ラヴクラフト全集7：moromoro

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ラヴクラフト全集7　[小説レビュー] [編集]

「ラヴクラフト全集7」（H・P・ラヴクラフト）

第6巻の刊行から何年経ったかわからないが、遂にここに全集が完結した（別巻もあるけど）。ラヴクラフトの作品は決して一般的とは言い難いが、SF・ホラーファンにとってはマスト・コンテンツとも言えるものなので、ワタシも一応読み始めたのだが、まさか完結にこれほどの時間がかかるとは思っていなかった・・・・。

それにしても相変わらず読み辛い（汗）。過剰なほどの説明が主題を掴み辛くしている。ワタシは全文しっかり読みたい方なのだが、なにぶん頭が悪いもんで（爆）ちょっと迷路な文章になって来るとだんだん何を言いたいのかわからなくなっちゃう。なもんで、今回は諦めて斜め読みw　ラヴクラフトの小説は、基本的に短編小説なので、斜め読みでもそれなりにストーリーはわかっちゃう。（だいたいストーリー自体があるんだかないんだか・・・）で、ポイントの恐怖シーン周りを読み込むといった感じだった。邪道な読み方かもしれないが、まぁマニアじゃないしw

今回の7巻で面白かったのは、「あの男」「忌み嫌われる家」「霊廟」辺りか。残念ながらラヴクラフト作品の真骨頂である背筋を寒気が上って来るような緊張感のある作品（「インスマウスの影（1巻）」「ダゴン（3巻）」など）ではないが、その断片を感じる事は出来る。まぁ、全集の最終巻でもあり、資料的な部分もあったりして、この本だけで好悪を論じるのは若干意地悪か。全集前半の巻の傑作集的な作品でラヴクラフトに興味を持った方だけがたどり着く地平とでも言えるような本だろう。クトゥルー（クトゥルフ）神話の原点に触れたいと言うニッチな要望に沿った、ある意味これも奇跡的な本ではないだろうか。