マトリックス・リローデッド（吹替版）：moromoro

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レポゼッション・メン（字幕版）｜マトリックス・レボリューションズ（吹替版.. ブログトップ

マトリックス・リローデッド（吹替版）　[洋画レビュー] [編集]

「マトリックス・リローデッド」
（監督：アンディ＆ラリー・ウォシャウスキー）

前作でネオ（キアヌ・リーヴス）がマトリックス内で空を飛んで見せた後も、機械たちとの戦いは続いていた。
ある日、機械たちのザイオン侵攻作戦が見つかる。巨大ドリルで地下深くのザイオンへと到達し、センチネル軍団25万体を使った殲滅作戦を行おうというのだ。ザイオンの守りを固め、侵入を阻止しようとする司令官・ロック（ハリー・レニックス）に対し、予言者・オラクル（グロリア・フォスター）の言葉通りに事を運べば戦争は終わると固く信じるモーフィアス（ローレンス・フィッシュバーン）は、オラクルと連絡を付け、次の指示を仰ぐべきと造反、マトリックスに侵入する。
一方前作でネオに殺されたと思われたエージェント・スミス（ヒューゴ・ウィービング）はそのプログラムが変調をきたし、マトリックスと離れた独立した存在へと昇華されていた。とはいえ目的がなければ存在し得ない“プログラム”である彼（？）は、その唯一の目的である打倒ネオへと執着。自身の膨大な数の複製化という特殊能力に加え、何とプログラムでありながら現実世界の人間へと入り込み、ネオ抹殺を狙うのだった・・・・。

一昨日、買ったBlu-rayレコーダのディスク再生機能を全く使っていなかった（HDDへの録画はしまくってるけど、ディスクへの書き出しもまだw）事に気付いて、アナログDVDレコーダでの再生に比べてデジタル接続になった分、同じDVD再生でも綺麗に見えるんじゃないか・・・と気になりだして、何か購入ソフトを再生しようと手に取ったのが1作目「マトリックス」。
そして見始めたら（映像は確かにかなり綺麗に見えた）ついつい物語に見入ってしまい、頭から最後まで普通に再生鑑賞してしまった（汗）。平日だというのに夜の12時近くから見始めたので、見終わったら2時になっちゃった（爆）。やっぱカッコえぇ〜！と思いを新たにしたので、ついでに続編も見る事にした次第w　レビューもしてなかったし。

で今作。ヒット作の続編に傑作なし、という定説通り、今作も印象としてはかなり落ちている。公開時に話題になった、わざわざ特設の高速道路を作ってしまった事を始めとした巨大Budget（15,000万ドル。ちなみに1作目は6,300万ドル）もうまく使い切ったとは言えず、画面から受けるリッチ感は確かに向上したものの、前作の独特な“品（ひん）”も手放してしまった印象で、続編としてはかなり厳しい部類だろう。

アクションに関しても、「バレットタイム」などを生んだ前作にアイデアを全てをぶち込んでしまったのか、目新しさは（ツインズのシーンにやや感じるものの）ほとんどなかったのではないか。スミス大量発生や、渋滞の高速道路を逆走するバイクなど、要は物量で押し切ろうというやや悲しい割り切りが目につく。特にスミスたちとの公園での戦いは、進化した今のCGと比べてはいけないと重々承知した上でも、余りにもお粗末。特にネオのロングコートがゴムみたいな質感に変容してしまっている上、肌の質感や顔のつくり込みなど、「間に合いませんでした、スイマセン」という感じの作りが切ない。これなら衣裳の段階から、あのロングコートは止めとくべきだった。

それよりアクションなら、ネオとセラフ（コリン・チョウ）との、狭いテーブル上でのアクションの方が楽しい。狭いからこその超接近戦で、普通のアクションシーンと間合いが全く違う。演出も色々と凝っていて、箸立てが時々飛んだりするのがアクセントで面白かったりするw

実はワタシが今作で最も印象に残ったのは、アクションでもガジェットでもなく、オラクル役のグロリア・フォスター。今作が糖尿病による合併症で亡くなった彼女の遺作で、次作「〜レボリューションズ」ではオラクル役がメアリー・アリスに変更になった事は周知の事実。

彼女の登場シーンは、件の対スミス戦の直前の短い時間に限られるが、とても印象的だ。ネオとの“禅問答”は、全てを見終わってから見直してみると、改めて色々な事が語られていた事に気付かされる。
そして前作にも出ていたグロリアだが、撮影後に亡くなった事を投影して見てしまうからか、前作でジンジャークッキーを焼きながらタバコをふかしていた元気さから一転、今回はベンチから動こうとせずに、取り出すのもキャンディーで、弱っている感じが透けて見える。
しかし、いや、だからなのか、ネオを見守るその目は大変な優しさをたたえ、見るものの心を揺さぶらずにはいられない。

グロリアの最後の演技は、盛り上がりに欠けた三部作の真ん中の作品の中で、ことさらに輝いているように感じる。