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ガメラ大怪獣空中決戦 [邦画レビュー]

「ガメラ大怪獣空中決戦」(監督:金子修介

という事で、ガメラ(爆)。あいかわらず素直な行動。

ある島に不信な鳥が出現。島民を襲うという事件が起きた。直後、嵐の中で島全体が音信普通に。調査に赴いた鳥類学者・長峰(中山忍)は、巨大な鳥の糞を発見。不信な鳥は異常なスピードで巨大化しつつあった。そして、それに呼応してもう一つの巨大な怪物が目を覚まそうとしていたのだ・・・・。

1995年3月11日公開だと。もう12年経ってしまった。日本が生んだ、『怪獣映画』の一つの頂点と言っていい作品。
怪獣映画というものは、SF、アクション、戦争、パニックなど、元々が様々なジャンルを内包しているものなのだが、それらが上手くバランスし一つの作品として結実したのが本作だと言えるだろう。また更に言えば、中山忍と藤谷文子というダブルヒロインを擁するという、怪獣映画のターゲットである若年男性へのサービスを考えれば、ある意味アイドル映画的な側面も備えている。(しかも二人の関係からしても、小学校高学年〜高校生と、大学生以上の二兎を追った配役だとも言える。)この様々なジャンルを包括した土台に、ベーシックではあるが魅力的なストーリーと、まだまだ荒削りで予算も少ないながらそれまでの前例を駆逐し凌駕するビジュアルが載った事で、前述通り『怪獣映画』史上の最高傑作が生まれたのだ。

まぁご存知の通り『怪獣映画』ファンにはマニアが多く、上記のような決め付けに賛同する人ばかりではないと思う。ある人は最初の1954年版「ゴジラ」こそが最高傑作だと言うかもしれないし、それに賛同する人は多分とても多い。特撮王である円谷英二が参加していなければ王道とは呼べないという人もいるかもしれない。また平成ガメラ信奉者の中でも「ガメラ2 レギオン襲来」のシミュレーション的な部分こそが『怪獣映画』の醍醐味であるとか、「ガメラ3 邪神覚醒」の恐ろしい程のSFXシーンの出来具合をもって最高傑作と言うかもしれない。それぞれの主張は、それぞれに正しさを含んでいる。

また平成ガメラ1作目としての今作最大の(今の目で見た時の)弱点・特撮部分の甘さはいかんともし難い。「ゴジラ」位古くなってしまえば逆に当時のスゴさも実感出来るが、12年前という微妙な時期の今作は、特に2作目3作目と比較されてしまう事もあり、特撮的には見劣りするデキと言わざるを得ないだろう。

それでもワタシが『怪獣映画史上最高傑作』と呼ぶのは、とにかく様々なもののバランスの良さ、なのだ。「ゴジラ」でのマッドサイエンティストの存在は、やはりリアリティを奪ってしまう。(現代の目では特に。)「ガメラ2」は人間描写が弱く、特に三角関係の突出の仕方が悪いので肝心のストーリーが上手く回っていない印象があるし、「ガメラ3」に至っては主幹ストーリーが掌の中に収まりそうな閉じ方で、『怪獣映画』の王道とは言えまい。

「ガメラ 大怪獣空中決戦」は、健全なストーリー、そのストーリーの必然性、自衛隊描写の的確さ、怪獣対怪獣のアクションの見せ方の上手さ、クライマックスの盛り上がり、そして見終わった後の爽快感。いずれも水準を大幅に超え、尚且つそれぞれの関連で不協和音のないハーモニーを奏でている。
監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典。三人の才能が、情熱と共に最大限に発揮された奇跡の作品、それがこの作品だ。
 
倒れた東京タワーの上に佇むギャオスを照らす美しい夕日のシーン。このシーンだけでも怪獣映画史に残る名シーンなので、見てない人は是非。

ガメラ 大怪獣空中決戦

ガメラ 大怪獣空中決戦

  • 出版社/メーカー: 大映
  • 発売日: 2001/02/21
  • メディア: DVD


 
サントラも結構好きです。三部作の主題歌で爽快感を煽ってくれるのは今作だけ。爆風スランプ「神話」は名曲。

ガメラ大怪獣空中決戦

ガメラ大怪獣空中決戦

  • アーティスト: サントラ, 大谷幸
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 1995/02/25
  • メディア: CD


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