アビス完全版 [洋画レビュー]
「アビス完全版」(監督:ジェームズ・キャメロン)
米国の戦略核搭載原潜が遭難。ソ連原潜の攻撃と想像されるが、とにかく戦略核を回収する為、民間の海中基地が接収されて前線基地として使われる事になる。海中基地の所長ブリックマン(エド・ハリス)は同僚と共に渋々ながら軍の部隊を受け入れるが、部隊の隊長コフィー(マイケル・ビーン)は時が経つにつれ敏感過ぎる反応を見せ始める・・・・。
この作品のアウトラインを見て思い出すのは「2001年宇宙の旅」。広大な海(宇宙)に乗り出し、本当の目的が知らされないままに目標(潜水艦=木星)に向かい、仲間と思っていた相手(軍隊長=HAL)に反乱を起こされるが何とか鎮圧、最後は本当の目的に向けて一人で旅立つと未知の存在に出会い触れ合う。それぞれのパートの間のボリュームはバラバラだが、意外と似通っている事に気付く。
でも最後に言いたい事は全然違うのだね。「2001〜」ではボーマン船長はスターチャイルドとして生まれ変わり宇宙の真理に目覚める。大きな存在・愛情へと拡散して行く。しかし「アビス」は1対1という極めてミニマムな夫婦愛に帰結し、それによって人類は救われる。お陰で「アビス」の方が高尚さはないが、極めて普遍的・一般的で分かりやすい。娯楽作としては「アビス」の方が単純に楽しめて見終わった後も爽やかでよろしいです。
1989年の作品なので、考えてみればもう18年前の作品だが、この作品前後でジェームズ・キャメロンが映画の中でのCGの使い方を劇的に変えたという意味では、「ターミネーター2」と並んで記念碑的な作品と言えるだろう。水のエフェクトは、今見ても充分な出来映えだ。今回は完全版という事で、元の作品にない大波のシーンが出て来るが、これもまあまあのデキで古さは余り感じない。
総括すると、今となってはストーリーなどでコレといった突出要因がないのが地味でスルーしがちな作品ではあるが、見れば海洋SFとしては良く出来ていて楽しい。これからの季節、テレビでも「海猿」シリーズの放送なども予定されているが、海モノを見たい時には一度レンタルしても良いんじゃないかな?
あぁ、宇宙人(?)の造形だけは気に入らんけどなぁ(爆)。
何度も紹介してますが、こちらは更に必見w あぁ、ディスカバリー号やポッドのプラモとか出ないもんかなぁ。
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