ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序：moromoro

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序　[邦画レビュー] [編集]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」（総監督：庵野秀明）

人類の半数が死んだ“セカンドインパクト”から14年。中学生の碇シンジは、父・ゲンドウに呼び出されて第3新東京市に出向いた。科学者だった母は実験中の事故で既に亡く、同じく科学者の父・ゲンドウはシンジを置いて国家プロジェクトに参加して3年前に別れたきりだった。最寄りの駅で電車を降りたシンジは、そこで“使徒”と呼ばれる怪物と自衛隊との戦闘に遭遇。迎えに来た葛城ミサトと共にゲンドウの元に急行すると、会うなり最終人型決戦兵器・エヴァンゲリオンに乗って使徒と戦う事を指示されるのだった・・・・。

色々言っといてなんだけど、動いている「エヴァ」を見るのは久しぶりだったので、割と素直に楽しめた。確かに『rebuild』を謳うだけあって、絵は昔（当時としてはテレビシリーズもきれいだったわけだが）に比べても非常に手が入っていてきれいなのが分かる。特に使徒の描写は、いかにもではあるが、CGを使ってテレビ版とはスケールの違いを見せつけていた。またこちらもCGとしてはいかにも、ではあるのだが、物量大量投入的な第3新東京市のビル・武装の数々の描写は、余りにも単純に同様の事を何回もやるのでワタシとしては苦笑を禁じ得なかったのだが、見せ物としての迫力は充分出ていて、素人相手（ま、ワタシも素人だけどw）へのハッタリとしてはよく出来ていた。

ストーリーは今回の「序」では、ディテールの違いはあれどテレビ版の第六話「決戦、第3新東京市」までの内容という事で、98分という今の目で見れば短めの作品だが極端に駆け足になる事もなかった。シンジのウジウジ話が端折られ、3回の使徒襲来シーンを中心に据える事で、エンタテインメントとしての領分をきっちり全うしたと言ってもいいかもしれない。ただ、短時間にアクションシーンが詰め込まれた事で、全体の印象が近年の「ゴジラ」シリーズと被った面もなきにしもあらず（爆）。まぁ、そんな事考えるのはワタシくらいかもしれんが・・・。
今回話の内容として目新しさは確かになかったが、次回「破」の予告を観る限り、ここからテレビ版とはだいぶ様変わりをして行きそうなので、それを楽しみに数ヶ月待ちたいと思います。

しかし、今回一番感じたのは、『これこそが旧劇場版の「DEATH」の内容（の一部）であるはずだったんじゃないだろうか』ということ。「DEATH」は（一応）テレビシリーズ（第壱話～第弐拾四話）の再構成というふれこみだったのだが、多分劇場で観た人の半分はガッカリしたんじゃないだろうか。ほとんど庵野秀明のプライベートフィルムみたいなもんでしたからねw　好きな人はあそこから何らかの物語に繋がる示唆を見つけようとしたかもしれないけど、ワタシみたいなライトな観客には、まぁ、つまらなく芸術ぶってるなぁ、という印象しかありませんでした（爆）。
そういう意味では「エヴァ」の素直な再編集版というのは、実は今回が初めてなんですよね。昔も「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生」で決着がつかず（ひどい話だ）、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に」まで引っ張ったんだから、素直にやってれば今回の4部作とは言わないまでも、3部作くらいでの映画化は出来たんじゃないかね。

という事で、鑑賞時点ではそれなりに楽しかったけど、その後いろいろと考えてしまう作品でしたよ・・・・。

これ、同僚が買ってましたよ。初号機は、テレビ版の方が間違いなくカッコいいけど、最初の戦いの時間帯を夜に設定してライムグリーンの部分を発光させていたのはアイデアものとは思いましたね。それにしてもアクションシーンは何をやってるのか分からない映像が度々あって、それには閉口しました。劇場であれしか見えないという事は、DVDが出て家庭で鑑賞したらもっと分からないと思いますね。