SSブログ

マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2D・字幕版) [洋画レビュー]

Thor_-_The_Dark_World_poster.jpg「マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2D・字幕版)」
(監督:アラン・テイラー)

前作「マイティ・ソー」、そして「アベンジャーズ」での戦いの後、ソー(クリス・ヘムズワース)を始めとするアスガルドの戦士たちは、様々な時空にありアスガルドが統治している“9つの世界”を脅かす敵たちと戦い、これを駆逐。ひと時の平和が訪れた。しかし太古からの敵・ダークエルフ(クリストファー・エクルストン 他)が長い眠りから目覚めようとしていた。アスガルドに絶滅させられた彼らは残された数少ない一族で策略を練り、戦いを挑んでくる。その狙いはソーの恋人ジェーン(ナタリー・ポートマン)の体内に取り込まれた強大なエネルギーだった。

テレビ中心のキャリアを持つアラン・テイラー監督がどれほどのものを作り上げてくるか心配だった今作。まずは及第点かなぁ。ストーリーが何となく右往左往していて、今イチ化かされたような気がするが(笑)。話の展開がやや強引でご都合主義的なところが問題なのか?確かにロキ(トム・ヒドルストン)にいろいろ化かされてるところもあるけど(笑)。最後とか、分かってるけど『ヒエー!』って感じだった。

マーヴェル・シネマティック・ユニバースもこの作品で8作目。タイトルロールになったヒーローが4人。それぞれのヒーローに素晴らしい個性があるとは言え、これだけの作品を量産してくると、ヒーロー自体の魅力だけではもう新作は成り立たない。それぞれのキャラクターにきっちり合わせ、しかも毎回飽きさせない面白いストーリーを構築し続けられるかどうか。そろそろマーヴェルの底力が問われて来ていると思う。

マーヴェル総合プロデューサーのケヴィン・フェイグは「キャプテン・アメリカ」シリーズについて、『1作目はヒーロー映画の体裁を借りた第二次大戦の戦記物をやりたかった。2作目はポリティカルアクションになる』と語っていたようです。マーヴェルも、物語に関しては様々なバリエーションを展開していかなければ、早晩マンネリ化して飽きられると分かっているようですね。

という事を思ってもう一度今作を思い出してみると・・・・やはり物足りない。

元々ソーは神の力を持つヒーローでもあり、生半可な敵では相手にならない。となると、力対力というパワー・インフレスパイラルに突入せざるを得なくなり、描写だけはハデハデしいものの単調のそしりを免れ得ないと言う事になってしまう。

本当はそれを如何に上手く回避して、観客の認知し得る状況の範囲に収めるかが手腕だと思うのだが、本作では思いっきり大風呂敷を広げるばかりでその辺りの認識が甘い。だから強大な敵との戦いだというのに、クライマックスに何のハラハラ感もないのだ。

人間ドラマもどうも食い足りない。登場人物がやたら多く、それぞれのキャラクターの描写が平板だからか。中盤に起きる悲劇はもっともっと心揺さぶるものに出来ると思うのだが、当該キャラクター(ネタバレになるので名前は伏せますが)の描写が客観的過ぎるためにソーやオーディン(アンソニー・ホプキンス)の悲しみに共感できない。

同様にロキの燃えるような(はずの)復讐心や、ソーとジェーンの間の絆(燃える愛)などもすっかりさっぱりした感じなのが何ともガッカリ。

という事で、アメコミヒーロー映画としては水準かもしれないが、もっともっと面白くできる要素はあったと思うので残念なデキというのが感想。

本作は全世界で前作以上のヒットを飛ばしたらしいし、米評論家にも好評らしいし、思わせぶりに終わったし、当然続編が作られる事と思うが、出来ればもっと映画としての魅力に溢れた作品として作られる事を願います。





nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 2

エコピーマン

私は マイティー・ソーというか 時代背景が随分と昔のもの
古代ものはちょっと苦手です 日本の時代劇 西部劇なども
あまりにも リアリティが無いものはダメです
歴史は まりにも後世に伝えられた話だとか 作り話 または捏造したものも少なくありません 虚飾といっても過言ではないと考えているからです
近代のものであれば ある程度リアリティを感じるのでいいのですが それも定かではないものですが
私は歴史は SFとあまり変わらないような認識を持っています
一般的にSFはフィクション ですが 歴史ものとなればノンフィクションという定義が どうしても固定観念が存在するのですが
歴史は 確固としたものではないという認識を持ってほしいですね
ちょっと愚痴っぽくなってしまいました
by エコピーマン (2014-02-12 12:29) 

tomoart

>エコピーマンさん
nice!&コメントありがとうございます。

そうですねー、歴史映画は(特にハリウッド映画は)特に、史実を再現するというより映画作品として完成度を高めるために、著しくアレンジされているのが普通ですから、それを本当に起こった事のように誤認するのはマズいですね。

まぁ「マイティ・ソー」は現代を舞台にしたアメコミ映画ですから、SFファンタジーとして認識されていると思いますよ(^^)
by tomoart (2014-02-14 15:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

1ヶ月無料のU-NEXT

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。