SSブログ

劇場版 エスカフローネ [邦画レビュー]

Escaflowne「劇場版 エスカフローネ」(監督:赤根和樹)

自らの存在意義に悩む女子高生の神崎ひとみはある日、一番の友人にも暴言を吐き一人取り残される。するとどこからかやってきた黒頭巾の男に導かれるように異世界へと飛ばされてしまう。
一方その異世界、人間と様々な獣人一族が共存している『ガイア』では、黒竜族と呼ばれる一派が街や村を蹂躙し、全滅させていた。黒竜族の長・ファルケンは自らの悲しみを消し去る為にガイア自体の消滅を望んでいたのだ。ひとみを『翼の神』としてガイアに招喚、滅びを呼び込む竜の鎧『エスカフローネ』を動かす為に用いようとしたのはファルケンだった。しかし、そこに立ち塞がった反対勢力があった。アレンをリーダーとする『アバハラキ』と呼ばれる集団と、同行している黒竜族に滅ぼされた竜族の王子・バァンだ。バァンはファルケンの弟でもあった。彼らはファルケンの野望を阻止し、ガイアに平和をもたらす事が出来るのだろうか。またひとみは元の世界に帰る事が出来るのであろうか・・・・。

NHK-hiで放送があったので、たまたま見た。タイトルだけは知っている「天空のエスカフローネ」というロボットアニメと関連があるのかないのかもよく分からずに見ていたのだが、どうやら似て非なるものだったらしい。この劇場版は、よくある再編集ものではなくて完全新作なのだそうだ。
ただ、大元がテレビシリーズとして26話製作された話だという事なので、ストーリーにはかなり無理がある。新作なのだからそういった事は関係ないはずだが、ほぼほぼ成り立ちを認識していないワタシが見ていても、ストーリーがだいぶ駆け足な感じで、しかもダイジェスト感があり、途中から再編集ものか?と感じたくらいだ。

まず登場キャラクターが非常に多い割には全く使い切れていない。そして主役たちの感情の流れの表現もだいぶ大雑把だ。登場キャラクターの多さはどうやら、役割は変えてもテレビシリーズの主要キャラクターをなるべく登場させたかったらしい。お陰で『アバハラキ』の面々はほとんど活躍しない。何の為に出てきたのか分からない状態だ。そしてひとみとバァンがお互いに惹かれ合う展開には伏線も何も全くなく、いきなり好きになってる(爆)。これは一番困ったw
元の我々の世界で、自らの存在意義に悩み、自殺しようかとまで思い詰めたひとみ。竜族の王になれない事に絶望した兄に一族を滅ぼされ、その復讐にのみ生きるバァン。そんな自分の殻に閉じ込められていた二人が出会い、お互いの中に同じようなものを感じ、共にいる事で自らの存在意義を感じ始めるひとみと、人としての優しさを取り戻していくバァン。それが最後にガイアを救う為の武器になっていくのだから、非常に重要な、話の根幹を成している感情の流れなわけで、ここが何とも全く描けていないのが一つの作品としては完全に致命的。何を切ってもここだけは描かなければいけないはずなんだけどねぇ・・・・。

という事で、どうやら完全に一見さんお断りの、テレビシリーズのファンの為のイベントムービーだったようだ。確かに作画は美しく、少女漫画を意識したらしいキャラデザインも生きていた。冒頭のバァンの殺陣シーンも、腕が飛んだり体が真っ二つになったりで生々しく、やり過ぎの感はあるが、単純に映像として見れば劇場版という充実感はあった。それでも話が破綻しているのだからやはり一般の人間が見るものではないだろう。ふー。


劇場版 エスカフローネ [Blu-ray]

劇場版 エスカフローネ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: Blu-ray

テレビシリーズ。こちらは色々読むと傑作との呼び声もありますねぇ。
天空のエスカフローネ リマスターBOX (初回限定生産) [DVD]

天空のエスカフローネ リマスターBOX (初回限定生産) [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD

テレビ版エスカフローネのプラモ。画像がないのでカッコが分からん(爆)。
LM008 天空のエスカフローネ ガイメレフ アレンシェラザード

LM008 天空のエスカフローネ ガイメレフ アレンシェラザード

  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

1ヶ月無料のU-NEXT

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。