9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜

「9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜」
（監督：シェーン・アッカー）

荒廃した地球の片隅の部屋で、一体の人形が目を覚ました。背中に『９』と書かれたその人形が窓を開けると、一面の瓦礫の山。生きている人間は見つからず、死体ばかりが目につく。その中で自分と同じ様な姿の『２』と書かれた人形に出会う。

この作品、なかなかワタシの中で整理できずにいる。つまらない訳ではないのだが、なんだかもやもやした印象なのだ。

一つは、この人形たちに関する謎が、今イチすっきり解決しないという事がある。解決しないなら解決しなくてもいいのだが、観てると最後、何となく解決した様な描写になっているのが余計混乱する。「え？それで謎解き終わり？」みたいな感じだ。

それと、ストーリーが、意外なほどに単純な冒険ものと化しているのも、やや「？」だった。監督のシェーン・アッカーは公式サイトでもアニメ監督のりんたろう氏と対談しているが、日本アニメ大好きな人らしく、その辺りが影響しているのだろうか。

つまるところ、ビジュアルから想像する“ダーク”で“アンダーグラウンド”なイメージが、ストーリーと全くリンクしていないのが物足りなさに繋がっているんだと思う。元となった11分の短編の時は、世界観が説明されていない分だけ想像の余地があり、それが監督の意図とは違っていたかもしれないが、深みを感じさせてくれていたのだ。

シェーン・アッカーは、ビジュアリストとしては面白い感性を持っているとは思うし、エンタテインメントとして一般性を押さえているストーリーは、ある意味素晴らしいとさえ言えるが、ヤン・シュヴァンクマイエルなどのように作家性を強く感じる監督とは一線を画す人のようだ。今後のこの人の進む方向はいったいどの辺りなのか、そこらが気になるのであった。

今一度、短編を。


人形、あっという間に売り切れたみたい。

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この人の作品見ると、かなり頭が混乱する・・・。

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タグ：9 シェーン・アッカー

コメント 3

＞coco030705さん
nice!ありがとうございます。「9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜」、決してつまらなかったわけじゃないんですが・・・・やっぱり期待し過ぎかなぁ。
by tomoart (2010-05-30 03:39) 

確かにちょっと変わった話だよねー。
あまり深く考えてはダメなんだょね、多分。
by ウォンカスキー (2011-06-10 02:49) 

＞ウォンカスキーさん
ども。nice!&コメントありがとうございます。
なんかねー、いや、もちっと訳分かんない話でもワタシは良かったんですけどね（笑）。変に冒険活劇だったのがちょっと違うだろーと（爆）。いや、無い物ねだりですね、ホント。
この映画、70分くらいの中編映画で、追われて逃げて、ヤバそうだったのに助かって、ホッと一息、でも逃走劇は続く・・・みたいな話だったら、それで充分だったんですけどねぇ。
by tomoart (2011-06-10 03:28)