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ケイナ [洋画レビュー]

「ケイナ」(監督:クリス・デラポート 、パスカル・ピノン)

いつかどこかの惑星。巨大な樹に村を築き、生活している住人たちは、樹液を収穫し、『神』への貢ぎ物として納めていた。しかし、『神』に対して懐疑的な少女ケイナは、村の外、誰もが恐れる領域へと足を踏み入れる。そこで出会ったのは、過去にこの惑星系で事故を起こし大破した宇宙船の乗員で、生き残った最後のエイリアンだった・・・・。

フランス発の3DCGアニメ。非常にニッチな雰囲気漂う、作品としては微妙な映画。

端々のディテールに、既視感が漂っている・・・ケイナのコスチュームはジャパニメーションぽいし、エイリアンのデザインも同様。エイリアンの手先のバグたちは「バグズライフ」とかに似てる。全体的な世界観は、多分「インテグラル・ツリー」+「ロシュワールド」、もしかしたら「ジャックと豆の木」も・・・って感じだと思われるw
ただ、設定を拝借しているから全くもって魅力に欠けるか、というとそうでもないのだ。トータルで見た時に抑えた色調だとか、キャラクターや美術の根底に流れる“ひねた感(よく言えば大人っぽさ)”が、ハリウッドではあり得ない、また日本とも違う、やはりヨーロッパ映画。その辺りは見どころの一つ。更に言えば、どこかで見たようなデザインであるが故に、いっそう感性の違いを感じて面白い。とは言えそれを計算してやってる訳じゃないと思うけどw

ストーリーもわかるようなわからないようなで、若干宮崎駿チックだったり、「ファイナル・ファンタジー」が入っているようにも感じる。ケイナのアクションもどことなく「未来少年コナン」だ。

でもしっかり見ていれば意外にもエンターテインメントしていてちゃんと楽しいのである。悪役の描写とかも結構迫力出してるし。まぁ、最後は勧善懲悪な締めにならないところもヨーロッパ映画だからかなぁ、という感じ。それでも「ファイナル・ファンタジー」よりは余程すっきりとして終わる。

これでがっちりとした魅力がどこかにあれば拾い物の良作と言いたいところだが、冒頭言ったように良いところも地味で微妙過ぎる。作品としての魅力までは至っていないのが辛いところなのだった・・・・。



ケイナ デラックス版

ケイナ デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/09/24
  • メディア: DVD



ニーヴンが「リング・ワールド」とはまた違う世界を描いた作品と、フォワードの数少ない邦訳作品の中の一つ。フォワードは結構好きなんだけど、物理学者が本業だけに文章が理論的過ぎて読み辛いのが邦訳を妨げてるのかなぁ。純度の高いセンス・オブ・ワンダーを感じさせる、いい作家なんだけど。

インテグラル・ツリー

インテグラル・ツリー

  • 作者: ラリイ ニーヴン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1986/11
  • メディア: 文庫
ロシュワールド

ロシュワールド

  • 作者: ロバート・L・フォワード, 山高 昭
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1985/08
  • メディア: 文庫

本が両方画像がないので、またまた蔵出しの写真載せときます。映画見た人はこれだけで共通の世界感を感じてくれるんじゃないかな?


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tomoart

>DSilberlingさん
あけましておめでとうございます。早速nice!ありがとうございます。
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
by tomoart (2008-01-04 23:28) 

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