ソラリス [洋画レビュー]
「ソラリス」(監督:スティーブン・ソダーバーグ)
スタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」をタルコフスキーの72年版に続き再映画化。
ソラリスと名づけられた遠方の惑星の探査のために作られた宇宙ステーションからの連絡が途絶えた。直前の通信での状態から、心理学者のクリス(ジョージ・クルーニー)が問題解決の任を受けて送り込まれるが、そこで待っていたのは死体と、疲れ切った残りの乗組員、そしてそこにいるはずのない人影。不信感を募らせるクリスの目の前にも愛していた先妻(ナターシャ・マケルホーン)が現れる。彼女は数年前に自殺したはずだったのだが・・・・。
芸術映画に憧れはするが、基本的に庶民なワタシとしては、タルコフスキー版の「惑星ソラリス」は興味深くはあっても決して面白くはなかった。確かに見終わった時のラストシーンの物悲しい衝撃は素晴らしかったが、だからと言って165分の全てが肯定されるわけでもない。よく言えば哲学的・思索的。悪く言えば超退屈の極み。それを「オーシャンズ11」のソダーバーグが一からリメイクした今作。もう少し娯楽風味に仕上がっているかと思ったのだが・・・・。
結論から言うと、タルコフスキー版の短縮版。新しい切り口はほとんど見いだせない。冒頭のクリスが生活している街の風景で新しい未来観をビジュアライズするとか、宇宙船や宇宙ステーションのデザインにカッコ良さやハッタリの利いた演出があるとか、ソラリス自身の描き方に新味があるなど、何らかの新しい提案が欲しかったのだが、そういった部分でのビジュアルイメージも弱く、何の為にリメイクしたのか分からないと言うのが印象。ラストの衝撃も大幅に弱まってしまい、尚更ソダーバーグ版の存在意義が見えなくなっている。
これ見るならタルコフスキー版の「惑星ソラリス」を見た方が良い。「2001年宇宙の旅」と双璧を成す、SF映画ファンの踏み絵と言える作品ですからねぇ。
ま、対象作品はこちらなので、取り敢えず載せときますが。
こちらがタルコフスキー版。冗長な部分で寝なければ、最後に名作と言われるだけの余韻を残してくれます。
こちら原作。残念ながらこちらは読んだ事ありません。レムはタルコフスキーと作品について喧嘩した程、コンセプトは違っているようですよ。
双璧のもう片方。こちらはワタシも腐る程見ました。今見ても視覚効果のスゴさ、ディスカバリー号やポッドなど細々としたもの含めた美術デザインのスゴさは衝撃的な程です。これが1968年(約40年前・・・ワタシが2歳の時w)の作品とは、いったいどういう神経をしているのでしょうか、キューブリックは。
スタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」をタルコフスキーの72年版に続き再映画化。
ソラリスと名づけられた遠方の惑星の探査のために作られた宇宙ステーションからの連絡が途絶えた。直前の通信での状態から、心理学者のクリス(ジョージ・クルーニー)が問題解決の任を受けて送り込まれるが、そこで待っていたのは死体と、疲れ切った残りの乗組員、そしてそこにいるはずのない人影。不信感を募らせるクリスの目の前にも愛していた先妻(ナターシャ・マケルホーン)が現れる。彼女は数年前に自殺したはずだったのだが・・・・。
芸術映画に憧れはするが、基本的に庶民なワタシとしては、タルコフスキー版の「惑星ソラリス」は興味深くはあっても決して面白くはなかった。確かに見終わった時のラストシーンの物悲しい衝撃は素晴らしかったが、だからと言って165分の全てが肯定されるわけでもない。よく言えば哲学的・思索的。悪く言えば超退屈の極み。それを「オーシャンズ11」のソダーバーグが一からリメイクした今作。もう少し娯楽風味に仕上がっているかと思ったのだが・・・・。
結論から言うと、タルコフスキー版の短縮版。新しい切り口はほとんど見いだせない。冒頭のクリスが生活している街の風景で新しい未来観をビジュアライズするとか、宇宙船や宇宙ステーションのデザインにカッコ良さやハッタリの利いた演出があるとか、ソラリス自身の描き方に新味があるなど、何らかの新しい提案が欲しかったのだが、そういった部分でのビジュアルイメージも弱く、何の為にリメイクしたのか分からないと言うのが印象。ラストの衝撃も大幅に弱まってしまい、尚更ソダーバーグ版の存在意義が見えなくなっている。
これ見るならタルコフスキー版の「惑星ソラリス」を見た方が良い。「2001年宇宙の旅」と双璧を成す、SF映画ファンの踏み絵と言える作品ですからねぇ。
ま、対象作品はこちらなので、取り敢えず載せときますが。
こちらがタルコフスキー版。冗長な部分で寝なければ、最後に名作と言われるだけの余韻を残してくれます。
こちら原作。残念ながらこちらは読んだ事ありません。レムはタルコフスキーと作品について喧嘩した程、コンセプトは違っているようですよ。
双璧のもう片方。こちらはワタシも腐る程見ました。今見ても視覚効果のスゴさ、ディスカバリー号やポッドなど細々としたもの含めた美術デザインのスゴさは衝撃的な程です。これが1968年(約40年前・・・ワタシが2歳の時w)の作品とは、いったいどういう神経をしているのでしょうか、キューブリックは。
おはようございます。
SFといえば「2001年宇宙の旅」。何度見てもその新鮮が色あせないのが不思議です。タルコフスキーの「惑星ソラリス」は一度しか見ていません。暗い映画でしたが、大変印象に残っています。で、ソーダバーグの「ソラリス」をTSUTAYAで安売りしてたのを買ったんですが、見ていてあまりのおもしろくなさに、途中で見るのをやめてしまいましたとさ。(ジャンジャン!)
by coco030705 (2007-04-04 09:53)
>coco030705さん
おはようございます(爆)。今会社に着きました。うちの会社は10時からなんでw
ワタシもソダーバーグ版「ソラリス」は、字幕版なのをいい事に、途中何回か倍速で見ちゃいましたw本当は雰囲気重視の話はそれじゃ行けないんですが・・・。ま、どう見てもデキは今イチですよねぇ。
by tomoart (2007-04-04 10:13)