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サイモン・アークの事件簿1 [小説レビュー]

サイモン・アーク1「サイモン・アークの事件簿1」(エドワード・D・ホック) ※創元推理文庫

新聞記者の“わたし”は、ある村の73人の住人全員が一斉に飛び降り自殺したという不可解な事件に遭遇した。凄惨な現場を取材しているうち、二人の人物と出会う。一人は元は村に住んでいたシェリーという女性。そしてもう一人はサイモン・アークと名乗る、年齢不詳の男性。このサイモン・アーク、話す内容を信ずれば2千歳という計算になる!
悪魔を追うオカルト探偵、サイモン・アーク登場!

・・・と言う事で、未だにどうもレビューが書けない「サム・ホーソーンの事件簿」シリーズの作者、エドワード・D・ホックの、別シリーズの短編集。今作の最初の短編がデビュー作と書かれているので、日本では順番が入れ替わってしまったがこちらがホックの十八番になるのかもしれない。「1」とあるので続刊があるのだろう。
ところで今作の最後の解説によると、ホックは昨年なくなったらしい・・・・77歳だったそうだ。合掌・・・。
とはいえ、未訳の短編がまだ結構あるようなので、日本の読者としてはまだそこそこ楽しめるだろう。創元さん、お願いします。

今作は“オカルト探偵”と銘打ってあるが、事件自体は基本的に普通の犯罪である。ただ様々な不可能犯罪的要素によって事件全体が超常現象チックに見え、それがサイモン・アークを呼び寄せるようになっている。

で、同じように短編として発表されている「サム・ホーソーン」シリーズと比べてどうか、という事になるのだが、ワタシ的にはこちらの方が非常に楽しめた。基本SF系が好きな事もあり、「サム・ホーソーン」のアメリカの田舎町の雰囲気より、こちらの手を替え品を替えたオカルト現象的描写の方が興味が湧き易い。どちらも推理小説としては割とライト(ワンアイディアな作品が多い)な事もあり、ガッツリ推理小説としてカタルシスを楽しむと言うよりは、キャラクターや作品自体の雰囲気に親しんで気軽に読み進めるのがホック作品の楽しみ方だと思う。だからアメリカの田舎町な事件の話とオカルトチックな事件の話、どちらが自分の性に合うか考えて選べばいいんじゃないかと思う。それで気が向いたらもう一方も読んでみる、と言った感じじゃないでしょうか。


サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)

サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)

  • 作者: エドワード・D. ホック
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 文庫

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コメント 2

coco030705

こんばんは。
う~ん、おもしろそう!「サイモン・アークの事件簿1」は短編なんですよね。
読みやすいからトライしてみようかな☆
by coco030705 (2009-01-11 00:26) 

tomoart

>coco030705さん
こんばんは。nice!&コメント連チャンでありがとうございますw
ワタシはどちらかと言うと長編の方が好きなんですが、短編集は面白いとサラサラ読めて良い暇つぶしになりますねw これも割とサラサラ読めるくちです。ただ、過剰に期待すると肩透かしですんでお気を付けてw
by tomoart (2009-01-11 05:42) 

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