無稽であっても「ありそう」と思わせてくれるのである。

だいぶ話が飛びまくりました笑。「シン・エヴァ」のレビューだったのだった…まぁ前回の『見ました報告』の記事もあるし、もう「シン・エヴァ」についてはこんなもんでいいだろう爆。

ということでそんな「スゴイ作品」として「シン・エヴァ」も忘れられない作品となるだろう。これを劇場で見ずしてどーする!スゴイ映像、スゴイ物語、そしてスゴイラストである(!!!)。もうね、気になるところとかも「まぁいいか!」と思わざるを得ない笑。もしあなたが明日、どこかに3時間の空き時間があるのなら、その時間の過ごし方の一番のオススメはこの「シン・エヴァ」である。万が一『長いからなぁ…』なんてことで躊躇しているのなら、全く長さなんて気にならないから大丈夫!と力強く助言しておこう。

ぜひぜひ、見てみてください!(ちなみに予備知識なくてもスゴさは体感できると思う!)
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