再起 [小説レビュー]
「再起」(ディック・フランシス)※ハヤカワ文庫HM
隻腕探偵シッド・ハレー四度登場!
競馬専門の探偵をしているシッドは、知り合いの騎手が勝利したにも関わらず、調教師と言い争っているのを目撃する。八百長を持ちかけられていたのではないかというシッドの不安を更に超える形で事件が起こる。なんとその騎手が直後に射殺されたのだ!シッドは、政府筋のアーチイや馬主で上院議員のエンストーン卿からも様々なレベルで八百長レースに関する調査を依頼され、併せて騎手の殺人にも調査の手を伸ばす。しかし、それを快く思わない人物に恋人・マリーナが襲撃された!シッドの不屈の心が燃え上がる・・・。
今さらこの競馬シリーズについて、面白いなんて言葉は不要でしょう。まぁ特にシッド・ハレーシリーズの作品ですからねw 今回の試練は、恋人という枷を狙われてしまうところ・・・・と思わせて、しっかりシッド自らも最後には追い詰められてしまいます。この辺りは往年の作品を彷彿とさせますね。
全盛時代の作品はどれも最後は主人公が肉体的に追い詰められるがギリギリのところで『不屈の魂』で踏みとどまり、最後には悪が倒れる・・・というのが常道でした。またその描写たるや読んでるだけで苦痛を感じるくらい(爆)だけど読まなきゃ終わらないし・・・という、読者にも『不屈の魂』を要求する作風でしたね(笑)。ワタシはそこまでの描写はちょっとキツ過ぎて、ここ最近の作品くらいがちょうどいいなぁ、と思っていますけど。
ただ、そういう展開に戻って来たというのは、新たなパートナーである息子さんの影響もあるのかな、と思ってしまいます。この作品は、以前当ブログでも書きましたが、長年のパートナーだった奥さんが亡くなってから6年間の断筆があり、その沈黙を破って久々に発表になった作品。老老ペア(汗)で書いていた作品とは趣きが変わって当然なのかもしれません。
次作からは遂に著者名も〈ディック・フランシス&フェリックス・フランシス〉と息子さんとの共著となり、もしかするといよいよディックも完全引退が近いのかもしれません。何しろもう88歳ですからね(驚)。
それにしてもシッド・ハレーですが、ワタシの感覚からするともう50歳前後といった感じだったんですが、今作でたしか38歳となっています(木亥火暴)。初登場する「大穴」が米国で出版されたのが1965年。ワタシの生まれる前年ですから、シッドがそれ位(50前後)の年齢だと思っていても何の不思議もないでしょう!?今までは恋愛模様など描かれなかったのでイメージする物差しがなかったのですが、今作では美しく(そして強い)ヒロインが出て来るので年齢が気になった次第。
シッドの登場作品を時系列順に紹介します。興味を持ったら、是非時系列順にお読みください。ちなみに当記事左上の画像はハードカバーの表紙。こちらの方が文庫のアッサリした表紙より“競馬シリーズ”っぽいでしょw
隻腕探偵シッド・ハレー四度登場!
競馬専門の探偵をしているシッドは、知り合いの騎手が勝利したにも関わらず、調教師と言い争っているのを目撃する。八百長を持ちかけられていたのではないかというシッドの不安を更に超える形で事件が起こる。なんとその騎手が直後に射殺されたのだ!シッドは、政府筋のアーチイや馬主で上院議員のエンストーン卿からも様々なレベルで八百長レースに関する調査を依頼され、併せて騎手の殺人にも調査の手を伸ばす。しかし、それを快く思わない人物に恋人・マリーナが襲撃された!シッドの不屈の心が燃え上がる・・・。
今さらこの競馬シリーズについて、面白いなんて言葉は不要でしょう。まぁ特にシッド・ハレーシリーズの作品ですからねw 今回の試練は、恋人という枷を狙われてしまうところ・・・・と思わせて、しっかりシッド自らも最後には追い詰められてしまいます。この辺りは往年の作品を彷彿とさせますね。
全盛時代の作品はどれも最後は主人公が肉体的に追い詰められるがギリギリのところで『不屈の魂』で踏みとどまり、最後には悪が倒れる・・・というのが常道でした。またその描写たるや読んでるだけで苦痛を感じるくらい(爆)だけど読まなきゃ終わらないし・・・という、読者にも『不屈の魂』を要求する作風でしたね(笑)。ワタシはそこまでの描写はちょっとキツ過ぎて、ここ最近の作品くらいがちょうどいいなぁ、と思っていますけど。
ただ、そういう展開に戻って来たというのは、新たなパートナーである息子さんの影響もあるのかな、と思ってしまいます。この作品は、以前当ブログでも書きましたが、長年のパートナーだった奥さんが亡くなってから6年間の断筆があり、その沈黙を破って久々に発表になった作品。老老ペア(汗)で書いていた作品とは趣きが変わって当然なのかもしれません。
次作からは遂に著者名も〈ディック・フランシス&フェリックス・フランシス〉と息子さんとの共著となり、もしかするといよいよディックも完全引退が近いのかもしれません。何しろもう88歳ですからね(驚)。
それにしてもシッド・ハレーですが、ワタシの感覚からするともう50歳前後といった感じだったんですが、今作でたしか38歳となっています(木亥火暴)。初登場する「大穴」が米国で出版されたのが1965年。ワタシの生まれる前年ですから、シッドがそれ位(50前後)の年齢だと思っていても何の不思議もないでしょう!?今までは恋愛模様など描かれなかったのでイメージする物差しがなかったのですが、今作では美しく(そして強い)ヒロインが出て来るので年齢が気になった次第。
シッドの登場作品を時系列順に紹介します。興味を持ったら、是非時系列順にお読みください。ちなみに当記事左上の画像はハードカバーの表紙。こちらの方が文庫のアッサリした表紙より“競馬シリーズ”っぽいでしょw
再起 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-41) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: ディック フランシス
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/11/07
- メディア: 文庫
タグ:競馬シリーズ ディック・フランシス
こんばんは。
なんだかおもしろそうな本ですね。このごろ、こういう探偵小説が読みたいです。ところで、この小説は競馬を知らなくても楽しめますか?
by coco030705 (2008-12-30 00:37)
>coco030705さん
こんばんは。いつもnice!&コメントありがとうございます。
この“競馬シリーズ”は、競馬を全く知らなくても充分楽しめます。逆に変に日本の競馬とか知らない方がいいかもしれませんw 日本じゃ競馬と言えば赤鉛筆なめなめ、てな印象ですが、英国では社交場ですからね。
かく言うワタシも競馬なんて全く知りませんでしたが、一冊手に取ったら芋づる式に気付けば40冊買ってしまいましたよ(笑)。面白さは保証します!
あ、ただこれは“競馬シリーズ”全作に言える事ですが、非常に男臭い作風ですから、女性だと主人公たちの性格に魅力を感じないと続かないかもしれません。いろんな主人公が出て来ますが、基本的には同傾向の男たちですから。これは好みの問題ですねぇ・・・。
by tomoart (2008-12-30 00:47)