七つの仮面 [小説レビュー]
七つの仮面(横溝正史) 角川文庫版
金田一耕助シリーズ11冊目。
七つの仮面/猫館/雌蛭/日時計の中の女/猟奇の始末書/蝙蝠男/薔薇の別荘・・・の合計短編7編を収録。
全体に言えるのは、「首」と同じ事か。やはり短編は横溝らしさが半減して面白くないなぁ。短編に必要な、インパクトとキレが不足していて、なおかつオドロオドロシさが出せていない。横溝も苦しんだのか、オドロオドロシさを簡便に出させる為に肉欲的な方向性を割と安易に使いがちな気もして、それもちょっと興醒めではあった。
解決編もどれもあっさり風味で説明口調。言ってみればクイズの解答合わせみたいな体で、話の面白さに繋がって行っていないのが一層面白みを削いでいるように思う。
その中でも割と印象に残ったのは、「雌蛭」「日時計の中の女」辺りかなぁ。「猫館」は猫好きとしては猫が殺されているのが辛いので(爆)、却下(笑)。「蝙蝠男」は作品は大した事ないけど、仮面ライダー世代としてはタイトルに若干惹かれてしまうのは仕方ないか(爆)。
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