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宇宙ショーへようこそ [邦画レビュー]

336088_001.jpg「宇宙ショーへようこそ」
(監督:舛成孝二)

山間の村に住む小学5年生の少女ナツキ(黒沢ともよ)。過疎の村にあって村内の小学校に通っているのは、いとこの小2アマネ(生月歩花)、小6のキヨシ(鵜澤正太郎)、小4のノリコ(松元環季)、小3のコウジ(吉永拓斗)のわずか5人。夏休みのある日、5人は夏合宿と称して校舎に集まり、1週間こどもたちだけの生活を始める。これは父母の代にはもうあった、村の伝統のようなものだった。
初日は調子も出ない事もあり、先日ナツキが逃がしてしまった学校の兎ぴょん吉を探しに裏山へと分け入る。しかしそこで見つけたのは、兎ではなく大怪我を負った犬。しかもその犬ポチ(藤原啓治)は人語をしゃべり、自分を宇宙人だと告げる。そして命を助けてくれた礼にと、5人を月の裏側にある宇宙人の都市に案内するのだった。

わっさわっさと様々なものが入り乱れる賑やかな作品。カラフルでもあり、かなり力の入っている様子が映像からも伝わって来る。ただ、その力の入りようが作品の魅力になり切っていないのが残念だ。

この作品は、テレビアニメやOVAで人気の舛成孝二監督の劇場作品デビュー作との事。だからなのか、アイデアもストーリーもキャラクターもあれもこれも盛り沢山。お陰でどれもが消化不良に陥っている。

これを観て思い出すのは押井守監督が自嘲して「映画になっていない」と語るデビュー作「うる星やつら オンリー・ユー」。とにかくショートストーリーが積み重なるばかりで最後にクライマックスが来て終わり、と押井監督自ら揶揄する欠点が、この「宇宙ショー〜」にも当てはまるように思う。

積み重なり過ぎたお陰か、ハッキリ言って上映時間が長い(136分)。この内容なら枝葉となるストーリーをザクザク切って1時間半くらいで良かった。もっと言うならキャラクターも3〜4人は削った方がいい。ストーリーの中心をナツキとアマネの話に収斂し、二人のキャラをもっと深堀すべきだった。それがないから、終盤をドラマチックに演出しようとしても、観ている方がグッと来ない。キャラクターに感情移入するだけの描写が少ないからだ。冒頭の家での日常をもう少し長く描いておけば、かなりその助けになったんじゃないだろうか。

今作だけ観ると、拙い部分がやや勝ってしまって残念な感じなのだが、これだけの内容のオリジナル企画を実現した舛成監督には、この経験を生かして素晴らしい2作目を期待したい。肩の力がもう少し抜ければ、きっと上記に書いたような欠点はすぐ解決されるんじゃないだろうか。


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