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マトリックス　[洋画レビュー] [編集]

「マトリックス」
（監督：アンディ＆ラリー・ウォシャウスキー）

今更ですが、「Vフォー・ヴェンデッタ」でちょっと触れたし、何よりも大好きな映画なので・・・。公開当時、何だかんだで3回、劇場に観に行きましたw

天才ハッカーとして名を馳せるネオ（キアヌ・リーヴス）。彼は今の世界に対して言いようのない違和感を感じており、回答を求めてモーフィアスという、伝説のハッカーを捜していた。ある日、ネット越しにモーフィアス（ローレンス・フィッシュバーン）から連絡を受けたネオは、導かれるままにモーフィアスと出会い、衝撃的な事実を聞かされる。今の世界は人類に敵対するコンピュータが見させている夢＝仮想現実であり、本当の世界では人間は家畜のように養殖管理され、コンピュータを維持する為の熱量を取り出す装置に過ぎなくなっているというのだ。現実世界に踏み出したネオは、人類存亡の危機に対抗して立ち上がった・・・・。

この映画、語るべきは何はなくともアクションだろう。SF×カンフー×ハリウッドという異色の顔合わせが作り出したアクションの数々は、もはや伝説と言えるだろう。

現実に存在し得るアクション（そのダークな絵づくりが既にカッコいいが）から、流れるように異次元のカンフーアクションへと続いていく・・・。カンフーアクションの絵づくりの定番であるワイヤーアクションは、それだけを取り出して映画にはめ込んだら違和感が出てしまう所を、この映画では仮想現実という理屈を付ける事で違和感を防いでいる。それによって、簡単に言ってしまえば「普通の姿した人がアメコミヒーロー並みの強さを発揮する」という状態を現出させたわけだ。キアヌやローレンス・フィッシュバーン、キャリー・アン・モスのアクションシーンは、とにかくクールだ。

アクションに詳しい人だとやっぱりアメリカ人が付け焼き刃でやってるカンフーと分かるらしいが（実際当時の劇場パンフレットもそんな感じの事に少し触れられていた）ワタシ如きには分からなかった。充分シャープに見えた。

音的には、余り前面に出てこないBGM、特にアクションシーンの抑えた使い方がイイ。銃撃戦が多いので効果音はそれなりにうるさいが、あおる様なBGM使いはない。ところがそれにもかかわらず、クライマックス近くの私の最も好きな、警察署へ正面攻撃を掛けるシーンでの音楽（spybreak!(short one)）などは、アクションの視覚的な快感と共にちゃんと耳に残ったりする。
また挿入歌が意外に多いのも特徴か。激しいロックのソウルフルな歌声が、クールでスタイリッシュな映像を補完し、内面の情熱を浮き立たせる。ワタシはエンディングの「Wake Up（レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン）」がお気に入りw

劇場公開当時（未だ20世紀だったw）は内容がわからない人が続出していた。バーチャルリアリティというものが感覚的に分からないと、全く理解出来ないストーリーだから仕方ないけど。当時、バーチャルリアリティという言葉自体の、一般大衆の理解度がまだまだ低かったのだ。
キアヌだけ目当てに来る人とか、アクション映画として捉えて見に来る人とかが結構多かったらしく、ＳＦに関係ない人たちが混乱していた。当時のYahoo掲示板読んでみたら、ＳＦの板では批判している人でも内容は理解していたが、アクション映画の板では話が解らなかったと言う意見が多かった。ま、今なら割とフツーに理解されるんじゃないかなぁ。

この後、2作目3作目（+アニメ版やらゲーム版やら）が作られたのは皆さんご存知の通りだが、やはりこの1作目が一番Coooooool!だ。DVD全巻持っていても、見返すのはやはりこれ。余韻を残すラストも忘れられない。SFアクションの金字塔ですね。

※続編のレビューも書きました。
「マトリックス・リローデッド」　「マトリックス・レボリューションズ」

これが今回のお題の「マトリックス」。ホントのところ、ウォシャウスキー兄弟も続編作るなんて考えてなかったんじゃないかなぁ。