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まちがいだらけのハネムーン [小説レビュー]

514eRJVDK5L._SS500_.jpg「まちがいだらけのハネムーン」(コニス・リトル)創元推理文庫

看護婦のミリエルは出会ってわずか5日のイアンと内密に結婚する。戦争中の今、中尉のイアンは間もなく戦場へ戻らなければならない為、急ぐ必要があったのだ。ハネムーンもつましく、ミリエルの勤める病院に入院中で不在の、イアンの叔父リチャードの邸宅で二人きりで過ごす事になるのだが、邸宅に着いてみると親戚一家が転がり込んでいて騒がしい事この上ない。しかもその騒動のさなかにイアンとの結婚に裏があった事が明らかになってしまう。
そんな中、リチャードの病状が急変し、帰らぬ人となってしまう。アレルギーの悪化が原因だったが、気付けばミリエルの制服のポケットに悪化の原因となる鳥の羽が。自分の潔白を証明するため、父の知人の探偵ケリーを雇ってリチャード宅へと潜入を依頼するのだったが・・・・。

という事で幸せな事にコニス・リトルの本も「記憶をなくして汽車の旅」「夜ふかし屋敷のしのび足」に続く3冊目。売れてる気配がないから続刊に不安を抱いていたのだが一安心w これまた1941年の作品で、戦中ながら明るい作風でとても楽しい。もちろん謎解きがあって推理小説、今作ではちゃんと探偵も登場しw殺人事件の解決も驚愕の結果となる。まぁ、ややトリッキーだが。

でもコニス・リトルの作品は、第一に作品世界の雰囲気を楽しむ事で、謎解きはどちらかと言えばその物語のスパイスと言えるかもしれない。本格派とは違い、作者と読者の謎解き対決みたいなわけにはいかないと思う。ただ、それだからつまらないわけではないので、お間違えないように。

主人公は毎度お馴染みの、おきゃんでややおっちょこちょいながら、自立した性格で難関にも挫けない明るい性格の女の子。誰が読んでもついつい肩入れしたくなってしまう、愛すべきキャラクターだ。彼女の物語を追っていくうちに、グイグイ引っ張られて先へ先へと読み進んでしまう。

創元さんにはゼヒゼヒ、コニス・リトル作品の続刊を願って止まない。面白そうな軽い本をお探しの方、コニス・リトルの作品、お薦めです!続刊の為にもお買い求めくださいw


まちがいだらけのハネムーン (創元推理文庫)

まちがいだらけのハネムーン (創元推理文庫)

  • 作者: コニス・リトル
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: 文庫

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