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ノウイング [洋画レビュー]

Knowingposter08.jpg「ノウイング」(監督:アレックス・プロヤス)

宇宙物理学教授のジョン(ニコラス・ケイジ)は事故で妻を亡くし、小学生の息子・ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)とはなかなかうまく行かない生活を送っていた。そんなある日、ケイレブが小学校の行事で50年前に埋められた『タイムカプセル』から過去の手紙を持って帰ってくる。しかしその内容は数字の羅列。ケイレブは何かの暗号だと、解くのに意欲満々だったが、ジョンは深夜にその数字の羅列から9.11死者数2993人という文字が並んでいるのを見つけてしまう。そこから調べて行くとその数字の羅列には、過去50年の大災害(人災・天災)の起こった日付と死者数が並んでいる事が分かる。50年前にそれを書いたルシンダ(ララ・ロビンソン)はいったい何者だったのか?謎を追ううちにジョンは、恐るべき事実を知るのだった・・・・。

これは・・・・まぁ、スゴい。これも結末を知ってしまうと全く面白くないと思うので極力ネタバレにならないように説明したいと思うが、最初はオカルト的な限定された世界での話かと思っていると、急にSFな話に切り替わるのだ。いやー、ビックリした。その辺り伏線が弱いので、非常に唐突感がある。変なたとえだが、推理小説で最終章にいきなり犯人が登場するようなものだ。そこを納得出来るかどうかがこの作品の評価の分かれ目だろう。ワタシはナットクは出来なかったが、まぁ、そういうコトもアリか、と苦笑も交えて腹に落としたという感じ。そう思えば全体には面白い作品だったと言えるだろう。

この作品の見どころは、大事故を丹念にリアリティを持って描いているところ。予告編でも散々流れているが、車の行列に旅客機が突っ込んでくるシーンや、電車が人々をなぎ倒していくシーン。特に後者は驚嘆の出来で、普通ではあり得ない近くからの視点で、事故に巻き込まれて行く人々の様子が描かれる。ホラーじゃないので直接的な描写はかなり抑えめにしているが、それでもワタシは背筋が凍り付く気がしたほど。ここらはローランド・エメリッヒなんかが描くディザスタームービーの壮大な災害シーンとは一線を画すリアルさがあった。(ラストに向けてはそういったシーンもあるけど。)

もう一つは親子の情を描いて泣かせる。ただ、ワタシは肝心なジョン親子の重要なシーンではあまり泣けなかった。なんだろう。やっぱり主人公がニコラス・ケイジという事で、知らずに主人公に感情移入する事を拒否してたのかなぁ(爆)。親子三代の有り様を描いているのだが、ジョンの父親との確執も、後半急に出て来た感じがあって納得性が薄かった。
逆にローズ・バーン扮するダイアナの、娘(ララ・ロビンソン二役)との情が切なくて、バカな母親としてのリアル感があって泣けた。間抜けをやって、窮地に追い込まれてしまう展開も、考えてみればとてもリアル。こんな風に失敗するんだよなぁ、と普通に思えた。ローズ・バーンの熱演は一つの注目ポイントですよ。

話の展開が上手く回っていない部分があって、そう言うのが気になる人にはとてもお薦め出来ないけど、それでも災害シーンのスゴさやサスペンス的展開、謎解きの興味などでそこそこ引っ張って行ってくれる。後味は複雑怪奇でwこの作品独特と言ってもいいかもしれない。そんなオリジナルな雰囲気を楽しめる作品を見てみたい、という方は是非。


ノベライズ。この辺りを読むと、もう少し伏線があるんでしょうか・・・・。
ノウイング

ノウイング

  • 作者: ライン・ダグラス・ピアーソン
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/06/23
  • メディア: 文庫


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