タイタンの戦い(2D・字幕) [洋画レビュー]
「タイタンの戦い(2D・字幕版)」(監督:ルイ・レテリエ)
神話の時代。横暴な神の所業に反抗するアルゴス国の行為はついに神の怒りに触れ、美しき王女アンドロメダを生け贄に差し出さなければ、冥界の神ハデスが操る怪物クラーケンによってアルゴス国を滅ぼす事を宣言する。猶予は10日。半神半人〈デミゴッド〉のペルセウスは、育ての親の復讐のため、クラーケンを倒し、ハデスの野望を阻止しようとするのだった。
Wikiによると、ロッテン・トマトの支持率は30%だそうだが、ワタシ的には意外と面白かった。確かに見ている間だけの楽しさだけどw元々の1981年版もレイ・ハリーハウゼンのダイナメーションを楽しむ事が主の作品であり、またギリシャ神話自体、話の内容に深みのあるものでもないので、この辺りは織り込み済みと言っていいんじゃないか。
監督のルイ・レテリエはフランス人で、かっこいいハゲ・ジェイソン・ステイサム主演「トランスポーター」の一作目二作目の監督として有名らしいが、ワタシ的には前作「インクレディブル・ハルク」の監督という認識しかなかった。
しかし考えてみればフランスは、「UFOロボ・グレンダイザー」が「ゴルドラック」という名前で放送され、瞬間最高視聴率100%という異常人気を誇った日本アニメ・マンガ大国。ということで(関係あるのか?)ルイ・レテリエはなんと「聖闘士星矢」の大ファンらしい(爆)。その辺りの影響で神の皆さん、聖衣の鎧を来て登場するし、他の皆もコスチュームがカッコいい。そういうディテールがワタシ的には高満足度に繋がってると思う。
クリーチャーに関しては、巨大サソリやメデューサには余り萌えなかったがwクラーケンは意外や結構イケた。所詮CGなのでやはり軽いのだが。
でも何たって一番良かったのはペガサス。なんか不自然なほど自然に(言葉がおかしい)羽が生えていて、今まで映像で見たペガサスで一番素晴らしかった(特にライブアクションとの合成部分)。ちょっとペガサスの存在を信じそうになった(爆)。
ちなみに原作である1981年版と比べると、やはり表現の自由度が圧倒的に上がっているために、ちゃんとSFXが物語を語るために使われているのは、当然ではあるが進歩。上記で書いた通り、旧作はダイナメーションを見せるために映画を作ったようなところがあった。
旧作の話のディテールをあまり覚えていないのだが、ストーリーで大きく違うのがペルセウスがアンドロメダに恋しないところ。これはビックリ。旧作では恋するアンドロメダを守るためにペルセウスが冒険を繰り広げるのだが、今作ではその原動力は育ての親を殺された事への復讐心という事になった。
確かに恋した女を守るために戦うなんてのは今どき余りにも陳腐であり、捻らな過ぎではあるのだが、ただ新解釈は冒険に向かうにはちょっと弱い気がする。
「ある意味、アルゴス王も復讐相手じゃね?」「アンドロメダを生け贄にすりゃいいんじゃね?」といった疑問がやっぱり浮かんじゃう。その辺りは旧作のように“生け贄に指名された相手を救うために戦う”方が説得力あるよね。例えば復讐以外の理由として『アルゴスの国内で過ごすうちに知り合った、同じような境遇の子供たちを守りたいから戦う』とか、復讐だけを原動力にするのでも、『育ての父・スピロスの事をハデスに鼻で笑われ、心の炎に火がついた』とかの描写があれば、もっと説得力あるのに。
また、アンドロメダを生け贄に捧げない事へのエクスキューズもやや弱い。国王やその妻は嫌われているが、王女はみんなに愛されている、といった描写があればまた違ったんだけど。それでなければ普通はあっという間に生け贄にされて終わっちゃうんじゃねの?
それにしても「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」を観てそれほど経っていない事もあって、デジャヴみたいな気分になっちゃいました。パーシーもゼウスの息子だし、メデューサが出て来るし。デミゴッドって言葉は「パーシー〜」での造語じゃないんだねぇ・・・・(字幕では出て来ないが、英語のセリフでデミゴッドと言ってた)。神話バヤりなのか、ハリウッド?
まぁ、隙はいろいろあれど、ビジュアルがいい事、そして前作よりもストーリーが分かり易い語り口である事があって、ワタシとしては好印象だった。ルイ・レテリエ的には三部作構想もあるそうなんだがw観てみたい気もする。まぁ、興収はそれなりに結果が出ている(Worldwideで4億27百万ドル越え)ものの、評判が今イチなんで続編製作は無理かなぁ・・・・。
旧作。
ホットトイズは必ず出して来るなぁ。
これはワタシも昔見てたテレビ版の劇場版だそうです。
ギリシャ神話と聞いてワタシが一番先に思い出すのは実はこれ。安彦さ〜んw
アリオン (2) (中公文庫―コミック版 (Cや3-2))
アリオン (3) (中公文庫―コミック版 (Cや3-3))
アリオン (4) (中公文庫―コミック版 (Cや3-4))
神話の時代。横暴な神の所業に反抗するアルゴス国の行為はついに神の怒りに触れ、美しき王女アンドロメダを生け贄に差し出さなければ、冥界の神ハデスが操る怪物クラーケンによってアルゴス国を滅ぼす事を宣言する。猶予は10日。半神半人〈デミゴッド〉のペルセウスは、育ての親の復讐のため、クラーケンを倒し、ハデスの野望を阻止しようとするのだった。
Wikiによると、ロッテン・トマトの支持率は30%だそうだが、ワタシ的には意外と面白かった。確かに見ている間だけの楽しさだけどw元々の1981年版もレイ・ハリーハウゼンのダイナメーションを楽しむ事が主の作品であり、またギリシャ神話自体、話の内容に深みのあるものでもないので、この辺りは織り込み済みと言っていいんじゃないか。
監督のルイ・レテリエはフランス人で、かっこいいハゲ・ジェイソン・ステイサム主演「トランスポーター」の一作目二作目の監督として有名らしいが、ワタシ的には前作「インクレディブル・ハルク」の監督という認識しかなかった。
しかし考えてみればフランスは、「UFOロボ・グレンダイザー」が「ゴルドラック」という名前で放送され、瞬間最高視聴率100%という異常人気を誇った日本アニメ・マンガ大国。ということで(関係あるのか?)ルイ・レテリエはなんと「聖闘士星矢」の大ファンらしい(爆)。その辺りの影響で神の皆さん、聖衣の鎧を来て登場するし、他の皆もコスチュームがカッコいい。そういうディテールがワタシ的には高満足度に繋がってると思う。
クリーチャーに関しては、巨大サソリやメデューサには余り萌えなかったがwクラーケンは意外や結構イケた。所詮CGなのでやはり軽いのだが。
でも何たって一番良かったのはペガサス。なんか不自然なほど自然に(言葉がおかしい)羽が生えていて、今まで映像で見たペガサスで一番素晴らしかった(特にライブアクションとの合成部分)。ちょっとペガサスの存在を信じそうになった(爆)。
ちなみに原作である1981年版と比べると、やはり表現の自由度が圧倒的に上がっているために、ちゃんとSFXが物語を語るために使われているのは、当然ではあるが進歩。上記で書いた通り、旧作はダイナメーションを見せるために映画を作ったようなところがあった。
旧作の話のディテールをあまり覚えていないのだが、ストーリーで大きく違うのがペルセウスがアンドロメダに恋しないところ。これはビックリ。旧作では恋するアンドロメダを守るためにペルセウスが冒険を繰り広げるのだが、今作ではその原動力は育ての親を殺された事への復讐心という事になった。
確かに恋した女を守るために戦うなんてのは今どき余りにも陳腐であり、捻らな過ぎではあるのだが、ただ新解釈は冒険に向かうにはちょっと弱い気がする。
「ある意味、アルゴス王も復讐相手じゃね?」「アンドロメダを生け贄にすりゃいいんじゃね?」といった疑問がやっぱり浮かんじゃう。その辺りは旧作のように“生け贄に指名された相手を救うために戦う”方が説得力あるよね。例えば復讐以外の理由として『アルゴスの国内で過ごすうちに知り合った、同じような境遇の子供たちを守りたいから戦う』とか、復讐だけを原動力にするのでも、『育ての父・スピロスの事をハデスに鼻で笑われ、心の炎に火がついた』とかの描写があれば、もっと説得力あるのに。
また、アンドロメダを生け贄に捧げない事へのエクスキューズもやや弱い。国王やその妻は嫌われているが、王女はみんなに愛されている、といった描写があればまた違ったんだけど。それでなければ普通はあっという間に生け贄にされて終わっちゃうんじゃねの?
それにしても「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」を観てそれほど経っていない事もあって、デジャヴみたいな気分になっちゃいました。パーシーもゼウスの息子だし、メデューサが出て来るし。デミゴッドって言葉は「パーシー〜」での造語じゃないんだねぇ・・・・(字幕では出て来ないが、英語のセリフでデミゴッドと言ってた)。神話バヤりなのか、ハリウッド?
まぁ、隙はいろいろあれど、ビジュアルがいい事、そして前作よりもストーリーが分かり易い語り口である事があって、ワタシとしては好印象だった。ルイ・レテリエ的には三部作構想もあるそうなんだがw観てみたい気もする。まぁ、興収はそれなりに結果が出ている(Worldwideで4億27百万ドル越え)ものの、評判が今イチなんで続編製作は無理かなぁ・・・・。
旧作。
ホットトイズは必ず出して来るなぁ。
【ムービー・マスターピース】 『タイタンの戦い』 1/6スケールフィギュア ペルセウス
- 出版社/メーカー: ホットトイズ
- メディア: おもちゃ&ホビー
これはワタシも昔見てたテレビ版の劇場版だそうです。
ギリシャ神話と聞いてワタシが一番先に思い出すのは実はこれ。安彦さ〜んw
- 作者: 安彦 良和
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
アリオン (3) (中公文庫―コミック版 (Cや3-3))
アリオン (4) (中公文庫―コミック版 (Cや3-4))
年末年始にハリーハウゼンものを見て育った世代には、どうなんでしょうね?
最近のバリバリCGと比べて、ストップモーションアニメのおおらかさが
想像力をかき立てる...ってのは、古いんですかね。
by ぶんさん (2010-05-06 02:47)
微妙なニュアンスですね~
by エコピーマン (2010-05-07 00:03)
>ぶんさん
いや、全くの別物だからw それはそれ、これはこれですね。
>エコピーマンさん
コメントありがとうございます。諸手を上げて傑作とは言えないのは間違いないですねぇw でもやろうとしてる事はハッキリしてるので、見れば面白いと思いますよ。
by tomoart (2010-05-07 02:06)
脚本が甘いと感じたので、オリジナルに忠実なのかと思ったら、そうでもないんですね。
by hash (2010-05-07 22:08)
>hashさん
nice!&コメントありがとうございます。まぁ、脚本の練り込みの薄さはハリウッド・エンタテインメント作品の宿命みたいなもんですからねぇ。忠実ではなくとも、オリジナルのストーリーの薄っぺらさはやっぱり引きずってますね。それをベースにしてるんだから当然だけど・・・・。
by tomoart (2010-05-08 03:09)
こんにちは。
ハリーハウゼンのストップモーションアニメは動きがカクカクしているところがあったんですが(ですよね?)おもしろかったです。
今作はCGを思いっきり使っておもしろくしあげてました。ペガサスがかっこよかったですね。サム・ワーシントンの魅力も映像を盛り上げていたと思います。
クリーチャーたちがよかっただけに、いい俳優がたくさんでてたのが、影が薄かったのがもったいないと思いました。
by coco030705 (2010-11-24 13:27)
>coco030705さん
nice!&コメントありがとうございます。そうですねw旧作はカクカクした動きでした。ダイナメーションですからね〜。
サム・ワーシントンも今はちょっと一息入れてますが、また話題を振りまいてくれるでしょう。活躍に期待です。
by tomoart (2010-11-25 04:27)