バットマンビギンズ [洋画レビュー]
「バットマンビギンズ」(監督:クリストファー・ノーラン)
8年ぶりに制作されたバットマン映画。これまた公開時に劇場鑑賞。渡辺謙や、StarWars episode 1で主役を張ったリーアム・ニーソンの出演作としても有名。
ゴッサムシティの大富豪の息子であるブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、幼い頃に犯罪者に両親を殺された過去を持っていた。青年となった彼は、そのトラウマを見つめ直す為に世界放浪の旅に出る。ヒマラヤの奥地で謎の軍団に入った彼は、そこで格闘技などを叩き込まれる。そしてゴッサムシティに戻って来た彼は、旧知の技術者の発明品を身につけ、犯罪者を陰ながら処罰する『バットマン』となった。そこに、ヒマラヤ奥地の謎の軍団が迫るのだった・・・・。
従来のバットマンシリーズは、基本的にはファンタジーだった。それは1作目2作目の監督であるティム・バートンの作風が漫画的だったからかもしれないし、敵キャラのド派手さを生かす為であったかもしれない。ゴッサムシティは実在の街には見えず、ゴッサムシティ外の世界は存在を否定されたかのように登場しない。敵が犯す犯罪の行動心理のほとんどは狂気に裏打ちされており、現実味は薄かったと言える。
ビギンズは上記旧4部作の特徴を全て打破している。出だしからしてブータンだからね。ゴッサムシティのゴの字も出てこない。出てくるゴッサムシティはNYちっくで、実際の都市(シカゴ?)での撮影にSFXで味付けされたイメージ。お陰で実在感バッチリ。空撮もきまっている。そして敵はマフィアのドンだったりする訳だ。本当の敵はまた違ったりするのだが、とにかく敵に従来のド派手な演出はされていない。いわゆるフツーのアクションムービー・ギャングムービーの敵+アルファ程度の味付けだ。
お陰で今回のバットマンは、非常にリアリティがある。もちろんバットモービルをはじめとする、バットマンの駆使するお得意の数々のガジェットは出て来るし活躍するが、バットマンを成り立たせるためにつく嘘の数は、従来の作品より遥かに少ない。それによって一般ピープルが納得して感情移入しやすくなっている。
主演のクリスチャン・ベールは、「リベリオン」で披露したガン=カタのスタイリッシュさは今作にはないものの、相変わらず切れのいいアクションシーンをみせてくれる。ここのところ、若手のアクションスター不在が不安視されていたハリウッドで、今後も期待を抱かせる存在。
総じて過去4作品を忘れ、全く新しいバットマンストーリーとして魅力ある仕上がり。別レビューで「バットマンリターンズ」を最高と評している私としては、それを取り下げる気はないものの、この新・バットマンもこの路線での続編が決まっているようなので、それも楽しみだ。
第一作、第二作はティム・バートンに尽きます。第三作、第四作は凡作と言っていいでしょう。
ブログ読みました!!
by 久那 (2007-04-29 14:18)
>久那さん
コメントありがとうございます。今度は出来れば感想なぞもいただけますとウレシいです。よろしくお願いします。
by tomoart (2007-04-30 01:12)