X-MEN:ファースト・ジェネレーション(吹替版) [洋画レビュー]
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション(吹替版)」
(監督:マシュー・ヴォーン)
第二次大戦中、ナチスの強制収容所で一人のミュータントが誕生した。成長した彼・エリック(マイケル・ファスベンダー)は母を殺したナチスを恨み、大戦後に散り散りになったナチス党員を追い復讐を果たして行く。一方裕福な家庭に育ったチャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)は心を読めるミュータント。幼い頃出会った変身能力を持つレイヴン(ジェニファー・ローレンス)を妹として匿いながらミュータント研究をしていたが、CIAエージェント・モイラ(ローズ・バーン)の目に留まり、暗躍するヘルファイア・クラブというミュータント組織の調査に参加する。組織のリーダーであるセバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)はエリックの母を殺した本人であり、追跡の中でエリックとチャールズは出会うのだった。
うん、なかなか面白かったです。歴史群像ドラマとしての物語をある程度追いつつ、ミュータントたちの超能力シーンを細かくちりばめてあって飽きさせない。戦闘アクションシーンも結構頻繁にあり、よくこの上映時間(131分)にまとめあげたなぁ、と思うぐらい。でもそんなに詰め込んだ感もなく、スッキリ観れる。間違いなく良作だと思う。
観る前は、やはりプロフェッサーXとなるチャールズが主役だという認識だった。確かに彼は主役なのだが、魅力的なのはもう一方の主役と言える、マグニートーとなるエリックの方だ。感情移入して観る人だったら、もうはなからエリックに感情移入して観ていった方が楽しめると思う。オススメですw
両親の愛には飢えていても何不自由なく生活し、幼い時から同志とも言えるレイヴンと共に心穏やかに成長して来たチャールズは、人間とミュータントとの関係性についても楽観的で理想主義。対して長年心の中に怒りを納め、孤独な復讐生活を送って来たエリックはやはりアウトローで、人間不信。現実に友人にするなら前者だが、物語のキャラクターとして面白いのは間違いなく後者なんだよなぁ。
そして物語的にも実はエリックの方を向いている。映画はエリックの能力の目覚めで始まり、ラストカットもマグニートー。チャールズのような理想主義者には心の葛藤が少ないために心理描写は少ないが、エリックのように激情を内面に持ち感情の振れ幅が大きいキャラクターは心理描写がとても多い。そういう意味でも今作はエリックの映画だと言えるだろう。
その反動とも言えるが残念だったのは、やはりチャールズの正義がほとんど補完されなかった事。ラストバトルを終え、多分ほとんどの人がエリックの考え方に同意せざるを得ない状況に至っても、チャールズは人類との共存の考えをぶらさない。その考え方に説得力が欲しかった。
ワタシとしてはそのために、今作で『X-MENチーム』唯一の非ミュータントであるモイラとの絆がもう少し強調されていればと思わずにいられない。エピローグでモイラはチャールズに・・・・されてしまう訳だが(爆)、そこで彼女(=非ミュータント=人類)との信頼関係が描かれていたら、多分この作品はもっと良いものになったんじゃないだろうか・・・・。
吹替版を鑑賞したので吹替に関しても少し触れておくと、概ね違和感のないデキだったと思う。ラストバトル近辺で登場人物の様々な感情がぶつかり合うシーンなどでは、やはり演じ手本人の声の演技も聞きたくなってしまったが・・・・。あと最初のチャールズとレイヴンの子供時代の声に萎えたけど(爆)。なんであそこだけあんなに滑舌の悪い子役がやっちゃったのかなぁ・・・・。
映画公開に合わせて発売済みですね。
「ウルヴァリン」は入ってなくていいって人はこれで充分w
(監督:マシュー・ヴォーン)
第二次大戦中、ナチスの強制収容所で一人のミュータントが誕生した。成長した彼・エリック(マイケル・ファスベンダー)は母を殺したナチスを恨み、大戦後に散り散りになったナチス党員を追い復讐を果たして行く。一方裕福な家庭に育ったチャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)は心を読めるミュータント。幼い頃出会った変身能力を持つレイヴン(ジェニファー・ローレンス)を妹として匿いながらミュータント研究をしていたが、CIAエージェント・モイラ(ローズ・バーン)の目に留まり、暗躍するヘルファイア・クラブというミュータント組織の調査に参加する。組織のリーダーであるセバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)はエリックの母を殺した本人であり、追跡の中でエリックとチャールズは出会うのだった。
うん、なかなか面白かったです。歴史群像ドラマとしての物語をある程度追いつつ、ミュータントたちの超能力シーンを細かくちりばめてあって飽きさせない。戦闘アクションシーンも結構頻繁にあり、よくこの上映時間(131分)にまとめあげたなぁ、と思うぐらい。でもそんなに詰め込んだ感もなく、スッキリ観れる。間違いなく良作だと思う。
観る前は、やはりプロフェッサーXとなるチャールズが主役だという認識だった。確かに彼は主役なのだが、魅力的なのはもう一方の主役と言える、マグニートーとなるエリックの方だ。感情移入して観る人だったら、もうはなからエリックに感情移入して観ていった方が楽しめると思う。オススメですw
両親の愛には飢えていても何不自由なく生活し、幼い時から同志とも言えるレイヴンと共に心穏やかに成長して来たチャールズは、人間とミュータントとの関係性についても楽観的で理想主義。対して長年心の中に怒りを納め、孤独な復讐生活を送って来たエリックはやはりアウトローで、人間不信。現実に友人にするなら前者だが、物語のキャラクターとして面白いのは間違いなく後者なんだよなぁ。
そして物語的にも実はエリックの方を向いている。映画はエリックの能力の目覚めで始まり、ラストカットもマグニートー。チャールズのような理想主義者には心の葛藤が少ないために心理描写は少ないが、エリックのように激情を内面に持ち感情の振れ幅が大きいキャラクターは心理描写がとても多い。そういう意味でも今作はエリックの映画だと言えるだろう。
その反動とも言えるが残念だったのは、やはりチャールズの正義がほとんど補完されなかった事。ラストバトルを終え、多分ほとんどの人がエリックの考え方に同意せざるを得ない状況に至っても、チャールズは人類との共存の考えをぶらさない。その考え方に説得力が欲しかった。
ワタシとしてはそのために、今作で『X-MENチーム』唯一の非ミュータントであるモイラとの絆がもう少し強調されていればと思わずにいられない。エピローグでモイラはチャールズに・・・・されてしまう訳だが(爆)、そこで彼女(=非ミュータント=人類)との信頼関係が描かれていたら、多分この作品はもっと良いものになったんじゃないだろうか・・・・。
吹替版を鑑賞したので吹替に関しても少し触れておくと、概ね違和感のないデキだったと思う。ラストバトル近辺で登場人物の様々な感情がぶつかり合うシーンなどでは、やはり演じ手本人の声の演技も聞きたくなってしまったが・・・・。あと最初のチャールズとレイヴンの子供時代の声に萎えたけど(爆)。なんであそこだけあんなに滑舌の悪い子役がやっちゃったのかなぁ・・・・。
映画公開に合わせて発売済みですね。
X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋 (ShoPro Books)
- 作者: ジェフ・パーカー
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2011/06/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「ウルヴァリン」は入ってなくていいって人はこれで充分w
X-MEN トリロジー ブルーレイ・コンプリートBOX (ボーナスディスク付) 〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: Blu-ray
>inunekoさん
nice!ありがとうございます。
by tomoart (2011-06-16 16:35)
こんにちは。
吹き替えに関してまったく同感です。最初子役の吹き替えを聞いた時「ヤバイ!」と思いましたが、その後の内田夕夜さんと三木眞一郎さんの吹き替えは、素晴らしかったですね(^皿^)。
あと、ローガン登場には、嬉しさと驚きでした♪。
by 堀越ヨッシー (2011-06-16 20:13)
>YaCoHaさん
nice!ありがとうございます。
>堀越ヨッシーさん
nice!&コメント&ご賛同ありがとうございますw ワタシもヒューが出て来て、しかも意外と長めの尺で出てたのはビックリしました。二人がスカウトをすぐ諦めちゃうのは、内情知らないと不思議な感じですけどね(笑)。
by tomoart (2011-06-18 02:44)
アメリカでは第1作目よりも、興業成績良くなかったみたいだけど。
結構楽しめたね(^。^)y-.。o○
なんか、続編もあるみたいだから・・・。
by 鉄骨スープ (2011-06-24 09:13)
>鉄骨スープさん
コメントありがとうございます。結構楽しかったですねw 続編はどうなんですかねぇ。フォックスの期待ほど興収が上がらなかったのが、ちょっと心配ですね。話的にも続編なくてもいい感じだし。
by tomoart (2011-06-24 10:47)
ラストスタンドの最後にチャールズを看護してたのはCIAのモイラ?だとしたらなぜチャールズを覚えているの?映画しか見てない薄いファンだとこういうところが楽しめなくて残念!!!
by inuneko (2011-06-29 18:13)
>inunekoさん
コメントありがとうございます。そんなことありましたっけ(汗)じぇんじぇん覚えてないなぁ・・・・。モイラってそんなに重要なキャラだったのか?・・・・。
by tomoart (2011-07-01 06:27)
自信ないです。うろ覚えで書いてすみません。
エンドロールの後の続編用の仕込みで、爆散したチャールズが実は生きてて…意識を取り戻すんだけど顔が映ってない、という周到な(笑)場面で看病していた女性がそう名前を呼ばれたような気がするんですが…。
今から原作勉強しようったって追いつきませんしねぇ。パラレルワールドまであるんでしょ?…黙って映画見ておきます!
by inuneko (2011-07-02 01:21)
>inunekoさん
うーん、言われればそんな気もします(笑)。見直すのもちょっとメンドーだしなぁ(爆)。アメコミ世界はどこも大変ですよ(笑)。昔からやってる作品が今もメインで売れ続けてるんですからねぇ。時代とともにアップデートしてるから、設定が時々大幅に変わるんですよね。って、ワタシも詳しくはないですけどね(笑)。
by tomoart (2011-07-04 01:30)
>beamuseさん
nice!ありがとうございます。
by tomoart (2011-07-04 01:32)