7月24日通りのクリスマス [邦画レビュー]
7月24日通りのクリスマス(監督:村上正典)
中谷美紀の項で宣言した通り、観てきました。奥さんが今イチ乗り気でなかったので、このネタで一人鑑賞・・・・(爆)。
「電車男」の制作チームが贈る、『日本のロマンティックコメディー』第2弾。
市役所勤めの本田サユリ(中谷美紀)は、住んでいる長崎の街をポルトガルのリスボンと思い込んで生活する事と毎週自分の王子様ランキングをつける事くらいが楽しみという目立たない女の子。11月のある日、大学の演劇部のOB会で8年前から勝手に憧れ続けている(王子様ランキング397週連続1位)ライティングデザイナー・奥田聡史(大沢たかお)に再会。ちょっとお近付きになれたと思ったら、既婚ではあるが美人の元カノ(川原亜矢子)の登場であえなく脱落。サユリは聡史と1ヶ月後のクリスマスを一緒に過ごせる仲になれるのか・・・・。
まずは中谷美紀がとてもキレイに撮られていたのがヨカッタ!上記中谷美紀の項でも書いたが、最近筋張ってるなぁ、なんて感想が吹っ飛びました。ちょっとキュンと来た(ヲイヲイ、四十路男の発言かよ!?爆)。後半のシンデレラ状態のはもちろん、最初のサユリを鈍臭くてモテそうもないのにかわいく撮る、という意気込みも見事に成功していると思った。
競演もなかなか粒ぞろいで、川原亜矢子を筆頭に佐藤隆太、小日向文世、上野樹里、沢村一樹、劇団ひとり、YOUなど、結構一癖ある配役。
特に、父親のガールフレンド役のYOUが、なかなかいい味を出していた。微妙な立場の役柄だが、サユリとの距離感が上手く演出されていて、アドバイスもなかなかグッと来たり。ここらは脚本の勝利か。
反対に、全体の組み立ては若干ギクシャクしているように感じた。サユリのモノローグ中心の前半が、ワタシのようなオヤジには気恥ずかしかったのは致し方ないにしても、ラスト近くの、ある結婚シーンでのサユリの言動にはちょっと違和感があったし(ここは少しセリフを直せばもっとキレイに流せたと思うのだが・・・説明調を避けたのか?)、サユリの妄想上の応援団二人は取って付けた感が拭えず。
また、ストーリー上こなし切れていない枝葉もあった。冒頭の赤ちゃんのシーンと、途中の妊娠話はリンクし切れてないし、サユリの好きなマンガは思わせぶりに登場した割には後半忘れ去られてしまう。幼なじみが漫画家を目指しているのも、パラパラ漫画のネタだけではねぇ。
原作未見なので映画だけの感想なのだが、この作品、「電車男」と一緒で、根幹のストーリーは普遍的なモノ。パッとしない女の子が好きな男の子に振り向いて貰うべく奮闘する話だ。だからこそそこに新しいモノを持ち込んでオリジナリティを出そうとする。だが、その新規なモノが、上手くストーリーと融合し切れていない。そこが残念。
しかし、リスボン(妄想)と長崎(現実)の切り替えや、サユリと聡史の距離が徐々に近付いて行く過程の丁寧な描きぶりは良かったし、ラストも素直に楽しめた。
中谷美紀が美しかった事も含め、全体的には好感の持てるデキだったと言えるかな。パンフに『このチームでロマンティックコメディー第3弾、第4弾とやりたい』みたいな発言もあったが、熟成されてもっと良い物が出来る事を期待したい。
さて、オススメ度は、30代の大人のデートムービーにはピッタリ、って感じですか。オトコの一人鑑賞は論外として(爆)、ティーンのデートにも向きまへん。そこら辺分かっていれば是非観てみてくらはい。
7月24日通りのクリスマス
http://www.724-christmas.com/index.html
〈追記〉DVD発売決定ですよ〜。
映画・DVD見て、もしこの映画にハマったら、メロウなこの本も読んでみてください。内容はあんまりないけど(爆)、より感情移入出来ちゃいます。
Sayuri's Happy Diary~7月24日通りのクリスマス~
- 作者: 河合 夏希
- 出版社/メーカー: SDP
- 発売日: 2006/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
コメント 0