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ヤッターマン [邦画レビュー]

T0006106.jpg「ヤッターマン」(監督:三池崇史)

4つの破片を揃えて一つにすれば、どんな願いも叶うという『ドクロストーン』を狙うドクロベエ(滝口順平)とその手下のドロンジョ(深田恭子)、ボヤッキー(生瀬勝久)、トンズラー(ケンドーコバヤシ)のドロンボー一味。それを阻止しようとするヤッターマン1号(櫻井翔)、2号(福田沙紀)。今日のその戦いは渋山で繰り広げられていた。押されていたヤッターマンだったが、相変わらずのドロンボーの自滅によって事なきを得た。その中でヤッターマンが出会った海江田翔子(岡本杏里)は、ドクロストーン研究の第一人者で行方不明になっている海江田博士(阿部サダヲ)の娘で破片の一つを持っていた。
再びドロンボーが、今度はオジプトの遺跡に現れるという情報から出動するヤッターマン。二つ目のドクロストーンの破片を手に入れる事に成功するが、戦いの中でヤッターワンは破壊され、何故かドロンジョとヤッターマン1号は恋に落ちてしまう!?
ドクロストーンの奪い合いを制するのは?ドクロベエの正体は、そしてその真の狙いは何なのか?そしてドロンジョの「初恋」の行方は・・・・・

これはこれは、エラく楽しいバカ映画だ!三池監督のワタシ的前作、「妖怪大戦争」もかなりのバカ映画だったが、それよりも更にハジケまくっているw なので余り一生懸命に内容を解説してもしょうがないのだが・・・・。

そんな中、敢えて今から観に行く人へのアドバイスとしては、『テンション上げて行け!!!』という事。

ハッキリ言って徹頭徹尾バカ映画の今作は、そのテンションの高さも相当なものだ。そのテンションに乗り遅れたが最後、111分後に疲れた顔で劇場を出る事になる。この映画の『バカ』は、絶対に冷静に見てはいけないのだ。言ってみればやたら宴会芸で盛り上がりまくっている飲み会で、一人、水を飲んでいるような状態だ。そんなならいっそ欠席した方が良い。
もう一つは、『その宴会は同窓会だよ!』って事。盛り上がって各人が披露してくれる芸はそれぞれに楽しいが、やっぱりその人(キャラクター)を知ってる方が何倍も楽しめる。芸以外にそこここで展開されるディテールなんかは、同窓会ならではの楽しさで、一見さんには食い付く余地もない。このテンションの高さに付いて行ければそれだけで楽しめるが、やはり「ヤッターマン」作品にドップリ浸っている(いた)人たちのための映画なのだ。
という事で、少なくとも渋山編の間には作品のテンションに追いつく事がこの作品を楽しむための必須事項である。スクリーン上で展開されるギャグに、周りを気にせず大口あけて馬鹿笑い出来るくらいテンションが上がれば、至福の時間が提供される。

コスチューム含めたキャラクター造形も、心配とは裏腹に全く違和感を感じなかった。確かにフカキョンは小原乃梨子のドロンジョとはかなり違うのだが、後半の展開にはマッチしていたし、とにかくかわいく美しく光り輝いているw 他の若い二人のヒロインを美しく撮ろうという気持ちがないのとも相まって(爆)フカキョン=ドロンジョの映画での輝き方は群を抜いていると言ってもいい。

映像全体も思った以上に良かった。もっと荒々しい合成とかになってしまっているかと思ったが、ハチャメチャな世界観でもあり、安っぽく感じる部分はほとんどない。ヤッターマンの変身シーンもカッコ良く決まるし、ビックリどっきりメカの大群もバッチリ。ヤッターワンも、パワーアップして出て来るヤッターキングもなかなかだ。そして三悪が繰り出すドロンボーメカがとにかく楽しいしよく動く。

三池監督はやはりドロンボーの三人に限りなく愛情を注いでいるようだ。話の根幹はヤッターマン側で説明されて進んで行くのだが、この映画の魅力のほとんどは三悪人の側のドラマにある。
詐欺を働き大金を稼ぐが、それを全て使ってドロンボーメカをつくり、ドクロベエにこき使われてもめげず、それぞれが個性的な夢を持ち、アニメ同様に『天才ドロンボー』を歌って踊る。トンズラーは飯を喰い、ボヤッキーは日本中の女子高生を愛しているのに一方でドロンジョにプラトニックな愛情を持ち、ドロンジョはあろう事かヤッターマン1号を思ってため息をつく。

そしてふと気付くのだ。これってアニメの魅力そのままではないか!三池監督はアニメの実写化としては最高の仕事をしたんじゃないだろうか。原作をリアルタイムで見ていたワタシとしては、とにかくなっとくのデキだった。
今回の映画は、テレビ3話分の流れで構成されている。渋山編、オジプト編、そして最終決戦の南ハルプス編だ。この辺りの構成の妙もテレビ版そのものの印象を強くしてるかもしれない。

この作品、普通には劇場鑑賞をお薦めし辛いんだよなぁw 特に櫻井翔目当ての女の子が1〜2人で行くのは自殺行為と言っておこう。出来ればグループでワイワイ観に行って、見終わってから宴会やりながら劇中のキャラのモノマネでもして盛り上がるような、そんな鑑賞が最高です。もしくはアラフォーのオリジナル版アニメ「ヤッターマン」卒業生(例えばワタシ)なら、ニヤニヤ笑って若い頃の気分を取り戻す事が出来るでしょうw


えー、この作品で一番ヤバいのはオジプト編での『ヤッターワンVSバージンローダー』。まさかドロンボーメカでエロシーンを作り出すとは想像もできなかった!三池監督恐るべし!!
・・・・という事で、映画版のヤッターワンやヤッターキングも発売して欲しいぞ(爆)。
ヤッターマン YM-DX01 DXヤッターワン

ヤッターマン YM-DX01 DXヤッターワン

  • 出版社/メーカー: タカラトミー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

本作最大の魅力、ドロンジョ様の写真集。内容は分かりませんが、こんな本が出ちゃう位のインパクトは確かにありますw
深田恭子写真集『KYOKO TOKYO PIN-UP GIRL』

深田恭子写真集『KYOKO TOKYO PIN-UP GIRL』

  • 作者: Miura Kenji
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2009/02/20
  • メディア: 大型本

今作のもう一つの魅力は、やはり山本正之氏のスコア。「ヤッターマンの歌2009」「天才ドロンボー実写版」も素晴らしい歌だけど、どうやらザ・クロマニヨンズの「ヤッターキング2009」は入っていないようで残念!
映画『ヤッターマン』 オリジナル・サウンドトラック(仮)

映画『ヤッターマン』 オリジナル・サウンドトラック(仮)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ジェイ・ストーム
  • 発売日: 2009/03/04
  • メディア: CD

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堀越ヨッシー

こんにちは。
タイムボカンシリーズで育った世代としては、気にはなっていたのですが、今ひとつ足が進まず現在に至っています。寺田克也先生のリ・デザインな衣装や御大・山本正之さんの歌が流れると聞いたので、一瞬足が向きかけたんですけど、結局作品視聴はレンタルになりそうです(^皿^;)。
アニメを実写化(と言ってもCGですけど)にするなら実写ならでは表現方法があると思うのですが、出来上がった映像が結局アニメライクに仕上がったとするならば、なんだか本末転倒のような気もするのですが如何でしょう?。
by 堀越ヨッシー (2009-03-29 09:36) 

turbo

どもです。
この映画…。
ドラマシリーズをめっちゃトレースしていて楽しめましたよ。
深キョンがかわいいのもしかり、
一号桜井クンのボケもまあいいかって感じだったし…。
この楽しさはアラフォーにしか分らないのかなあ…?
>ドロンボーメカでエロシーンを作り出すとは想像もできなかった!
そこはturboもちょっとビビった。
監督恐るべしっp(>▽<)q


by turbo (2009-03-29 21:48) 

tomoart

>堀越ヨッシーさん
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます。
寺田克也っぽさはあんまり感じませんでしたがw美術も相当頑張ってましたね。
実写化のやり方にも色々とあると思いますけど(かなりなアレンジの「スピード・レーサー」も大好きだしw)、今作は完全にアニメと同列に見られるという異色な実写化です。ただ、アニメと実写は明らかに表現方法が違うのでw全く同じ事をやればいいわけではないですよね。それで大概失敗してる作品が多い。だからみんな大概は換骨奪胎して(ゲームだけど「バイオハザード」みたいに)実写化するわけですが。
今作はそういう意味では実写化に際してかなりディテールには気を使ってると思いますよ。その代表例が、最近よく話題になってる『ヤッターワンが海の上を実際にスゴいスピードで走ったら、ガンちゃんアイちゃんはどうなるか』という問題(?)。水しぶき浴びて大変そうな姿が笑えるんですけど、オジプト(エジプト)までの距離考えたらそんなもんじゃすまない。不条理世界の中で、どこまでやるのが「ヤッターマン」らしいか、とうバランスを考えての表現になっているのだと思いますね。
まぁ、本文でも書きましたが、万人にお勧めし辛い映画なんでw観に行かない選択も良いと思いますけど、家で初めて見たら多分引くと思いますよ〜(爆)。
by tomoart (2009-03-30 00:58) 

tomoart

>turboさん
ども。nice!&コメントありがとうございます。
ガンちゃんとアイちゃんのコンビもちょっと面白かったですねw あの“間”はこの映画独特だったかなぁ。
ドロンボーメカとヤッターワンのキスシーンは、不意を突かれた事もあって、ワタシも相当ビビりました(汗)。あんなの子供に見せていいのかな〜(爆)。
by tomoart (2009-03-30 01:03) 

7080野郎

あらためて、「ドロンジョ」サマの立ち位置が主役に??
「フカキョン」がこの役と知った時、ドキドキ感も!
by 7080野郎 (2010-05-01 10:15) 

tomoart

>7080野郎さん
コメントありがとうございます。TV放映もされたので、また注目度が上がりましたねw 深田恭子もこういうキャラも出来る、って事で新境地を開いたと言えるでしょうね。今後の活躍もまた楽しみですw
by tomoart (2010-05-02 05:01) 

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