アジャストメント(字幕版) [洋画レビュー]
「アジャストメント(字幕版)」
(監督:ジョージ・ノルフィ)
若き上院議員候補のデヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は選挙戦のさなかのスキャンダルにより敗北宣言をする事に。スタッフたちが考えたシナリオ通りの演説に望もうとしていたデヴィッドはしかし、ダンサーのエリース(エミリー・ブラント)との運命的な出会いによって自分を取り戻し、率直な自分の思いを支持者たちに語りかけた。そして、それが逆に有権者へ好感を与え、デヴィッドは次回選挙の本命としての地位を確立するのだった。
エリースを忘れ難いデヴィッドは、偶然にも通勤のバス内で彼女との再会を果たす。電話番号を聞き、これからの二人に希望を抱くデヴィッドだったが・・・運命では二人は二度と出会わないはずだった!人知れず運命を管理する“運命調整局”がデヴィッドの前に現れ、二人の間を引き裂こうとするが、もはやデヴィッドにはその“運命”を受け入れられない感情が芽生えていた・・・・。
うーん、何となくサラリと出来ちゃった感じです。どの辺りが売りなのかよく分からないデキというか。主役の二人のネームバリューを除けば安く出来てるって事なのかなぁ(Budgetは5000万ドル)。せっかくディックの原作を持って来てるんだから、もう少し志しを高く持てば、もっともっと面白く出来たと思うんだけど。
肌合いが全くもってディックらしくないのは良いとして(笑)。ラブストーリーにしたのは悪くないと思う。デヴィッドとエリースの感情がぶれないので、物語に芯が通っている。お陰でその他のごちゃごちゃしがちな部分が整理されていて、ストーリー展開がわかりやすい。原作:フィリップ・K・ディックに反応して観に来る人には可哀想かもしれないけど(SFらしいセンス・オブ・ワンダーも感じられなかったからなぁ)。
それよりラブストーリーとしての楽しさや苦しさがなかなか伝わって来ない方が残念。製作の前段階からラブストーリーとして作られる事が示唆されていたくらいなのだから、この部分を普通のロマコメ作品くらい楽しめるデキにして欲しかった。特に二人が会っていない時の恋愛感情の起伏描写に乏しいので、感情移入し切れなかった。切なさがもっと描けていれば、今作の印象もかなり違ったものになったと思う。
もう一つの根幹である、デヴィッドと運命調整局との戦いも中途半端。というか弱過ぎる(汗)。象徴的なのが結末で、「自分で自分の運命を切り開く」という意図でデヴィッドが動いているのだから、観客としてはその回答をエンディングで示して欲しい訳だが、それがあれでは・・・・。自分で切り開けてないじゃん!(爆)
この作品、本当はもっと美術とかに凝って、ネオゴシックな雰囲気の映像になってればそれだけで満足出来たのかもしれない。「ブレードランナー」だって物語は結構弱いしエンディングも主人公はお情けで助けられて終わるし、あのビジュアルがなかったらここまでの盛り上がりは難しかっただろう。まぁこればっかりは資金的な問題が大きいので、指摘したところで詮無い事ではあるが・・・・。同じくアクションをもっとしっかりやってれば(せっかくマット・デイモンなんだから)、ってのも予算の都合がデカイのかなぁ。
最後にエミリー・ブラントだがwまぁ悪くはなかったですよ。ちょっと骨太な感じだったけど。この役だったら、ホントはもっと細めでしなやかな肢体の女優さんの方があってたとは思う。
という事で今作はSF作品としてもアクション作品としても弱く、ラブストーリーもやや中途半端という残念なデキでした・・・・。ラブストーリーがもうワンランク良く出来てたらと思わずにはいられません(汗)。脚本家上がりの監督のデビュー作だったわけですが、やっぱり力量不足ですかねぇ。
久しぶりに「セレンディピティ」w これ見てると、今作の筋立てがちょっと近い事に気付くと思いますw でもこちらは本当に自分で運命を切り開くわけですが。だからグッと来るんだよなぁ(笑)。
(監督:ジョージ・ノルフィ)
若き上院議員候補のデヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は選挙戦のさなかのスキャンダルにより敗北宣言をする事に。スタッフたちが考えたシナリオ通りの演説に望もうとしていたデヴィッドはしかし、ダンサーのエリース(エミリー・ブラント)との運命的な出会いによって自分を取り戻し、率直な自分の思いを支持者たちに語りかけた。そして、それが逆に有権者へ好感を与え、デヴィッドは次回選挙の本命としての地位を確立するのだった。
エリースを忘れ難いデヴィッドは、偶然にも通勤のバス内で彼女との再会を果たす。電話番号を聞き、これからの二人に希望を抱くデヴィッドだったが・・・運命では二人は二度と出会わないはずだった!人知れず運命を管理する“運命調整局”がデヴィッドの前に現れ、二人の間を引き裂こうとするが、もはやデヴィッドにはその“運命”を受け入れられない感情が芽生えていた・・・・。
うーん、何となくサラリと出来ちゃった感じです。どの辺りが売りなのかよく分からないデキというか。主役の二人のネームバリューを除けば安く出来てるって事なのかなぁ(Budgetは5000万ドル)。せっかくディックの原作を持って来てるんだから、もう少し志しを高く持てば、もっともっと面白く出来たと思うんだけど。
肌合いが全くもってディックらしくないのは良いとして(笑)。ラブストーリーにしたのは悪くないと思う。デヴィッドとエリースの感情がぶれないので、物語に芯が通っている。お陰でその他のごちゃごちゃしがちな部分が整理されていて、ストーリー展開がわかりやすい。原作:フィリップ・K・ディックに反応して観に来る人には可哀想かもしれないけど(SFらしいセンス・オブ・ワンダーも感じられなかったからなぁ)。
それよりラブストーリーとしての楽しさや苦しさがなかなか伝わって来ない方が残念。製作の前段階からラブストーリーとして作られる事が示唆されていたくらいなのだから、この部分を普通のロマコメ作品くらい楽しめるデキにして欲しかった。特に二人が会っていない時の恋愛感情の起伏描写に乏しいので、感情移入し切れなかった。切なさがもっと描けていれば、今作の印象もかなり違ったものになったと思う。
もう一つの根幹である、デヴィッドと運命調整局との戦いも中途半端。というか弱過ぎる(汗)。象徴的なのが結末で、「自分で自分の運命を切り開く」という意図でデヴィッドが動いているのだから、観客としてはその回答をエンディングで示して欲しい訳だが、それがあれでは・・・・。自分で切り開けてないじゃん!(爆)
この作品、本当はもっと美術とかに凝って、ネオゴシックな雰囲気の映像になってればそれだけで満足出来たのかもしれない。「ブレードランナー」だって物語は結構弱いしエンディングも主人公はお情けで助けられて終わるし、あのビジュアルがなかったらここまでの盛り上がりは難しかっただろう。まぁこればっかりは資金的な問題が大きいので、指摘したところで詮無い事ではあるが・・・・。同じくアクションをもっとしっかりやってれば(せっかくマット・デイモンなんだから)、ってのも予算の都合がデカイのかなぁ。
最後にエミリー・ブラントだがwまぁ悪くはなかったですよ。ちょっと骨太な感じだったけど。この役だったら、ホントはもっと細めでしなやかな肢体の女優さんの方があってたとは思う。
という事で今作はSF作品としてもアクション作品としても弱く、ラブストーリーもやや中途半端という残念なデキでした・・・・。ラブストーリーがもうワンランク良く出来てたらと思わずにはいられません(汗)。脚本家上がりの監督のデビュー作だったわけですが、やっぱり力量不足ですかねぇ。
アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)
- 作者: フィリップ K.ディック
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/04/30
- メディア: 文庫
久しぶりに「セレンディピティ」w これ見てると、今作の筋立てがちょっと近い事に気付くと思いますw でもこちらは本当に自分で運命を切り開くわけですが。だからグッと来るんだよなぁ(笑)。
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