猿の惑星:創世記〈ジェネシス〉(字幕版) [洋画レビュー]
「猿の惑星: 創世記〈ジェネシス〉(字幕版)」(監督:ルパート・ワイアット)
名作「猿の惑星(1968)」の前章を描く。
製薬会社の研究員ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)は、アルツハイマーの父チャールズ(ジョン・リスゴー)の治療のため脳細胞を活性化させる画期的な新薬を開発。チンパンジーに投与し経過観察するも凶暴化してあえなく射殺されてしまう。ウィルは残されたそのチンパンジーの赤ちゃんを処分出来ず、家に連れ帰って育て始める。シーザー(アンディ・サーキス)と名付けられた赤ちゃんは、ウィルのガールフレンドとなった獣医のキャロライン(フリーダ・ピント)らに見守られ、すくすくと育つ。母親に投与された薬の影響による驚異的な頭脳を持って・・・・。
いやー、面白かったですよ(笑)。ワタシみたいなハッピーエンド好きとしては、バッドエンドにしかなりようのない今作(「猿の惑星」の世界につながるのだから最終的に猿が勝つ)に、余り期待は出来なかったんですが、監督のルパート・ワイアットはやってくれました。何とシーザーに感情移入させるという脅威の手段で、類人猿たちの勝利(=人類の敗北)がバッドエンドに思えないという作品になったんです。
ウィルやキャロラインもいいキャラで、特にウィルとチャールズとの父子ドラマはなかなか切なくていいのですが、実はシーザーとチャールズとのドラマもなかなかにいいのです。ある騒動を起こしてしまったシーザーがチャールズと寄り添うシーンなんて涙ものです。
この辺りはやっぱりジョン・リスゴーですかねw 出演シーンは意外と長くないと思うのですが、アルツハイマーになってしまって思った通りにならない悔しさや苦悩をよく演じてますね。お陰で主役級の二人(一人と一匹?)とのドラマが際立っています。
付け加えとくとヒロインのフリーダ・ピントもやや個性的だけどキレイに写ってて良かったなぁ(爆)。
そして後半はシーザーの苦悩と人間から受ける虐待が描かれており、そう言った描写を通じて観客は人間よりシーザーへと感情移入先が変化していくようになっています。この辺りはもうアンディ・サーキスの独壇場ですね。そしてモーションキャプチャの進化をまざまざと見せつけてくれます。CGキャラなのに、この顔の表情の微妙さと来たら、本当にシーザーというキャラクターが存在しているような気にさせてくれます。
VFXのWETAといいアンディ・サーキスといい、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムや「キング・コング(2005)」のコングなどでの実績とその後のデジタル技術の向上によって、真にリアリティのあるチンパンジーキャラを作り上げました。この作品ではいわゆる“脳内補完”はほとんど必要ありません。全ての猿はCGキャラだという事だけど、嘘くささはみじんもなく、背景との馴染みも完璧。これは感服のデキです。
シーザーは人間にも猿にも属せない悲しさを秘めたキャラクター。人間に虐待され、猿に受け入れられた事で猿側につくわけですが、もしかしたら本当の仲間が欲しいという欲求が彼をこの映画の行動に駆り立てたのかもしれませんね。
もう一言蛇足を。エンドロールのバックで飛行機の航路図のようなものが動いていますが、それがあるウィルス拡大をも描いている事に気づけば、今回のシーザーの小さな勝利が1000年後の猿の惑星に続いていく事に納得されると思います。なかなか素晴らしい演出でした。
とは言え、元々新シリーズの第一作を標榜する今作。既にDomesticで17,529万ドル、Worldwideで41,869万ドル稼いでますので、パート2の制作は間違いないでしょう。このクオリティで是非続編を見せて欲しいと思います。
名作「猿の惑星(1968)」の前章を描く。
製薬会社の研究員ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)は、アルツハイマーの父チャールズ(ジョン・リスゴー)の治療のため脳細胞を活性化させる画期的な新薬を開発。チンパンジーに投与し経過観察するも凶暴化してあえなく射殺されてしまう。ウィルは残されたそのチンパンジーの赤ちゃんを処分出来ず、家に連れ帰って育て始める。シーザー(アンディ・サーキス)と名付けられた赤ちゃんは、ウィルのガールフレンドとなった獣医のキャロライン(フリーダ・ピント)らに見守られ、すくすくと育つ。母親に投与された薬の影響による驚異的な頭脳を持って・・・・。
いやー、面白かったですよ(笑)。ワタシみたいなハッピーエンド好きとしては、バッドエンドにしかなりようのない今作(「猿の惑星」の世界につながるのだから最終的に猿が勝つ)に、余り期待は出来なかったんですが、監督のルパート・ワイアットはやってくれました。何とシーザーに感情移入させるという脅威の手段で、類人猿たちの勝利(=人類の敗北)がバッドエンドに思えないという作品になったんです。
ウィルやキャロラインもいいキャラで、特にウィルとチャールズとの父子ドラマはなかなか切なくていいのですが、実はシーザーとチャールズとのドラマもなかなかにいいのです。ある騒動を起こしてしまったシーザーがチャールズと寄り添うシーンなんて涙ものです。
この辺りはやっぱりジョン・リスゴーですかねw 出演シーンは意外と長くないと思うのですが、アルツハイマーになってしまって思った通りにならない悔しさや苦悩をよく演じてますね。お陰で主役級の二人(一人と一匹?)とのドラマが際立っています。
付け加えとくとヒロインのフリーダ・ピントもやや個性的だけどキレイに写ってて良かったなぁ(爆)。
そして後半はシーザーの苦悩と人間から受ける虐待が描かれており、そう言った描写を通じて観客は人間よりシーザーへと感情移入先が変化していくようになっています。この辺りはもうアンディ・サーキスの独壇場ですね。そしてモーションキャプチャの進化をまざまざと見せつけてくれます。CGキャラなのに、この顔の表情の微妙さと来たら、本当にシーザーというキャラクターが存在しているような気にさせてくれます。
VFXのWETAといいアンディ・サーキスといい、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムや「キング・コング(2005)」のコングなどでの実績とその後のデジタル技術の向上によって、真にリアリティのあるチンパンジーキャラを作り上げました。この作品ではいわゆる“脳内補完”はほとんど必要ありません。全ての猿はCGキャラだという事だけど、嘘くささはみじんもなく、背景との馴染みも完璧。これは感服のデキです。
シーザーは人間にも猿にも属せない悲しさを秘めたキャラクター。人間に虐待され、猿に受け入れられた事で猿側につくわけですが、もしかしたら本当の仲間が欲しいという欲求が彼をこの映画の行動に駆り立てたのかもしれませんね。
もう一言蛇足を。エンドロールのバックで飛行機の航路図のようなものが動いていますが、それがあるウィルス拡大をも描いている事に気づけば、今回のシーザーの小さな勝利が1000年後の猿の惑星に続いていく事に納得されると思います。なかなか素晴らしい演出でした。
とは言え、元々新シリーズの第一作を標榜する今作。既にDomesticで17,529万ドル、Worldwideで41,869万ドル稼いでますので、パート2の制作は間違いないでしょう。このクオリティで是非続編を見せて欲しいと思います。
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タグ:猿の惑星 ルパート・ワイアット
>peachさん
nice!ありがとうございます。ご覧になったら是非感想でも〜w
by tomoart (2011-10-17 22:47)
きれいなブログ。見学を続けるこのブログ凄い
by ミュウミュウバッグ (2012-03-21 10:28)