本陣殺人事件 [小説レビュー]
本陣殺人事件(横溝正史) 角川文庫版
金田一耕助シリーズ1作目。
岡山の旧家、一柳家の長男が40歳にして嫁を迎えようとしていた。その祝言の夜、新郎新婦の寝室からただならぬ悲鳴と琴の音が響き渡った。駆けつけた一同が見たのは、無惨にも血塗れで事切れている二人と、各所に残っている三本指の血痕だった。しかし、その舞台となった離家には他の人影はなく、しかも折から積もっていた雪には足跡一つない。いったい犯人はどこへ消えたのか・・・。
密室殺人を描いた表題作の他、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の計3編を収録。
金田一登場編という事で、まだちょっともっさりした文脈の進め方ですが、まぁそれを割り引いてもちょっとワタシ的にはトリックが今イチでした(汗)。詳細に触れるとネタバレになってしまうので言えませんが・・・・。
表題作より、「黒猫亭〜」の方がなかなか良い感じに解決してくれます。また、こちらもトリックはワタシ的には今イチでしたが「車井戸〜」は語り部が少女という事で、なかなか新鮮で雰囲気は結構好きですw(「車井戸〜」は初出時、金田一耕助は登場しない物語だったという事で、彼はほとんど登場しません。探偵役はその少女です。そこが余計面白くしています。)
しかし三作に共通しているのは、戦前戦後の妖しく恐ろしい雰囲気。特に「本陣〜」「車井戸〜」は地方が舞台という事で独特の暗さがあり、なかなかにゾクゾクします。恐がりの方は、夜に読まない方が良いでしょう。きっと夢に出ますよ(爆)。
こちら古谷一行演じる金田一耕助シリーズの「本陣殺人事件」。金田一耕助シリーズは色々映像化されているので、DVDも楽しめますね。
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