災いの古書 [小説レビュー]
「災いの古書」(ジョン・ダニング) ※ハヤカワ文庫
恋人のエリンに頼まれ、エリンの旧友・ローラの夫が殺された事件の調査をするため、田舎町・パラダイムにやって来たクリフ。聞けば夫殺害をローラは自白していると言うが、どうやら口の聞けない自分の子供をかばっている様子。しかし、その子がやったと言う証拠もなく、第三者が介入をした可能性を求めてクリフは調査を開始する。ローラの自宅を訪れ、本業である古書店主の本領を発揮すべく、ローラの夫の大量の蔵書を調べ始めると、その全てがサイン入りの古書であった。表から見た価値の何倍、いや十倍以上の値打ちがあると判明すると共に、その価値を知る者の犯行ではないかと推測するのだが・・・・。
単純に面白い。スラスラスラ〜っと読み切ってしまった。ジョン・ダニングって、この「古書シリーズ」に限らず、もっと“ゴツゴツ”した読書感だったような気がするのだが、訳者が変わったからだろうか。『スケルトン探偵』シリーズ並に何だかやたらと読みやすい。ストーリーも割と通俗的で、庶民派って感じ。従来の作品では、ちょっと読み手を選ぶと言うか、一般人には薦め辛かったのだが、これは割と薦めやすいのではないか。
どんでん返しは結構やられた!って感じだった。真犯人候補は途中段階でだいたい3人に絞れる(と思う)のだが、ワタシは他の人物だとばかり思ってしまった。ストーリーが割と一本道に進んで行くのにこれだけやられちゃうとは(汗)。
今回の主人公は、古書店長というより元警官としてのイメージが強かった。前半、古書のサインに関する蘊蓄はちょっと“オッ”と思わせるが、贋サインにあっさり騙されていたり、余り古書鑑定方面ではカッコ良くない。(こちらもスケルトン探偵同様か?w)それより尾行や張り込みなどサスペンスフルな展開で、より活躍する。ガツンガツン殴り合いやら銃を持っての睨み合いやらで、話的には華やかだw
お題の作品。いや、面白いですよ。一気に読めちゃうんだから。久しぶりに固めて読書しました。
>DSilberlingさん
こんにちは。
DSilberlingさんも読まれたんでしょうか。本につけて頂くなんて珍しいですよねw mice!ありがとうございます!
by tomoart (2007-08-14 11:31)
こんにちは。
最近ブログのほうはサボってばかりです。なかなか仕事の合間に
書くことができず・・・。本も読みたい本がいっぱいあるのに、
これも進まず・・・。でもこの「災いの古書」はおもしろそうですね。
「スラスラ~っとよめる」とのことですので、読んでみようかなと思います。
ハヤカワミステリ文庫も久しぶりですし。(^^)
by coco030705 (2007-08-14 15:06)
>coco030705さん
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます。
今やワタシのメインの趣味はブログ書きになってしまっているので、とにかく毎日書いています(汗)。イラストもプラモも鉄道模型もマンガも今イチ進まず、ブログの為に映画鑑賞と読書はなんとか進めてます(汗)。最近自分の中で義務化してるのが微妙なんですが・・・・。
「災いの古書」はスラスラ読めますが、新潮や集英社と違い厚みがあるのでw多少時間がかかりますよ。ただ余りイライラはしないので、気持ち的には結構楽です。
ワタシの読んでいるのは大概、早川か創元の文庫なので、逆に他の出版社のがよくわからなかったりします。待ち望んでいた作家の作品が講談社とか角川から出てたりすると、完全に見逃したりしちゃうんですよね・・・・。
by tomoart (2007-08-14 17:36)