エアベンダー(吹替版) [洋画レビュー]
「エアベンダー(吹替版)」
(監督:M・ナイト・シャマラン)
気・水・土・火の四つのエレメントを駆使するそれぞれの国に別れた世界。それぞれのエレメントの力を超能力として駆使出来る少数の者をベンダー、更にその四つのエレメント全てを使える者はアバターと呼ばれ、代々世界の均衡を保つと信じられていた。しかし100年前、次のアバターとなるべき気の国のベンダーが消え、世界のバランスは崩れた。それ以来火の国は他国へ進出。戦争を起こして勢力を拡大しつつあった。
氷に閉ざされた南の水の国の兄妹サカ(ジャクソン・ラスボーン)とカタラ(ニコラ・ペルツ)は狩猟の獲物を探していて、偶然氷に閉ざされた気の国の少年アン(ノア・リンガー)を見つけ出す。その少年は、既に火の国によって全滅させられた気の国のベンダーだった。アバターを探す火の国の王子ズーコ(デーヴ・パテール)に捕らえられたアンだったが、隙を見て逃げ出しサカとカタラと合流。自らの運命と向き合い、真のアバターとなるべく修行の為に旅立つのだった。
当ブログでも原題「ラスト・エアベンダー」として何度か取り上げてきた今作。その中でも紹介した通り、子供向けアニメチャンネル・ニコロデオンで放送された「アバター 伝説の少年アン」というテレビシリーズが原作だ。人気シリーズとして第三シーズンまで制作されており、今回はその内の第一シーズンを映画化したものだという。
当然テレビシリーズの映画化となれば、尺が足りない。割と子供を意識し、103分と最近では短めの今作では尚更、ダイジェスト感から脱却出来ていない。
とにかく世界観が非常に複雑で、その説明が大変。致し方なかったのだろうが、その辺りを全てナレーションで行っており、しかもそれが要所要所で挟まれる。それがかなりダイジェスト感に直結していた。しかも世界観の説明だけなら仕方ないが、北の国の王女ユエ(セイシェル・ガブリエル)とサカとの恋愛まで出会って一発で説明されては、興醒めするのも致し方ない所。こういったドラマ部分に関しては、やはりちゃんと映画的に観せて欲しかった。
その辺り含め、今作ではM・ナイト・シャマラン的な雰囲気はほとんど感じられない。元々題材がシャマラン向けな気がしないがwどういう経緯で今作を監督する事になったのかよく分からないというのが正直な所。「レディ・イン・ザ・ウォーター」みたいに、自分の子供たちに向けて作った、みたいな事なのかな?それなりに大Budget(15,000万ドル)ながら、興収では回収出来ていないのも辛い。
その大Budgetが最も生かされている今作一番の魅力は、予告編でも出て来る数々の超能力シーンだろう。ただ、この辺りもアクション映画に不慣れなシャマラン監督という事もあり、悪くはないものの取り立ててスゴいものはないのが残念。もう少し見せ方に捻りがあれば、全編アクション満載なのでかなり高得点になったと思うのだが。最大の見せ場も予告編で開陳されてしまっており、本編での驚きが薄いのもマイナス要因。この辺りは「カンフーハッスル」以来の不満だけど。
アン役のノア・リンガーは、予告編などを見ている限りでは子供過ぎて、真面目にやればやる程バカバカしくなりそうなのが不安だったが、思ったよりは違和感なく演じていてその点は良かった。くびれが話題のwニコラ・ベルツはコメディリリーフからアクションまで大活躍。ある意味今作は彼女が主演かも。女の子チックな役のセイシェル・ガブリエルと共に、物語に華を添えていた。
何にしても今作のターゲットは、テレビアニメでファンになった子供たちで、世界観も知った上で実写で登場人物たちが活躍するシーンを見たい、という要望にはちゃんと応えていると言えるだろう。ただ“映画”を観ようと思うなら、残念ながらお勧め出来ない。本当はこのまま第二第三シリーズまで映画化して完結、という風にしたかったのだろうが、興収を見ても内容から言っても、残念ながらそれはなさそうだ。
(監督:M・ナイト・シャマラン)
気・水・土・火の四つのエレメントを駆使するそれぞれの国に別れた世界。それぞれのエレメントの力を超能力として駆使出来る少数の者をベンダー、更にその四つのエレメント全てを使える者はアバターと呼ばれ、代々世界の均衡を保つと信じられていた。しかし100年前、次のアバターとなるべき気の国のベンダーが消え、世界のバランスは崩れた。それ以来火の国は他国へ進出。戦争を起こして勢力を拡大しつつあった。
氷に閉ざされた南の水の国の兄妹サカ(ジャクソン・ラスボーン)とカタラ(ニコラ・ペルツ)は狩猟の獲物を探していて、偶然氷に閉ざされた気の国の少年アン(ノア・リンガー)を見つけ出す。その少年は、既に火の国によって全滅させられた気の国のベンダーだった。アバターを探す火の国の王子ズーコ(デーヴ・パテール)に捕らえられたアンだったが、隙を見て逃げ出しサカとカタラと合流。自らの運命と向き合い、真のアバターとなるべく修行の為に旅立つのだった。
当ブログでも原題「ラスト・エアベンダー」として何度か取り上げてきた今作。その中でも紹介した通り、子供向けアニメチャンネル・ニコロデオンで放送された「アバター 伝説の少年アン」というテレビシリーズが原作だ。人気シリーズとして第三シーズンまで制作されており、今回はその内の第一シーズンを映画化したものだという。
当然テレビシリーズの映画化となれば、尺が足りない。割と子供を意識し、103分と最近では短めの今作では尚更、ダイジェスト感から脱却出来ていない。
とにかく世界観が非常に複雑で、その説明が大変。致し方なかったのだろうが、その辺りを全てナレーションで行っており、しかもそれが要所要所で挟まれる。それがかなりダイジェスト感に直結していた。しかも世界観の説明だけなら仕方ないが、北の国の王女ユエ(セイシェル・ガブリエル)とサカとの恋愛まで出会って一発で説明されては、興醒めするのも致し方ない所。こういったドラマ部分に関しては、やはりちゃんと映画的に観せて欲しかった。
その辺り含め、今作ではM・ナイト・シャマラン的な雰囲気はほとんど感じられない。元々題材がシャマラン向けな気がしないがwどういう経緯で今作を監督する事になったのかよく分からないというのが正直な所。「レディ・イン・ザ・ウォーター」みたいに、自分の子供たちに向けて作った、みたいな事なのかな?それなりに大Budget(15,000万ドル)ながら、興収では回収出来ていないのも辛い。
その大Budgetが最も生かされている今作一番の魅力は、予告編でも出て来る数々の超能力シーンだろう。ただ、この辺りもアクション映画に不慣れなシャマラン監督という事もあり、悪くはないものの取り立ててスゴいものはないのが残念。もう少し見せ方に捻りがあれば、全編アクション満載なのでかなり高得点になったと思うのだが。最大の見せ場も予告編で開陳されてしまっており、本編での驚きが薄いのもマイナス要因。この辺りは「カンフーハッスル」以来の不満だけど。
アン役のノア・リンガーは、予告編などを見ている限りでは子供過ぎて、真面目にやればやる程バカバカしくなりそうなのが不安だったが、思ったよりは違和感なく演じていてその点は良かった。くびれが話題のwニコラ・ベルツはコメディリリーフからアクションまで大活躍。ある意味今作は彼女が主演かも。女の子チックな役のセイシェル・ガブリエルと共に、物語に華を添えていた。
何にしても今作のターゲットは、テレビアニメでファンになった子供たちで、世界観も知った上で実写で登場人物たちが活躍するシーンを見たい、という要望にはちゃんと応えていると言えるだろう。ただ“映画”を観ようと思うなら、残念ながらお勧め出来ない。本当はこのまま第二第三シリーズまで映画化して完結、という風にしたかったのだろうが、興収を見ても内容から言っても、残念ながらそれはなさそうだ。
エアベンダーはちょっとですね CGだらけっって感じで^^;
ハプニングは見ました 不思議な映画でした
by エコピーマン (2010-07-22 02:00)
>エコピーマンさん
nice!&コメントありがとうございます。はい、「エアベンダー」は、言ってみれば例の「ドラゴンボール・エボリューション」みたいな感じで(笑)、軽くて引っ掛かりの少ない感じの作品でした。でもシャマラン監督お得意の、重々しい演出があったら、これでも結構観れたんじゃないかとも思うんですけどね・・・・。「ハプニング」は、世間の評価はあんまり良くないみたいですけど、ワタシは意外と楽しかったですけどね。
「ドラゴンボール・エボリューション」
http://tomoart.blog.so-net.ne.jp/2009-04-14-2
「ハプニング」
http://tomoart.blog.so-net.ne.jp/2008-08-17
by tomoart (2010-07-26 02:07)