SSブログ
邦画レビュー ブログトップ
前の10件 | -

「機動戦士ガンダムF91」が記憶外に面白かったことなど。 [邦画レビュー]

「機動戦士ガンダムF91」監督:富野由悠季

宇宙世紀0123年。地球連邦の腐敗に対抗すべく『コスモ貴族主義』を掲げてクロスボーン・バンガード(CV)が行軍を始める。連邦軍とCVの戦闘の舞台となったスペースコロニー『フロンティアIV』の高校生シーブック・アノーは妹や友人たち数人のグループで生き延びるために逃げ惑うが、友人のアーサーの死亡を目にし、ほのかな恋心を抱いていたセシリーはCVに連れ去られてしまう。成り行きで連邦軍の戦艦に収容されたシーブックは、母が開発に関わっていたモビルスーツ(MS)ガンダムF91に乗り込みCVとの戦いに巻き込まれていく。

この作品、公開当時(1991年)に劇場で観て以来、再見していなかった。当時の印象としては「大して面白くない」笑。なんだか何もかも古臭い気がした…ような気がする。とにかくパッとしないイメージしか持っていなかったので、30年間、見直そうという気持ちもなかった。

ところが現在絶賛公開中の「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の情報を読んでいて、観に行きたいけど時間がなくて行けないなぁ…と思っている時にU-NEXTで今作を発見。ちょっとガンダムに飢えていたことと、いろいろ記事やコメントを読んでいると好意的な感想が散見されていたので「もう一回見てみようかな」という気にさせられた次第。

そうして再見して感じたのがタイトル『記憶外に面白かった』のだ。

なんで公開当時の印象がつまらなかったのかが30年も経ってしまった今では思い出せないので推測するしかない。当時の私は若手社会人で、どちらかというとヲタク趣味から少し遠ざかっていた頃。前作「逆シャア」はアニヲタ全開だった大学時代に観て、こちらもあまり良い印象はなかったが『アムロとシャアの物語の最終章を観た』という時代の一つの区切りを迎えた気分が残っていた。

これでガンダムは終わる。そんな気持ちが醒めやらぬ中の新作発表。富野安彦大河原の大御所が揃って参加してガンダム新章が始まると言われても、どちらかというと反感のほうが先に立っていた。

しかも同時期、OVAではファーストのサイドストーリー「0080」で出渕裕がファースト時代のMSデザインをリニューアルし、「センチネル0079」や「0083」ではカトキハジメがリニューアルするという、ファースト至上主義な私としては『ガンダムはやっぱり一年戦争』という思いを強くしていた時代なのだ。

何故ここで、アムロもシャアも出てこないガンダムを作る必要があるのか。そんなもの、ガンダムである必要がないじゃないか。私としては経済論理で出てきた、いわゆる儲け主義なだけの作品にしか感じられなかったのである。

今となってはガンダムはジャンル化し、もう終わりはなさそうなところに来てしまっているが、当時はそんな風に感じたということ。そんな気持ちで観た今作は、ツッコミどころだけが目について良い印象を持てなかった、というのが今の私が考える当時の状況である。

ところが今のガンダムが広がりまくって何でもあり(宇宙人すら出てくる)な状況の中で素直な目で見た今作は、富野さんが作ったにしてはメッチャわかりやすくてとっつきやすくてサービスも満点な娯楽作だった!(180°変わりすぎ笑)

シーブックがF91に搭乗するところの無理やり加減や、セシリーの気持ちの揺れ動きの描写が粗くてついて行けないなど、ちょっと「むむ!?」と思うところもなくはないが、「Z」や「ZZ」、「Gレコ」なんかよりもよっぽど素直な展開で気持ちの淀みも感じずに最後まで見られた。

確かに「逆シャア」の強烈なMS戦闘シーンよりMS描写が弱く、『バンダイプロモーション』映像としては中途半端な気がするし、全体的に映像の美しさは当時の水準以上ではあるが、すごく素晴らしいとも言えないのが残念ではある。この辺りはギリギリまで企画がTVシリーズの予定で進んでいた弊害なのかもしれない。

あと最後のラフレシアがMS形態でなかったのもラスト盛り上がらない要因だったかもなあ。やっぱどんなに強くても、ロボットアニメマニアはロボ戦じゃないと燃えないんだよ笑。プラモビジネス的にも厳しいよね。「逆シャア」のサザビー人気(言っちゃえばナイチンゲールも)を考えれば尚更。

それでも今作の続編がつくられなかったのが残念に思えるほどの面白さではあった。結局この続きは放棄され、2年後に富野さんは子供が主人公なのに鬱作品という「Vガン」をつくることになるわけで、なんとも悲しい成り行きですなあ…

もちろん「ガンダム」世界の基礎知識が必要ではあるが、一本の単独作品として観ても十分楽しめる今作。機会があればぜひ観て欲しい。特に「閃光のハサウェイ」の先に続いていく物語だしね。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「JUNK HEAD」はクリエイティビティ刺激しまくりの強烈な映画! [邦画レビュー]

「JUNK HEAD」監督:堀貴秀
ついに来た!一人○役(不明)、一人で映画をつくってしまった堀貴秀監督の作品がついに劇場公開!

人類は永遠の生命を得る代わりに生殖能力を失って○○年…人類の存続のために、地下深くにうごめく人工生命『マリガン』の探査のため、一人の人間が送り込まれようとしていた。マリガンは過去に反乱を起こし、人間とは生活圏を分けていた。そのため、地下調査はかなりの危険が見込まれたのだが…


ということで見てきました!いやいろいろあって見るのが遅れてしまってヤバかったけど…スゴイ!素晴らしい!作品に仕上がってました!

当ブログで初めてこの「JUNK HEAD」の短編版「JUNK HEAD 1」を紹介したのがなんと2014年!もう7年前ですよ…監督、よく死なずに完成させたね…

gaga.ne.jp


一人でストップモーションアニメをつくる、しかも映画の尺で…気が遠くなります。堀監督の執念に拍手です。

ちなみに映画としては結構破綻してます笑。物語は割と行きあたりばったり感があるし、舞台のスケール感がイマイチ伝わりづらいので、画面に出てくる場所がどう繋がっているのか位置関係がよくわからない。最初の世界観の説明も説明不足だし画面に映る文章だけで説明しているので頭に入ってこない。SF脳がある程度ないと、わからないままに進んでしまうのでチンプンカンプンだと思う。

それでもこの作品がスゴイのは、やっぱりほぼ一人で長編映画の長さのストップモーションアニメを完成させてしまったその執着心が画面に横溢していることにあると思う。つまり堀監督の頭の中にあるイメージをそのまま私たちは見ることが出来るというわけ。大手の企業に出資されたわけでもない、他人にあれこれ言われることもない。画面内の全てに統一感がある。堀監督が『これがいいんだ!』と思うものしか映っていない。それこそがこの作品の凄味だと思うのだ。

「JUNK HEAD」は、とにかく堀監督の『センス・オブ・ワンダー』を楽しみ、慈しみ、称賛する作品。だからビジュアルが気に入らないならば観に行かないほうが良い。でもちょっとでも気になる人なら、必ず観ておくべき作品です!その際には監督自ら編集・デザインしたパンフレットを買ってください!パンフレットで儲かったお金が「JUNK HEAD 2」の資金になるらしいので(!!)。

監督のインタビューが読める記事を紹介しておきます!

screenonline.jp


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」はスゴイ映画だった! [邦画レビュー]

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」監督:庵野秀明

「シン・仮面ライダー」の製作も発表されて、ますます注目度が高まっている庵野監督。それもこれもエヴァあってこそ。そしてそのエヴァがついに完結を迎えた。

「シン・エヴァ」はものすごい作品である。世の中には二種類の映画しか無い。スゴイ映画か、ふつーの映画である。「シン・エヴァ」はスゴイ映画である、と言える。

世の中には二種類の映画がある。面白い映画か、それ以外か。「シン・エヴァ」は、実はそれほど面白くない笑。なぜならストーリーがあっちに行ったりこっちに行ったりで細切れだからだ。それぞれの細かいシチュエーションは面白い部分もあるが、それが全体のうねりになっているかと言うと『?』なのだ。

面白い映画というのは、わかりやすい種類のところで言うと例えば『スカッとする映画』である。万人にわかるようにお話しが進み、その中でもお話しの起伏があって、ハラハラ・ドキドキさせて、最後は主人公とヒロインが悪を倒して終わる(もしくは恋が成就するとか)、みたいな作品だ。エンタテインメントの王道である。当ブログでは基本的にこういう作品を擁護してきた。若干薄っぺらかろうが、『面白さ』は正義なのだ笑。見ている1時間半の間、確実に楽しませてくれる映画というのは本当に大切なのである。

だが一方でそういった、面白い映画に当てはまらなくても素晴らしい作品はたくさんある。当ブログでも取り上げた「ブレードランナー」、いつだって見たくなる「マトリックス(一作目)」、SF映画永遠の金字塔「2001年宇宙の旅」「惑星ソラリス」、バットマン映画の異端「ダークナイト」、いやもしかしたら「伝説巨神イデオン・発動篇」も。今回の「シン・エヴァ」も、この系譜に連なっていくのだろう。

これらに共通するのは、画面の隅々まで横溢する『クリエイティビティ』、SFで言うところの『センス・オブ・ワンダー』である。もっと一般的な言い方をすれば『こだわり』である。一般にはこういうのは映像が綺麗とか、画面の隅々まで気が使われているとか、そんな言い方をされるわけだが、根源的な部分でいうと、世界観の作り込みだと言えるだろう。つまりバックボーンをどれだけ作り込んでいるか。その設定の多さが画面から溢れ出して観客に大いに伝わると、その作品は『スゴイ』と言われ、大体の場合名作認定をされるわけだ。

映像に映る映らないに関わらず、世界観を作り込むと何がいいか。ブレがなくなる。キャラクターの性格設定が細かく設定されていればキャラクターたちが不自然な行動をすることはなくなる。その世界の設定が細かければ、存在すべきものとすべきでないものの区別がはっきりする。画面に映るもの全てに必然性が生まれるわけだ。それが画面に厚みをもたらす。お話しがどんなに荒唐無稽であっても「ありそう」と思わせてくれるのである。

だいぶ話が飛びまくりました笑。「シン・エヴァ」のレビューだったのだった…まぁ前回の『見ました報告』の記事もあるし、もう「シン・エヴァ」についてはこんなもんでいいだろう爆。

ということでそんな「スゴイ作品」として「シン・エヴァ」も忘れられない作品となるだろう。これを劇場で見ずしてどーする!スゴイ映像、スゴイ物語、そしてスゴイラストである(!!!)。もうね、気になるところとかも「まぁいいか!」と思わざるを得ない笑。もしあなたが明日、どこかに3時間の空き時間があるのなら、その時間の過ごし方の一番のオススメはこの「シン・エヴァ」である。万が一『長いからなぁ…』なんてことで躊躇しているのなら、全く長さなんて気にならないから大丈夫!と力強く助言しておこう。

ぜひぜひ、見てみてください!(ちなみに予備知識なくてもスゴさは体感できると思う!)
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

劇場版 マジンガー Z / INFINITY [邦画レビュー]

「劇場版 マジンガー Z / INFINITY」(U-NEXT
監督:志水 淳児

TVシリーズの10年後を描く劇場作品。

うん、悪くない…頑張った…悪くない…んだけど…なぁ笑。

全体的には過去作へのリスペクトはスゴイあったと思うし、メカデザインもかなり良いと思う。お陰でプラモデルで「インフィニティズム」というシリーズを生み出したくらいなんだから、これはホント大ヒットだよね。柳瀬敬之おそるべし。

ただ、ストーリーと演出がワタシ的には馴染めなかったなぁ(それ映画の全部やん笑)。多元宇宙的な設定、そして巨大なインフィニティなど、これってどちらかと言うと「ゲッターロボ」じゃん。光子力エネルギーとゲッター線が混同されているような印象だった。

あと残念だったのは機械獣が大量に出てくるところ。劇場作品だし賑々しくしたかったのかも知れないが、あんなに出てきちゃインフレ起こしすぎ。こちとらマジンガーとグレート+αしかいないんだからさー…お陰でアクションが大味すぎでしょ?せいぜい10体とか12体とかで、恐ろしく強くて量産型とかじゃ傷一つつけられません!くらいが良かったよね。そういう強い敵に恐れず向かっていくっていうのがヒーローロボットのロマンじゃんね。

機械獣大量投入したお陰で、街もグチャグチャだしさ。大量殺人が過ぎると、その段階で取り返しがつかないよ。あんまり破壊が過ぎると、人々の敵意とか憎悪とかが気になってしまう。いくらマジンガーの活躍で平和が取り戻せました、なんて言っても、手放しで喜ぶ気になれない。機械獣の数を減らし、インフィニティの破壊を街にせずに富士山が崩壊するとかにすれば良かったのにね。大量殺人はどんなに敵を悪に描く手段だとしても、気持ちの良いものではない。

マシンとしてのマジンガーの描き方もちょっと中途半端なんだよなぁ。いくら撃っても減らないミサイルとかはまぁ原作へのリスペクトだとしてもよ。これも機械獣の量が半端ないから半端なく撃ちまくるので見てる方は笑ってしまう笑。今の映画なんだから、もう少しなんとかならんものか。新しい武器とか出して、減らないミサイルに焦点が当たらないようにしても良かったんじゃね?

ここまで荒唐無稽なのに、なぜか取り敢えず最後の某ヤシマ作戦的演出では胸が熱くなってしまった。大人になった兜甲児や弓さやか、剣鉄也と炎ジュンらに会えたことはやっぱり嬉しい。もりもり博士の遺影にはちょっと泣きそうになった…

まぁ、映画として見ると破綻しているが、プラモのインフィニティズムの原点だしチェックしておくことも大事だよね!そんな感じのイベントムービーです笑。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

機動戦士ガンダムNT [邦画レビュー]

機動戦士ガンダムNT(テレビ放映版)
監督:吉沢俊一


正月にテレビで放送していたのをエアチェック。このブログでも何度か書いているけれど、私は生粋のファースト至上主義。続編含めテレビや映画のガンダムはほとんど見ている(OVAはほとんど見てない)が、やっぱファースト最高!と思っている笑。

いわゆるアナザーガンダム系は好きずきで頑張ってもらえばいいのだが、宇宙世紀ものとなってくるとちょっと見方が厳しくなりがちではある。OVAを除いた宇宙世紀ものを発表順に並べると、
・機動戦士ガンダム(ファースト・UC0079)
・機動戦士Zガンダム(UC0087)
・機動戦士ガンダムZZ(UC0088)
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(UC0093)
・機動戦士ガンダムF91(UC123)
・機動戦士Vガンダム(UC153)※ここまで全て富野由悠季監督
・機動戦士ガンダムUC(UC0096)
・機動戦士ガンダムNT(UC0097)
となる。ここに5月公開予定の「閃光のハサウェイ(UC0105)」が追加されることになる。

Z以降、段々トミノさんに意見する人がいなくなった感、そしてトミノさんが自らいろいろと追い込んでいってしまった感が否めないラインナップ…宇宙世紀ではないがVの後に「∀ガンダム」をつくっているけど、なんだかもう普通に見ていられる作品ではない気がしてしまう(私見です)。

その意味では自分的に大して期待していなかったUCは、納得いかない部分はそれなりにあるものの、割とすんなりと楽しめました。世間的にも評判が良かったようで。

前置きが長くなったが、そんなこともあってNTは結構期待していたのです。ただ劇場公開が少なく、仕事でバタバタしていたために劇場は見逃してしまった…そして今回、やっと見られたという状態です。

で、感想は…いや、劇場で見なくてよかった笑。

大きな問題、それは話がファンタジーですよね?この映画の中で何回「計測不能」みたいな話が出てました?そんなに度々計測不能が出るなんて、もはや科学じゃないよねぇ?フェネクスなんて存在自体がファンタジーだよね?

フクイはニュータイプをファンタジーの域に落としてしまったなぁ、て感じ。

確かに劇中でも触れられるように、逆シャアのラストはファンタジーっぽかった。それは認める。でもホントのラストだけな上にアムロという稀代のニュータイプがサイコフレームの作用で周囲の様々な人を共感させ、アクシズを止めたわけだ。ニュータイプ=意思を拡散させる者という考え方、意思を増幅させる装置としてのサイコフレーム、この辺りはフィクションなのは間違いないが理論的思考を止めるようなことはなかったと思う。

ところがNTでは、サイコフレームは自在に宇宙を飛び回るし、サイコフレームだけでMSは(操縦者なしに)動いちゃうし、ニュータイプは何でも遠隔操作できちゃって地球規模の災害も自在に起こせると言う。これじゃ設定のインフラでしょ?しかもシャアの真似したフロンタルに負けた男がそれだけの能力を発揮しちゃうんですよ?おかしくね?

私はガンダムは『ミリタリーSF』だと思ってるわけです。そりゃいろんな捉え方があると思うけど。でも「リアルロボットものの嚆矢」たるガンダムが、自らリアルを手放しちゃいけないと思うんですよね。フクイは自分に酔っちゃってるんじゃないかね。ヤマトに続いてガンダムもやらせてもらっちゃって。

ヤマトの2199がなぜ受けたか。それは『ロマンアニメ』のヤマトに自衛隊的リアルを持ち込み、現代の基準にアップデートしたからだと思う。ところがフクイの2202ではリアルが後退して元の『ロマンアニメ』に逆戻り。そこが不満が噴出した要因じゃないかと思う。

そして『リアルロボット』であるガンダムをも『ロマンロボ』へと後退させてしまった。

もしかしたら我々は、フクイによる日本アニメの終焉を見ているのではないか…そんな不安を覚える程に残念なデキでした。
閃ハサ、大丈夫かしら…

ps.言いたかないけど作画も今の基準で見るとひどかった!27年ぶりの宇宙世紀が舞台の新作映画だっていうのに、なんでこんな事になっちゃったんだろう…公開規模も少なかったし、元々低予算のTVスペシャル程度の話だったんかなぁ…サンライズにガッカリよ。


それでもNT見たいという奇特な方は笑、U-NEXTですぐ見れますのでどうぞ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アニメ

楽園追放 -Expelled from Paradise- [邦画レビュー]

71o59NrmfxL._SL1245_.jpg「楽園追放 -Expelled from Paradise-」
(監督:水島精二)

アミューあつぎ映画.comシネマで今やってます(2015年2月13日まで)。

未曾有の災害『ナノハザード』の影響もあり、98%の人類がデータ化されてサーバ内で生活するようになっている西暦2400年。地球の衛星軌道上に置かれたサーバ=『電脳世界ディーヴァ』では地上から度々ハッキングを受けるようになっており、事件解決が急がれていた。
捜査官アンジェラ(釘宮理恵)は高官たちから命を受け、クローン技術で作った実体を持った身体『マテリアルボディ』に意識をダウンロードした後に地球に降下。地上での補佐を担うディンゴ(三木眞一郎)と共に、未だに生身で生活を続けるわずかな人たちの中からハッカー『フロンティアセッター』を追う。
しかし彼女らはその意外な正体を知ることで、今まで信じてきたものと決別せざるをえなくなるのだった。


うーん・・・第一印象としては「非常に残念な出来損ない」という感じ。もしかしたら今の日本のSFアニメ全体がこうなのかもしれないが・・・・

今作でとにかく一番残念なのはキャラクターが生きていない。なんでこうもステロタイプなの?いかにも売れ線のキャラを出しておいて、これで商売はオッケーみたいな製作陣の態度に顔面蒼白(笑)。苦笑すらする気が失せる。

中身は大人だけど16歳の身体で、でも胸は発育が良くて、露出多めの未来服姿の主人公アンジェラ。ややオヤジがかったハードボイルド風、斜に構えた性格だけど頼りがいのあるディンゴ。見た目も性格付けも(そしてアニメ発声で聞くに堪えないアテレコも)ここまでステロタイプなキャラを見たのは久しぶりだ(汗)。
基本的にこの二人だけで物語は進行するため、当然ドラマが全く盛り上がらない。心に傷を持つなり何かコンプレックスがあるなり、後半の犯人との絡みに関わる何らかのヒネリを少しは加えようよ・・・・

だいたいアンジェラの設定を上手く生かすだけでも少しはドラマを作れるはず。どうしてもティーンにしか見えないからディンゴが面白おかしくちょっかいを出すけど、中身は大人だからサラリとかわした上にディンゴに強烈なカウンターを食らわすとかさ。そういう中で二人の過去の断片が語られれば、もう少しキャラクターが生きただろうに。
アンジェラの性格描写見てもそのまんま16歳っぽい青二才感。製作陣たち本人がその設定を忘れたかのような物語の進行が情けない。

キャラと物語の極端なステロタイプ化に呼応するように、BGMもなんだかやたらとありがちな付け方。盛り上げようというところでは威勢のいい音楽が大盤振る舞いされており、緊迫感のかけらもない。この辺り考え方が統一されていると言えば言える(笑)。

監督の水島精二氏は、あの劇場版「ガンダム00」の監督。ガンダムという枠であり得ない未確認生物とのファースト・コンタクトを描いてしまった、ワタシ的にはガッカリな監督でもある。
ただ逆に言うと、それくらいにいわゆる「SF」的なものを描きたい人なんだろう。だから「データ化された人類(「ゼーガペイン」でもうやっちゃってるが…)」「暴走するAI」「太陽系外へのフライト」などの要素をちりばめたSF作品を作ったのだろうと思う。

だからこそ、もう少し一般の観客を意識した良質なSF映画を作って欲しかったとワタシは思う。こんなオタクだけしか相手にしないような作品をいくら量産しても、状況は何にも変わりませんよ、監督。



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

攻殻機動隊ARISE [邦画レビュー]

「攻殻機動隊ARISE border:1〜4」

公安9課が未だ『普通の公安部隊』であった2027年。陸軍三佐の草薙素子(坂本真綾)は、信頼する上司であったマムロ中佐殺害事件を個人的に捜査する中で軍と決別し、公安9課の荒巻部長(塾一久)に組織外隊員として協力することに(border:1)。
ソガ大佐とその部下らが起こした公共交通システムハッキング事件を解決する中で陸軍警察の潜入調査員パズ(上田燿司)や元海兵隊のスナイパー・サイトー(中國卓郎)をスカウトし、徐々に『草薙部隊』が輪郭を表し始める(border:2)。
バトー(松田健一郎)やイシカワ( 檀臣幸/咲野俊介)、ボーマ(中井和哉)が合流し『草薙部隊』がほぼ完成する。同時に公安9課の様々な事件に参画するようになり忙殺される素子だったが、合間をみては恋人の義体技師ホセとの逢瀬を重ねていた。しかしホセには素子には見せぬ秘密があり、県警刑事トグサ(新垣樽助)は素子より先に秘密を探り当てるのだった(border:3)。
素子の陸軍時代の上司クルツが素子の後任に採用した少女ツダ・エマは一つの義体に二つのゴーストが存在する異常な存在だった(border:4)



1月2日までの2週間、今作の一斉上映を地元のアミューあつぎ映画.comシネマで行っていたので2014年最後に観てきた。確かに「攻殻機動隊」だけど、ちょっと従来のイメージとは違う雰囲気だったかな。


各話1時間ほどの中でそれぞれの事件を解決し、その上で全体を通したストーリーもあるということで、様々なことが入り乱れて起こる。そして登場人物がメッチャ多い(笑)。そういういろいろなことが「攻殻〜」らしさでもあるが、今回も何回も観てみないと全体像を把握できない感じだ。

まぁ、細かいことを抜きにしても何となく面白いのも「攻殻〜」らしさ。そういう意味では今作もそれなりに楽しめた。

現在作られているアニメだから当たり前ではあるが、絵がとても美しい。特に儲かるコンテンツだけに金が掛かっていて、書き込みが半端ないし、そういうのを大画面で見られるというのはいいものだ。

ガジェット的には意外と見るべきところがなかったが、やっぱりロジコマがいい。最初、会話できないのを少佐がプログラムを改変して喋れるようになるのはどうかと思ったが…(ハード改変なしにそういうのってアリなのか?)。その後の大活躍はガジェッターとしては楽しいことこの上なかった(笑)。


今作は従来の「攻殻機動隊」のプリクエル(前章)ということで、特に少佐の描写がやや人間臭く(恋愛もするし、過去の人間関係も多く出て来る)、何となくスーパーウーマンっぷりが弱いのが一番違和感があったのかもしれない。やっぱり少佐が無敵じゃないと「攻殻〜」は面白くない。

もっと言うと今回のキャラクターたちにあまり魅力を感じられなかった。若さの問題だったり、立場が変化(敵対していたところから味方に)したり、ゴーストハックの影響で敵の手下をやらされたりということで難しいところもあっただろうが、将来の公安9課の面々が魅力的に描かれてこそ「攻殻機動隊」は楽しいのではないだろうか。

今作では今まで(特に「攻殻機動隊 S.A.C.」)描かれた各キャラクターの魅力に頼り過ぎている部分があったように思う。もし続編があるのなら、もっとそれぞれのキャラの魅力をしっかり認識して描いて欲しいと思う。

キャラクターついでに声優変更について触れておくと、それほど違和感もなく素直に聞けたと思う。ただ、違和感がないだけに変更した意味があったのかは分からないが…


ちなみに今まで「攻殻機動隊」は2つのシリーズとして映像化されたが、今作は多分どちらに繋がっていくわけでもないと思われる。
※2つのシリーズ
少佐がネットの海に消えた押井守の2作品「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」「イノセンス」
少佐が9課に残ったら、という神山健治三部作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」「攻殻機動隊 S.A.C. SolidStateSociety」

時間軸がずれているので分かり辛いが、多分このまま続編が作られていくと、上記2作品とは違うパラレルワールドとしてまた新しいシリーズが展開していくのだろう。それはそれで是非面白いものを作っていって欲しいと思う。

「攻殻機動隊 ARISE」をU-NEXTで視聴


タグ:攻殻機動隊
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ジュリエット・ゲーム(レビューpart2) [邦画レビュー]

122252137m.jpgジュリエット・ゲーム(監督:鴻上尚史)

パート1を書いたのが2006年(!)なのでもう8年近く前。なんだか久しぶりに初心(!?)に帰りたくなって、思い起こしながら書いています。粗筋等はパート1をご覧ください(笑)。

パート1ではその、映画の(鴻上尚史の)勢いが素晴らしい、と書いたが、今思い返してみるとそれとまた違う魅力がある気がする。それは何か。

ラブコメだが、これは男のためのラブコメ映画なのだと思う。つまり、観る人は村上弘明演じる小学校教師・正彦に感情移入して観る映画なのだ。多分、鴻上尚史監督が自分自身をタップリと注入して作ったから、そういう映画になったんだろうなぁ。
そう思ってみると、正彦の行動って感情の赴くままなんだよね(笑)。仕事の事もあるけど、後半は行動原理のほとんどが“やりたいからやる”というだけ(笑)。特に国生さゆり演じる真智子を追いかけて走り続ける(まぁ色々なものに乗りますがw)クライマックスがその白眉。

そこにこそ、この「ジュリエット・ゲーム」の魅力があるのだと思う。

正彦はこの時点では離婚も成立していない妻帯者(まぁもう離婚は決定的だけど)。映画を観る限り離婚前とは言え、身持ちも固く他の女性との関係もなさそうなイメージが正彦のキャラクターだ。その彼が、他の男と色々な関係を持つ(事を示唆している)真智子に対して、それを知りながら敢えてプラトニックな愛情を持ち、純粋な気持ちから彼女を欲し、追って追って追いまくるのだ。

多分、本当の世界では、こんな事はまず起こらない。

今の時代、単純な目標なんていうのは公私共に持ち辛い複雑な世の中だ。仕事ではいつの時代もそうだが、今は会社の求めている事が複雑怪奇、普通の人間には理解出来ない領域に入って来ている。恋愛も男と女はどうやっても理解出来ない上に、駆け引きがどうだとか周りが喧しい。感情は一直線に動く事を望むのに、四面楚歌な状況。それが現代人の置かれた状況なんじゃないだろうか。

そんな中、この正彦のストレートさ、気持ちに対して正直な行動、それが本当に観ていてスカッとするし、自分自身がそうやって行動したい!というふうに思わせてくれる。

これこそが今作の本当の面白さなんだと思う。自分でもそういう気持ちって大事にしたいな、とまた改めてそう思った(笑)。





nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

キカイダー REBOOT [邦画レビュー]

T0018843.jpg「キカイダー REBOOT」
(監督:下山天)

「tomoart的キカイダー」が完結していないんだけど(笑)観てきたのでレビューを・・・・。

国家プロジェクト「ARKプロジェクト」によって、精巧なアンドロイドが完成しようとしていた。方やチーフである光明寺信彦博士が理想とする“良心回路”を搭載したジロー。方や光明寺博士の補佐役であるギルバート神崎博士が理想とする強さを追求したマリ。模擬戦闘ではマリに軍配が上がるものの、プロジェクトを指揮する椿谷国防大臣の光明寺博士に対する信頼は厚く、“心”を持つジローを正式なプロトタイプとして採用する。その後、光明寺博士は急死。母親もいないために孤児となった大学生のミツコと小学生のマサルはある夜、自宅で武装した一団に襲撃を受ける。拉致されそうになった二人を救ったのは、あのプロトタイプのアンドロイド・ジローだった。

思ったよりはほんの少しマトモだったけど、結局ダメでした(笑)。本当にこれが2年もかけて書いた脚本なのか!?日本の脚本家はこんなにひどいの?まぁクレジットされている脚本家は下山健人氏なのですが・・・・彼一人で2年書いてたわけじゃないとは思います。

それにしてもほぼ全編に渡って突っ込みどころ満載ですよ(笑)。光明寺博士の死に関しては言葉でしか出て来ないし(せめて死体くらいだせよw)、大学生のミツコは人間不信のくせにイマドキっぽい女子大生の友達がいっぱいいるし(あれだけ人間不信だったら大学でも孤独に過ごすだろう)、保護者がいなくなって子供をどうするかって話が全然出て来ないし(普通親族が引き取るとか、何らかの話があってしかるべきだろう)、お金の心配も全くしてないし(博士の遺産があるのか?全く話がない)、冬の装いなのに逃避行は野宿だし(普通ホテルくらいには泊まるだろう。ホテルロケの予算がなかったのか?東映の顔が利くホテルくらいあるんじゃないのか?)、その後の展開にもいちいち色々イロイロ突っ込めます(笑)。

そして極めつけは恥ずかしい演出(笑)。ミツコとジローの疑似恋愛とか、マサルとジローが遊んだりとか、何でこんなにベタベタな演出!?BGMもベタなイメージのものをやたらベタ付してて恥ずかしさに拍車をかけている(あーベタベタw)。

とにかく映画として描くべき事を描かず、描かなくていい事を描いている印象。まるでテレビシリーズのダイジェストを見ているようだった。特に人を描けていないからそういう印象になるのだ。

ミツコはもっと普通であっていいはず。極端なキャラ設定は現実味を削ぐ。しかもヒロインなのに全く人間として描けてないし。まるで萌え系アニメのキャラかと。ちょっとおとなし目の女子大生で、だけど父親に関してはスゴく反発していて、死んだ母親にはいまだに愛情を感じていて、歳の離れたマサルに対しては母親代わりとしてちょっと過保護気味、みたいなキャラが良かったのではないか。

マサルはもう少し上(中学生くらい)の設定の方が良かったと思う。中心キャラに子供を設定すればどうしても雰囲気が子供番組的になってしまう。お陰でこの映画、大人に向けて作ったのか、子供向けに作ったのか、全く分からない。後半のマサルの言動などは中学生ならある程度すんなり見れるが、小学生には合わないし。ちょっとシスコンな中学生なんて位置付けがピッタリだったんじゃないか。ミツコに比べて普段の生活が全く描かれないのも不満。

プロフェッサーギルと無理矢理呼ばれてしまうギルバート神崎博士にも困ったもんだ(笑)。彼なんか、もっともっと魅力的に描かれてしかるべきだった。普段の生活、ああいう精神構造になった過去などがしっかり描けていれば、ハカイダーへと転生する狂気や悲哀がもっともっとエモーショナルに描けたと思う。

そう、この作品、主要登場人物はほとんど上記三人なのだ(除くアンドロイド)。それなのにこの三人すら人間として全く描けていないという恐ろしさ。それを堂々と上映してしまう東映の腐った体質が見えたような気がする(言い過ぎかな笑)。

大ゴケした事が一番いいところのような気がする映画でした。大好きな「人造人間キカイダー」は、これで完全に死にましたね、残念だけど・・・・。



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

人造人間ハカイダー(1995年版・オリジナル) [邦画レビュー]

hakaider1.jpg「人造人間ハカイダー」
(監督:雨宮慶太)

はるか未来。ある刑務所跡地に忍び込んだ盗賊たち。地下に眠るお宝をせしめるつもりだったが、そこで発見したのは一人の男だった。パニックを起こし男に向かって発砲するが、一瞬の後に倒れていたのは盗賊たち全員だった。異形の姿に変じた男は叫ぶ。「オレはだれだ・・・誰なんだ!」

「キカイダー REBOOT」の話題からtomoart的オリジナルキカイダーを書いているうちに、やっぱり見直したくなったので再視聴。実は当時のVHSソフト持ってます(汗)。

見直してみると・・・・良くも悪くも雨宮印満載(笑)。キャラクターやガジェットのデザインや設定には拘りが垣間見えるものの、映画としての作劇や演出、世界観の構築には全く持って配慮が足りない。

だから印象的なカッコいいシーンなどは散見されるものの、全体を通して見ると残念ながらガッカリ気分のみが残ってしまう。まぁ、負の印象の大半が役者たちの大根っぷりだったりするのだが・・・・元々棒読みしか出来ない役者しか出せないんだから、演出でフォローしなければ見れたもんじゃないんだけど・・・・全くフォローされていないじゃないか!(笑)

東映ヒーロー的な演出(決めポーズの取り方、タイミングなど)もメッチャ鼻につく。20年近く前の作品なんだから割り引いて見る必要もあるけど。(当時はそれがなければマニアが納得しなかった。)

オリジナル版は東映まんがまつりの一編として劇場にかけられた事もあり、52分とコンパクト。だからダイジェスト感も満載なのだが、それなのに作劇方法やら大根ぶりやらがハナについてしまうというのは致命的な気もするな(笑)。

でも20年経った現在、東映が全く成長していない気がしてしょうがない。「キカイダー REBOOT」に期待出来ない気分が更に高まった鑑賞記でありました・・・・。

予告編。海外のマニアが趣味で作ったのかも。






nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画
前の10件 | - 邦画レビュー ブログトップ
1ヶ月無料のU-NEXT