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キカイダー REBOOT [邦画レビュー]

T0018843.jpg「キカイダー REBOOT」
(監督:下山天)

「tomoart的キカイダー」が完結していないんだけど(笑)観てきたのでレビューを・・・・。

国家プロジェクト「ARKプロジェクト」によって、精巧なアンドロイドが完成しようとしていた。方やチーフである光明寺信彦博士が理想とする“良心回路”を搭載したジロー。方や光明寺博士の補佐役であるギルバート神崎博士が理想とする強さを追求したマリ。模擬戦闘ではマリに軍配が上がるものの、プロジェクトを指揮する椿谷国防大臣の光明寺博士に対する信頼は厚く、“心”を持つジローを正式なプロトタイプとして採用する。その後、光明寺博士は急死。母親もいないために孤児となった大学生のミツコと小学生のマサルはある夜、自宅で武装した一団に襲撃を受ける。拉致されそうになった二人を救ったのは、あのプロトタイプのアンドロイド・ジローだった。

思ったよりはほんの少しマトモだったけど、結局ダメでした(笑)。本当にこれが2年もかけて書いた脚本なのか!?日本の脚本家はこんなにひどいの?まぁクレジットされている脚本家は下山健人氏なのですが・・・・彼一人で2年書いてたわけじゃないとは思います。

それにしてもほぼ全編に渡って突っ込みどころ満載ですよ(笑)。光明寺博士の死に関しては言葉でしか出て来ないし(せめて死体くらいだせよw)、大学生のミツコは人間不信のくせにイマドキっぽい女子大生の友達がいっぱいいるし(あれだけ人間不信だったら大学でも孤独に過ごすだろう)、保護者がいなくなって子供をどうするかって話が全然出て来ないし(普通親族が引き取るとか、何らかの話があってしかるべきだろう)、お金の心配も全くしてないし(博士の遺産があるのか?全く話がない)、冬の装いなのに逃避行は野宿だし(普通ホテルくらいには泊まるだろう。ホテルロケの予算がなかったのか?東映の顔が利くホテルくらいあるんじゃないのか?)、その後の展開にもいちいち色々イロイロ突っ込めます(笑)。

そして極めつけは恥ずかしい演出(笑)。ミツコとジローの疑似恋愛とか、マサルとジローが遊んだりとか、何でこんなにベタベタな演出!?BGMもベタなイメージのものをやたらベタ付してて恥ずかしさに拍車をかけている(あーベタベタw)。

とにかく映画として描くべき事を描かず、描かなくていい事を描いている印象。まるでテレビシリーズのダイジェストを見ているようだった。特に人を描けていないからそういう印象になるのだ。

ミツコはもっと普通であっていいはず。極端なキャラ設定は現実味を削ぐ。しかもヒロインなのに全く人間として描けてないし。まるで萌え系アニメのキャラかと。ちょっとおとなし目の女子大生で、だけど父親に関してはスゴく反発していて、死んだ母親にはいまだに愛情を感じていて、歳の離れたマサルに対しては母親代わりとしてちょっと過保護気味、みたいなキャラが良かったのではないか。

マサルはもう少し上(中学生くらい)の設定の方が良かったと思う。中心キャラに子供を設定すればどうしても雰囲気が子供番組的になってしまう。お陰でこの映画、大人に向けて作ったのか、子供向けに作ったのか、全く分からない。後半のマサルの言動などは中学生ならある程度すんなり見れるが、小学生には合わないし。ちょっとシスコンな中学生なんて位置付けがピッタリだったんじゃないか。ミツコに比べて普段の生活が全く描かれないのも不満。

プロフェッサーギルと無理矢理呼ばれてしまうギルバート神崎博士にも困ったもんだ(笑)。彼なんか、もっともっと魅力的に描かれてしかるべきだった。普段の生活、ああいう精神構造になった過去などがしっかり描けていれば、ハカイダーへと転生する狂気や悲哀がもっともっとエモーショナルに描けたと思う。

そう、この作品、主要登場人物はほとんど上記三人なのだ(除くアンドロイド)。それなのにこの三人すら人間として全く描けていないという恐ろしさ。それを堂々と上映してしまう東映の腐った体質が見えたような気がする(言い過ぎかな笑)。

大ゴケした事が一番いいところのような気がする映画でした。大好きな「人造人間キカイダー」は、これで完全に死にましたね、残念だけど・・・・。



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